志位和夫 日本共産党

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主な活動

2026年7月8日(水)

志位議長、鈴木編集長と「青本」対談

“70分で「共産主義」がよくわかる”
選挙ドットコム番組


 日本共産党の志位和夫議長が「選挙ドットコム」のユーチューブ番組「70分で完全に理解できる『共産主義』」で、選挙ドットコムの鈴木邦和編集長と熱い議論を交わした動画が6日から公開されています。その中身を紹介します。

DSA 帝国主義を終わらせる連帯を

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(写真)選挙ドットコムの鈴木邦和編集長(左)と対談する日本共産党の志位和夫議長(選挙ドットコムのユーチューブ配信動画から)

 鈴木氏はまず、4月下旬から5月上旬にかけて志位氏が行ったアメリカ、カナダ訪問について質問しました。志位氏は、ニューヨーク市長選挙でゾーラン・マムダニ氏を誕生させたDSA=米民主的社会主義者と会談したことを報告。マムダニ市長は、高すぎる家賃軽減、公営バスの無料化、保育無償化など身近な政策が有名ですが、DSA代表と会談してみると、「アメリカの帝国主義を終わらせる、そのための連帯ができる」「日本にも米軍基地があり沖縄も苦しんでいる、基地をなくすために協力したい」という話になったことを紹介。DSAの政策綱領パンフには、「US戦争マシンを終わらせる」「海外の軍事基地を閉鎖する」と書かれていることを話しました。

 鈴木氏は、「たんなる経済格差からくる運動だけでなく、広範な分野にまたがる深いテーマをもったうねりが、資本主義の最先端の場所でおきているということですね」とのべました。

「マルクス・ブーム」はどうして?

 鈴木氏は、「資本主義の総本山のアメリカで、若い世代を中心に社会主義の関心が高まっているのはどうしてでしょうか」と聞きました。

 志位氏は、北米訪問で対談したイリノイ州立大学のアンドリュー・ハートマン教授が、「いまアメリカでは『第4のマルクス・ブーム』が起こっている」とのべていると紹介。ハートマン氏が対談のなかで、その理由を、(1)資本主義体制の矛盾--2008年の「リーマン・ショック」の後に、アメリカの繁栄を支えていた「中間層」がプロレタリア化し、没落したこと、(2)いまのアメリカの20代、30代の若い人たちは冷戦--ソ連時代の悪い影響を受けておらず、偏見がないとのべていたとして、志位氏が「これは日本でも同じじゃないですか」と語ると、鈴木氏は「アメリカに限ったわけではないですね」と応じました。

貧富の格差、気候危機―資本主義に自由はある?

 鈴木氏は次に、資本主義と共産主義との違いについて教えてほしいと尋ねました。

 志位氏は、「『共産主義に自由がない』と思われるかもしれないけど、じゃあ『資本主義には自由があるか』」と提起し、資本主義の現状から始めたいとのべました。

 国際NGOオックスファムの2024年の報告書は、初の「兆ドル長者」イーロン・マスク氏を含め、世界で最も富を独占している5人の男の富が2020年以来2倍となり、50億人の人々がますます貧しくなっていることを告発しています。志位氏は、「5人の男のために50億人が踏みつけにされている世界が、自由な社会といえるでしょうか」と問いかけました。

 志位氏は、資本主義のもう一つの問題点--気候危機にも言及。産業革命前に比べ地球の平均気温上昇を1・5度以内に抑える国際的取り決め--「パリ協定」を、この3年間の平均で1・52度も上昇して超えてしまっていることを告発。地球全体の環境が急激に不可逆的に悪化し、人間の力でコントロールできなくなる臨界点=ティッピング・ポイントの危険をのべ、「これ以上放置していくと、コントロールが利かなくなる」と警鐘を鳴らしました。

個人の自由な発展―「自由な時間」を増やす

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(写真)『Q&A 共産主義と自由』(「青本」)

 次に鈴木氏は、「それでは、社会主義、共産主義においての自由っていうのは一体どういうものなのか」と質問しました。

 志位氏は、マルクス、エンゲルスが社会主義・共産主義をどう特徴づけていたかと問いかけ、「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件であるような一つの連合体」(『共産党宣言』)、「各個人の完全で自由な発展を基本原理とするより高度な社会形態」(『資本論』)の二つのフレーズを挙げ、「両方に共通してくるのは『自由な発展』という言葉です」と述べました。

 人間は誰でもいろいろな可能性を持っているが、資本主義の世の中だと埋もれてしまう方が少なくないと指摘した志位氏は、「どうしたら万人が自分の持っている可能性を自由に全面的に発展させることができるようになるか」との問いにマルクスが出した答えは、「『自由な時間』を増やす」ことだったとズバリ。「そうすれば各人の自由な発展が万人の自由な発展、つまり社会全体の発展につながり個人と社会の発展の好循環が生まれてくる」と説明しました。

