志位和夫 日本共産党

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主な活動

2024年9月4日(水)

欧州訪問 8/29~9/10

「共産主義と自由」めぐり理論交流

志位議長が識者と縦横に意見交換


 日本共産党の志位和夫議長は2日、ベルリン市内にあるドイツの進歩的シンクタンク、ローザ・ルクセンブルク財団本部で、同財団のビアバウム理事長の司会のもと財団の理論・労働・社会分野の専門家らと「共産主義と自由」について理論交流を行いました。(志位議長の発言全文)


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(写真)「共産主義と自由」をテーマに行われたローザ・ルクセンブルク財団との理論交流=2日、ベルリン

 この間の日本共産党の「共産主義と自由」についての理論・実践活動の中で、欧州の専門家と理論交流をするのは初めての試みとなります。

 志位氏は冒頭に「マルクス、エンゲルスの母国での理論交流は大きな喜びです」とドイツ語であいさつ。日本共産党が「共産主義と自由」をテーマに取り組みを強めている背景と動機について、1961年に党綱領路線を確立して以降のマルクスの理論の本来の輝きを現代に生かす探究の歩みを紹介。党の前進に対して支配勢力が繰り返しの反共攻撃で応えるという政治闘争の攻防の教訓を踏まえて、「共産主義と自由」についての真実を広く国民に伝えることを多数者結集の戦略的課題として取り組んでいると語りました。

 その上で、(1)「人間の自由」をキーワードに未来社会の展望を三つの角度から特徴づけたこと(2)「利潤第一主義」からの自由――「生産手段の社会化」と「自由」は深く結びついていること(3)人間の自由で全面的な発展と「自由に処分できる時間」こそ未来社会の基本原理でありカギであること(4)「自由な時間」と未来社会に関するマルクスの探究の足跡(5)発達した資本主義がつくりだし、未来社会に継承・発展させられる諸要素について(6)「高度な生産力」をただ引き継ぐのでなく新しい質で発展させること(7)「旧ソ連、中国のような社会にならない保障は」という問いについての回答―などを簡潔に語りました。

 参加者は、志位氏が最近出版した『Q&A 共産主義と自由』、『前衛』9月号に発表した論文『「自由な時間」と未来社会論』の二つのテキストの英訳を事前に読んだ上で「生産手段の社会化と自由の関係は?」「個人の発展と社会の発展の関係は?」「ケア労働と『自由な時間』との関係は?」などさまざまな角度から質問。志位氏が質問の一つひとつに回答し、活発な意見交換となりました。

 参加者からは、「二つのテキストは、労働時間の問題を未来社会の幅広い問題と結び付けて展開している大事なものだ」「マルクス、エンゲルスの『時間』についての深い考え方がよくわかった」「『自由な時間』についてのマルクスの探究を詳細に聞いたのは初めてのことだ」「『自由な時間』の解明は、刺激的で歓迎する」「『共産主義と自由』の問題は東独時代を経験したわれわれにとって中心問題だ」などの感想が出されました。

 また、「生産力を最大限に拡大する上でも、それが人間的なあり方と合致することが必要だ」「労働時間短縮の闘いは未来社会に向けた闘いにもつながっている」などの意見も出されました。

 ローザ・ルクセンブルク財団とは今後も理論面での交流を適切な形で継続することになりました。