2025年10月8日(水)
『資本論』を読むムーブメントをともに
志位議長、労教協役員と懇談
![]() (写真)労働者教育協会の五十嵐仁会長(左から2人目)ら5氏と懇談する志位和夫議長(右から2人目)ら=7日、党本部 |
日本共産党の志位和夫議長は7日、党本部で、『Q&A いま「資本論」がおもしろい』(赤本)を巡り、労働者教育協会(労教協)の五十嵐仁会長らと懇談し、労働者教育運動と労働運動の発展に向けて活発に意見交換しました。志位氏は「『資本論』の中心的なエッセンスが労働者階級の全体のものになれば、日本社会は大きく変わります。日本でも『資本論』を読むムーブメント(運動)を起こすために協力していくことを心から願っています」と呼び掛けました。
志位氏は、(1)世界でマルクスの『資本論』への新しい注目が広がっている(2)「赤本」をまとめるさいに『資本論』が社会変革のためのたたかいを呼び掛けた書であるという核心を伝えるよう心がけた(3)「赤本」は『Q&A 共産主義と自由』(青本)の理論的土台を提供するものともなっている―ことの3点を詳しく語りました。
五十嵐氏は「『資本論』を読むムーブメントを起こすことはまさに労教協の悲願です。我が意を得たり、大手をあげて歓迎したいです」と応じました。その上で、「SNSなどの普及により情報環境の在り方が大きく変わり、正しい言説が受け取られにくくなっている状況がある中で、社会教育の一環として学習教育活動の役割はこれまで以上に大きくなっています」と指摘。「『赤本』は日本の現状と『資本論』の叙述を結びつけて鋭く問うています。これを読むと『資本論』の生命力は今も衰えていないことがよく分かります」と語りました。
労教協の牧野広義副会長は「『赤本』が21世紀の現実と結びつけて『資本論』を論じているところがたいへんいいと思います。マルクスが国際労働者協会(インタナショナル)の活動と同時並行で『資本論』を執筆したことは意外と知られていません。労働者のたたかいが詰まった書として読むことは若い人にも新鮮に響くと思います」と述べ、杉井静子副会長は「『青本』では『自由な時間』の解明に感銘を受けました。『赤本』は非常に分かりやすく、自分で学習し、自分の頭で考えることができる内容になっていると思います」と語りました。
懇談では、具体的に運動を広げる上での力点について質問が出されました。志位氏は「街頭での宣伝対話活動などで、『この日本に搾取があると思いますか』と尋ねると、多くの人は『ある』と答えます。日々の生活苦、労働苦、貧富の格差の激しい拡大などを体験して、いわば『搾取の感覚』を持っているのです。そういうところを入り口にして、搾取の仕組みとそれを克服する展望を明らかにしたのがマルクスと『資本論』だと語っていけば、対話と学習が弾むのではないでしょうか」と語りました。
懇談には日本共産党の山下芳生副委員長、堤文俊労働局長、岩崎明日香労働局次長らが同席しました。