 鈴木氏は、「『各人が自由な時間を持つ』というのがキーワードですね。こういう方向に発展しろと押し付けるのでなく、自由に選択できる時間を保障する」と応じました。

日本共産党の「自由宣言」 三つの角度で

 鈴木氏は、日本共産党が2024年の第29回党大会で明らかにした「自由宣言」の中身について質問しました。

 志位氏は、「私たちの目指す社会主義、共産主義というのは、あらゆる意味で人間の自由が花開く社会になるということを三つの角度から出した」として、(1)「利潤第一主義からの自由」(2)「人間の自由で全面的な発展」(3)「発達した資本主義国の巨大な可能性」―を挙げました。

 「利潤第一主義からの自由」は、「生産手段を個々の資本家の手から社会全体の手に移す」―「生産手段の社会化」によって実現できると指摘。「生産の目的も資本家のもうけから社会や個人の発展のために変わってくる。貧困、格差、気候危機から自由になる」と話しました。「人間の自由で全面的な発展」の条件となるのは、搾取をなくして労働時間を短くし、資本主義につきものの浪費をなくすことにあると述べました。

 三つ目の「発達した資本主義国の巨大な可能性」について志位氏は、(1)高度な生産力(2)経済を社会的に規制・管理する仕組み(3)国民の生活と権利を守るルール(4)自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験(5)人間の豊かな個性--の「五つの要素」を挙げました。

 鈴木氏は、「実は、資本主義がつくってきたある意味ポジティブ(積極的)な部分もある。そこはちゃんと引き継いでいく話ですね」だと語りました。

 志位氏はまた、中国や旧ソ連は、この「五つの要素」がない、あるいは弱かったところから革命が始まったと説明。資本主義がそもそも根付いていない、遅れたところから始まった困難や問題があると指摘し、「日本はああいう社会になりようがない」と断言しました。

利潤第一主義を抑えると競争力がなくなる?

 「利潤第一主義を抑えると競争力がなくなるのでは」との鈴木氏の問いかけに志位氏は、「それはそうならない」と即答。利潤第一主義を社会的ルールで抑えれば、産業の競争力という面でもプラスに働くと説明しました。1848~50年に最初の工場立法(10時間労働制)がつくられたイギリスでは、「資本主義の空前の繁栄が始まった」、「労働時間を短くしたことで労働者が精神的にも肉体的にもよみがえり、素晴らしい力をつけて元気になった。その結果、大繁栄となったのです」と述べました。

 志位氏はさらに、日本に比べ年間労働時間が270時間短いドイツは、労働生産性が日本より46%も高いことを紹介。ヨーロッパのいくつかの国では、「つながらない権利」―労働者の退社後は、メールでも電話でも一切連絡してはいけないということが徹底されているとのべました。鈴木氏は、「皆さん誤解されている。長く働いた方が経済的に貢献できるのではないかと。でも実際は、短くして、余暇を楽しんで、その分集中して仕事をする。こっちの方がパフォーマンスが高い。共産主義ってのは別に経済の発展を否定しているわけじゃないんですね」と応じました。

計画的な経済運営は難しい?イノベーションはどうなる?

 次に鈴木氏は、計画的な経済運営は「難しいのでは?」との疑問を投げかけました。

 志位氏は、資本主義の中で発達している信用制度・銀行制度に言及し、「大銀行の帳簿をみんな集めてきたら、その国の生産手段がどういうふうに配分されているか分かります。これを使えば、次の新しい社会に進んだ時に、経済の計画的な運営をやっていくテコになる」と回答。「私たちは先(の社会)に進む時に、何もないものをつくり出そうとは考えていません。経済の社会的な規制、管理にしても、資本主義の中でつくられた信用制度や銀行制度、こういうものを活用して前に進んでいこうという考えですから、とても合理的だと思うのです」と語りました。

 資本主義下で行われている「イノベーション」は共産主義社会ではどうなるかとの鈴木氏の問いに志位氏は、「利潤第一主義から来るイノベーションよりも、純然たる科学的な探求から来るイノベーションとなり、その力がうんと増すのではないでしょうか」「全ての人が潜在力を発展させることができる社会になれば、自由な力を持って、技術にしても科学にしても、全く新しい次元で発展すると思う」と答えました。

「生産手段の社会化」で「あとの祭り」の経済から自由に

 「疑問が解けてきた気がします」と述べた鈴木氏は、利潤第一主義の構造や概略について質問。志位氏は、資本の際限のないもうけを最優先させる利潤第一主義の二つの問題として、(1)貧困・格差の拡大とともに、(2)「あとの祭り」の経済になることを挙げました。

 マルクスが“資本主義のもとでは社会的理性は祭りが終わって初めて働く”とのべているとして、バブル経済と恐慌が繰り返されていると指摘。鈴木氏は、「バブルの時は行き過ぎてみんな投資するけど、やはり恐慌になる」と応じました。

 志位氏は、「恐慌で社会は大きなダメージを負うけど、『あとの祭り』ではあっても社会的理性が働いて正常な軌道に戻る。ただ、気候危機ばかりは『あとの祭り』にしてはなりません」と強調したのに対して、鈴木氏は、「気候変動問題を資本主義と結びつけて考えられるようになってきた」と応じました。

