志位和夫 日本共産党

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演説・あいさつ

2024年9月2日(月)

欧州訪問 8/29~9/10

ブロック対立を止め平和の連帯を

ベルリン国際平和会議 志位議長が発言


 ドイツの進歩的シンクタンク、ローザ・ルクセンブルク財団主催の国際平和会議「今こそ外交を!」が8月31日にベルリン市内で開催されました。ウクライナの流血と破壊を終わらせるために和平交渉を各国政府に呼びかけることをテーマに、各国政党代表・市民活動家・知識人による活発な討論が行われ、軍事的対応の強化を進める「ブロック対立」を拒否し、外交によって平和を創出する「今こそ外交を」と題する呼びかけが採択されました。日本共産党の志位和夫議長はゲストスピーカーとして登壇し、ウクライナ和平交渉をどう成功させるか、ガザでのジェノサイドの中止、東西の軍事ブロック強化に反対し、核兵器禁止条約を推進する連帯、平和をつくる対案について訴えました。(発言全文)


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(写真)ローザ・ルクセンブルク財団主催の国際平和会議で発言する志位議長=8月31日、ベルリン

 同財団のビアバウム理事長は開会のあいさつで、ウクライナ戦争が深刻な人道的危機と環境破壊をもたらしており「平和の実現に向けて、多国間の国際協力が必要だ」と強調。「流血の事態と軍事主義の理論をこれ以上広げないために、世界の平和勢力が今こそ団結し行動するときだ」と述べました。

 会議は3部構成で15カ国の平和団体・政党代表が登壇。ロシアの平和活動家エフゲニー・ストゥーピン氏は国内での反戦運動の困難さや「プーチン政権への制裁は必要だが、ロシア国内で暮らす市民が戦争制裁のために大変な状況に追い込まれている」との実情を訴え。国際平和ビューローのウクライナ代表ユーリイ・シェリアジェンコ氏は国内外の避難民や死傷者数が増えていることに触れ、「ロシアによる国際法違反の軍事侵略を許してはいけない」と非難しました。

 各国代表からは、ウクライナ戦争を機に自国の軍事費が増大していることの弊害や、空前の利益を上げる軍事産業に対する多くの批判が上がり、戦争終結のためには「すべての国を含んだ枠組みが必要」(ストゥーピン氏)との声があがりました。

 英労働党前党首のジェレミー・コービン氏はウクライナ問題だけでなく、ガザ危機、スーダンやイエメンでの内戦など各地の人道状況の深刻化をあげ、ロシアを批判するが、他の問題では違う対応をとる「二重基準」を批判。いまこそ、戦争を終わらせる声をあげるときだと訴えました。

 会議で採択された「今こそ外交を」と題する「ウクライナ和平のための呼びかけ」では、軍事的対応ばかりでは和平交渉へ向けた出口が見えないとして、いまこそ外交が必要だと強調。「私たちはいま、行動し、新たなブロック対立を防がなければならない。ウクライナでの戦争を終結させ、平和を築くことがその出発点である」と結んでいます。

ブロック対立で世界を引き裂くのではなく、包摂的な平和の枠組みを(志位氏)

 登壇した志位議長は、「平和のためのアジアと欧州の連帯を」と題して英語でスピーチ。ウクライナの流血を終わらせるために、国際社会に「和平協議に道を開くあらゆる努力」を求めるこの国際会議のイニシアチブに、強く賛成すると述べたうえで、(1)追求すべき和平は、国連憲章、国際法、国連総会決議にもとづく公正な和平であるべきであること(2)ロシアを非難するがイスラエルを擁護する「ダブルスタンダード」が国際社会結束の最大の障害となっており克服が重要であること(3)ユーラシア大陸の東と西で起こっている軍事同盟強化に反対し、核兵器禁止条約を推進する連帯の発展の重要性(4)ASEANと協力して東アジアに平和を創出する党の「東アジア平和提言」の中心点である包摂的な平和の枠組みは、欧州でも重要ではないか―と語りました。

 志位氏が「軍事でなく対話を、排除でなく包摂を」と訴え、平和のためのアジアと欧州の連帯を強く訴えると、会場から温かく大きな拍手が起こりました。