志位和夫 日本共産党

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主な活動

2022年11月20日(日)

ブロック政治回避 競争より協力を

「イスタンブール宣言」採択

アジア政党国際会議閉会


 【イスタンブール=鎌塚由美】当地で開かれていたアジア政党国際会議(ICAPP)第11回総会は19日、地域の課題を解決するためには、「ブロック政治を回避」し、「対話と交渉」を行うことが「紛争解決への唯一の道」だと述べる「イスタンブール宣言」を全会一致で採択し、閉会しました。日本共産党は「宣言」案をつくるにあたりICAPP事務局に提案を送っていましたが、その中心的内容を反映したものになりました。(トルコ与党と志位委員長懇談)(志位委員長の公式文書発言)


写真

(写真)ICAPP総会閉会を受けて、あいさつを交わす志位委員長(右から2人目)と鄭義溶議長(その左)、ムシャヒド・フセイン・サイード宣言起草委員長(左端)、エフカン・アラー・トルコ公正発展党副議長(右端)=19日、イスタンブール(鎌塚由美撮影)

 イスタンブール宣言は、「平和、安全、安定」の項目の冒頭で、アジアと世界について「平和と安定に深刻な危険をもたらす紛争の暗雲が立ち込めている」と述べ、「われわれは共通の課題解決には集団的な対応が必要であるから、ブロック政治を回避することの重要性を強調し、競争よりも協力を強調した」と表明しています。「平和的共存」への揺るぎないコミットメントに基づく環境が必要だとし、「対話と交渉が、紛争解決への唯一の道」だと述べました。

 ロシアのウクライナ侵略について宣言は、「ウクライナで進行中の軍事紛争は、膨大な人道的破局の可能性がある」と表明。「あらゆる暴力に反対」することを明確にし、「国際法および国連憲章を守り、相違点を平和的に解決する外交努力を再開するよう」促しました。

 「地域のさまざまな種類の集団的な枠組みの強化」「地域協力イニシアチブを結びつける」ことを強調し、その冒頭に東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り組みを明記しました。

 核兵器廃絶の課題について宣言は、「破壊兵器およびその運搬システムの拡散は、地域および世界の平和と安全に対する脅威だ」と強調。8月のNPT(核不拡散条約)再検討会議が成果文書を採択できなかったことに「懸念」を示しました。「ここ数カ月の核を巡る言動が激化している」とし、国連のグテレス事務総長の言葉を引用して、人類が「核の破滅」に直面していると警鐘を鳴らしました。

 日本共産党は、東南アジア諸国連合(ASEAN)が提唱する「ASEANインド太平洋構想(AOIP)」を踏まえた包摂的な地域の平和協力の重要性、国連憲章と国際法の原則に基づいたウクライナ侵略問題の政治的・平和的解決、核兵器禁止条約の推進など「核兵器のない世界」に向けた役割などについて、積極的に提案していました。

イスタンブール宣言骨子

一、領土保全、主権の相互尊重、相互の不侵略・内政不干渉、平等と互恵、平和共存を堅持するICAPP憲章の原則を再確認

一、イデオロギーの違いを超え地域の全政党に開かれたフォーラムとしての役割に留意

一、共通課題には集団的な対応が必要。ブロック政治を回避。競争よりも協力を強調

一、ウクライナでの戦争に重大な懸念。国際法・国連憲章を守りながら、相違点を平和的に解決する外交努力の再開を促す

一、大量破壊兵器の拡散は地域及び世界の平和と安全への脅威。ここ数カ月の核を巡る言動の激化を懸念

一、ASEANなどの地域協力のイニシアチブを結びつけ、様々な集団的な地域枠組みの強化のため協力