 志位氏は、二酸化炭素(CO2)がこんなに増えたのは資本主義がもたらしたものだと指摘。「生産手段の社会化」で、生産の目的を資本のもうけから社会と人間の発展に変える大変革を行えば、「あとの祭り」の経済から自由になって、社会的理性が最初から働く計画的な経済運営が可能な社会になる展望を語りました。

「生産手段の社会化」―協同組合の可能性

 「どういう仕組みなら利潤第一主義から自由になれるのか」―。志位氏は、党綱領が「生産手段の管理、運営、所有の社会化」とのべていると説明し、生産手段の「管理、運営」の部分は資本主義のもとでもある程度コントロールできるが、「所有」は社会変革をしないと転換できないと説明。「生産手段の社会化」の形態は国有化に限らないと述べた志位氏は、協同組合も有力な選択肢になりうるとして、マルクスが「協同組合的所有を社会全体の調和した一体系に変えれば社会主義になる」と主張していたことを紹介しました。

 生活協同組合を例に出した鈴木氏に対し、志位氏は「生協の場合は主に消費と流通の部分ですが、生産もやる協同組合もあります。そういう協同組合が社会的に広がり『調和した一体系』になれば社会主義になる」「ただし、そのためには労働者階級が政権を取らなくてはいけないとマルクスは強調しています」とのべました。

「共産主義は自由を獲得するための仕組み」

 志位氏とのやりとりを通じ、鈴木氏は、「『共産主義と自由』がはっきり結びついてきた」「『共産主義と自由』って遠いのではというイメージがあったが、むしろ違う。共産主義は自由を獲得するため、実現するための仕組みだということですよね」とのべ、さらに「生産手段の社会化」と「自由」の関係について尋ねました。

 志位氏は、1880年にマルクスが口述してつくられたフランス労働党の綱領前文を紹介。マルクスが「生産者は生産手段を所有する場合に初めて自由であり得る」という命題から、「生産手段の社会化」を導き出したこと、「『自由』を得るための手段として『生産手段の社会化』を語っていることに注目したい」とのべました。

AI―マイナス・プラス面、科学的に両面を見て

 鈴木氏は、「AIをどう捉えているのですか」と質問。志位氏は、『資本論』では、資本主義のもとでの生産力の発展を、マイナスとプラスの両面で見るという立場が貫かれているが、この立場がAIでも大切だと答えました。

 志位氏は、アメリカのバーニー・サンダース上院議員が出したリポートでは、「AIと自動化によって、米国で、今後10年間で1億人近い雇用が代替される可能性がある」と指摘していることを紹介。「放っておけばたいへんな雇用破壊、労働強化、環境破壊が起こる」とのべ、ばく大な電力と水を使うAIのデータセンター(DC)がアメリカでも日本各地でも誘致されているなどのマイナス面を挙げました。一方で、労働時間の短縮、ケア労働に手厚い社会へ変えることもできるプラス面もあると語りました。

 そのうえで、「AIに対しては民主的規制をちゃんとやることが必要です」とのべ、サンダース氏が週32時間労働にする、AI巨大企業に税金をかける、株式の半分を国が所有して市民のコントロール下におくことを主張していると語り、「非常に大事なポイントです」と強調し、次のようにのべました。

 「AI巨大企業は、人類が何世代にもわたって文学、芸術、科学など蓄積してきたもの、人類の集団的英知を勝手に使っています。これに対して、規制をかけて人類が共同で使えるようにしていくことは当然です。さらに人類がAIを制御できなくなる危険を回避することも必要です。そのための社会的ルールをつくっていく」

「共産主義についてのイメージが変わった」

 志位氏は、資本が労働者をひどく搾取しているもとで、これに規制をかけ、労働時間短縮でも賃金引き上げでも闘いが重要だと訴え、搾取の規制--富の分配のやり方自体を変える必要性をのべました。同時に、再分配--納めた税金などを再分配する場合、国民にとって優先的な医療、介護、保育、教育などに手厚くすることが大事だと説明しました。

 その上で、「手取りを増やす」というフレーズがあるが、これは給料を上げろという話ではなく、税金を安くしろという話だと指摘。「税金を安くするのは私たちも強く要求していますが、給料そのものを増やす、労働時間を短くするたたかいをやらないとダメです」「そのなかでも一番重要なのは、『自由な時間』の拡大です。『自由な時間』がなくては労働者はたたかいもできない」と強調し、マルクスは「自由な時間」を拡大することは労働者階級の解放にとっての「先決条件」だと訴えていたとのべました。

 鈴木氏は最後に、次のように感想を語りました。

 「『共産主義と自由』って、これが非常に実は近い考え方、コンセプトなのだとよくわかった。むしろ『資本主義と自由』って、割と実際はだいぶかけ離れている。私も熱が入って質問したが、全部お答えいただいたので、多分、この動画を見てくださったら、おそらく共産主義という言葉についてみなさんがイメージしていることがちょっと変わるんじゃないかと思います」