2025年11月17日(月)
日韓・韓日議員連盟合同総会 安保・外交委員会
志位議長の発言(全文)
朝鮮半島および北東アジアの平和と安定を願い、日本共産党の基本的立場を発言します。
北朝鮮による核・ミサイル開発は、国連安保理決議に反するものであり、強く抗議し、その中止を求めます。
いかにして事態の打開をはかるか。破滅をもたらす戦争は絶対に回避しなければなりません。困難はたいへんに大きいけれども、経済制裁の強化と一体に、対話による平和的解決に知恵と力をつくすことが唯一の道です。
私は、そのさい次の二つの原則が大切だと考えます。
第一は、朝鮮半島の非核化と、北東アジア地域の平和体制の構築を一体的・包括的に進めることです。
いま一部に、北朝鮮を「事実上の核保有国」と認めたうえで核軍縮交渉を行うという議論がありますが、これは核不拡散体制の崩壊につながりかねない危険な議論です。困難はあっても、朝鮮半島の非核化を、対話と交渉の最大の目標として揺るがずに堅持するべきです。
同時に、非核化を進めるためには、朝鮮戦争の終結をはじめ地域の平和体制を構築し、北朝鮮を含む関係国の安全保障上の懸念を解決することが不可欠です。両者は一体的に同時並行で進めてこそ、実らせることができます。
第二は、その実行方法にあたっては、合意できる措置を話し合って、一つずつ段階的に実施して目標に近づいていくことが現実的な方法です。
相互不信がきわめて強いもとで、非核化と平和体制の構築は、目標として合意されても、一足飛びに実現することは困難でしょう。段階的措置によって、相互不信を解消し、一挙ではなく急がずに、信頼醸成をはかりながら、着実に進むことが唯一の現実的な方法だと考えます。
これにかかわって、私は、李在明(イ・ジェミョン)大統領が、9月の国連総会演説で提案したENDイニシアチブに注目しています。大統領は、演説のなかで、「交流(Exchange)、関係正常化(Normalization)、非核化(Denuclearization)、つまり『END』を中心とした包括的な対話で、韓半島での敵対と対決の時代を終息(END)させ、『平和共存と共同成長』の新しい時代を切り開いていかなければなりません」と表明されました。すなわち、「非核化」と「交流」「関係正常化」を一体的・包括的に進める方針を示したことは、道理あるものだと考えます。
また、大統領は「非核化」について、「中断」「縮小」「廃棄」と段階的に進めるアプローチを提案されましたが、これも合理的なものだと考えます。
朝鮮半島の非核化と平和体制の構築を一体的、かつ段階的に進める。これが唯一の解決方法です。
日本がこのプロセスを促進するイニシアチブを発揮することが求められています。2002年の日朝平壌宣言にもとづいて、核・ミサイル、拉致、過去の清算など諸懸案を包括的に解決し、国交正常化をはかる努力が大切です。日韓両国政府の協力した外交的とりくみで、朝鮮半島と東アジアの平和構築が前進することを心から願うものです。

