2025年11月6日(木)
NY市長にマムダニ氏
民主的社会主義者 暗闇の政治に光
![]() (写真)マムダニ氏が当選確実となったことを受けて喜び合う支持者ら=4日、ニューヨーク(柴田菜央撮影) |
【ニューヨーク=柴田菜央】米国最大の都市ニューヨークで4日に行われた市長選で、民主党進歩派で民主的社会主義者のゾーラン・マムダニ州下院議員(34)の当選が確実となりました。米メディアが一斉に伝えました。同市で初のイスラム教徒の市長となります。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、開票率91%の段階でマムダニ氏の得票は50・4%。事実上の一騎打ちとなった民主党のアンドルー・クオモ前ニューヨーク州知事(67)は41・6%となっています。クオモ氏は4日夜、マムダニ氏に祝意を示し、敗北を認めました。
マムダニ氏は4日夜、支持者を前に「政治の暗闇の時期にニューヨークは光となる」「われわれは多数を見捨て少数者の声にしか応えなかった政治のページをめくる」と勝利宣言しました。また「未来はわれわれの手にある」と強調し、「トランプ大統領のような大富豪が課税を逃れ税制上の優遇措置を利用することを許してきた腐敗の文化を終わらせる」と語りました。
選挙戦でマムダニ氏は、高騰する家賃の凍結、市営バスの無料化、保育の無償化、最低賃金の引き上げなどを公約。財源として利益を上げている大企業やごく一部の富裕層への課税を強化すると訴えました。
大富豪などから巨額の献金を受けるクオモ氏は、マムダニ氏について「社会主義者だ」などと繰り返し非難しました。
マムダニ氏の支持者は選挙結果の中継を見るパーティーを市内各地で開催。フィリピン系の若者が開いたパーティーでは、マムダニ氏の当確が報じられた瞬間、大きな歓声が沸き起こりました。若者たちは「マムダニ、マムダニ」と繰り返し声を合わせて勝利を喜び合いました。
友人と参加したフィリピン系のマリアさん(32)は「すごくうれしい。つい先ほどまで5時間、戸別訪問をしていた。マムダニ氏に大差で勝ってほしくて」と話します。「クオモ氏の運動には大富豪が金を注いだけれど、私たちは人々の力で闘った」と誇らしげに語ります。
マムダニ氏は性的少数者を守る政策を掲げ、マリアさん自身もパートナーも性的少数者であることから運動に参加し始めました。
マリアさんは「民主党は私たちの話を聞かず、市民が実際に直面している問題など気にしていない」と述べ、この選挙が党の変革につながればと語りました。
志位氏が祝意
日本共産党の志位和夫議長は5日、ニューヨーク市長選でのマムダニ氏勝利を受けて、次のとおりXに投稿しました。
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マムダニ新市長の勝利を心から祝福します!
家賃凍結、無料バス、保育無償化、市営スーパー設置など「公共の再生」を提起。富裕層と大企業による搾取の体系を「略奪型」資本主義として批判。
トランプの「狂った共産主義者」との攻撃は通用しなかった。
帝国の中枢での勝利の意義は限りなく大きい。


