2025年6月27日(金)
第5回中央委員会総会・参議院選挙必勝全国決起集会
日本を変える大志をもって参院選をたたかいぬこう
志位議長の発言
日本共産党が25日に開いた第5回中央委員会総会「参議院選挙必勝全国決起集会」で志位和夫議長が行った発言は次の通りです。
![]() (写真)発言する志位和夫議長=25日、党本部 |
全党のみなさんの連日のご奮闘に心からの敬意と感謝を申し上げます。参議院選挙をたたかう方針は、幹部会報告が全面的に明らかにしています。私は、この政治戦の歴史的意義をどうとらえ、どういう構えでたたかうかについて、若干発言しておきたいと思います。一言でいえば、日本の政治を変える大志をもってこの歴史的政治戦をたたかいぬこうということを訴えたいと思います。
この問題については、幹部会報告の第2章「『新しい政治プロセス』を前に進め、自民党政治を終わらせる展望を開く選挙に」で、たいへんに大事な命題が凝縮してのべられています。第2章が、どういう組み立てになっており、何が新たに強調されているかについて、発言しておきたいと思います。
参院選の政治的な「目標」―自公を参院でも少数に追い込む
まず、幹部会報告の第2章では、今度の参議院選挙でかちとるべき政治的な「目標」について次のように明示しています。
「日本共産党は、参議院選挙で、自民党と公明党を参議院でも少数に追い込み、自民党政治を終わらせる展望を開く選挙にしていくために全力をあげます」
「参院でも自公を少数に追い込む」という「目標」を提起しているわけですが、実はこうした「目標」の提起というのは、この間では初めての、新しい提起であります。1月におこなわれた4中総の決定では何と言っていたかというと、「自民・公明に厳しい審判を下し、自民党政治を終わらせる展望をひらく選挙にしていこう」というものでした。「参院でも自公を少数に追い込む」とは、1月の時点では言っていないのです。それだけの条件がこの時点ではありませんでした。
今回、「参院でも自公を少数に追い込む」ということを初めて「目標」として提起したのは、自民党・公明党が、内政でも外交でも打開策を何一つ示すことのできない末期的で危機的な状況にあるという事態のもとで、政権与党を参院でも少数に追い込むことがまさに国民的課題となっていることとともに、通常国会、都議選の結果、そして野党間の連携の合意が確認されたことなど、この間の一連の情勢の展開をふまえて、こうした「目標」を提起する条件が生まれてきたからにほかなりません。
「政治姿勢」―自公と補完勢力への厳しい審判、排外主義との断固たるたたかい
つぎに、幹部会報告では、その政治的な「目標」をやりぬく上で、日本共産党はどういう「政治姿勢」で選挙をたたかうか、について次のようにのべています。
「自公とともにその補完勢力――維新の会と国民民主党への厳しい審判を訴えてたたかいます。排外主義、極右的潮流に対して断固としてたたかいます」
自民党、公明党を参院でも少数に追い込むことは、大きな「目標」になるわけですが、その代わり補完勢力が伸びてしまうとなれば、日本の政治を前にすすめることにはなりません。ですから、わが党の「政治姿勢」としては、自公とその補完勢力への厳しい審判を訴えてたたかう、この立場を堅持して奮闘します。さらにここでは、排外主義、極右的潮流に対して断固としてたたかうという「政治姿勢」を強調しています。都議選でもそうした潮流が端緒的であれ、現にあらわれていることを、絶対に軽視するわけにはいきません。これは欧州でも米国でも大問題になっていることですが、日本でこの逆流の台頭を決して許さないということは、わが党の重要な任務となっています。
一番の力は日本共産党の躍進、同時に、共闘の新しい発展にチャレンジする
つぎに、幹部会報告では、それでは参院でも自公を少数に追い込んでいく力になるのは何なのかについて、「二つの力」を強調しています。
まず第一に、その一番の力となるのは、日本共産党の躍進だということを、幹部会報告ではズバリ強調しています。なぜ日本共産党の躍進が一番の力になるかと言えば、日本共産党こそが、自民党政治に正面から対決している党であり、責任ある抜本的対案を示している党だからです。あらゆる面でキッパリした政治的立場をもっているのは日本共産党をおいて他にありません。わが党が躍進することが、政治的に自公を少数に追い込む一番の力になるとともに、議席の面でも少数に追い込むうえで貢献していかなければなりません。比例代表で四つの現有議席を守るだけではなくて、5議席の全員勝利を必ず達成する。選挙区では、東京、埼玉、京都の三つの現有議席を絶対確保しながら、神奈川と愛知と大阪でも挑戦する。沖縄で「オール沖縄」候補の勝利を必ず勝ち取る。日本共産党が得票を増やし、議席を増やしていく意義を、参院でも自公を少数に追い込んでいくという政治的な「目標」とのかかわりでも明瞭にしてたたかう必要があります。
第二に、もう一つの力となるのは、市民と野党の共闘の力です。この間、日本共産党と立憲民主党の党首会談がおこなわれて、参議院でも自公を少数に追い込むために連携するという合意が確認されました。この合意を基礎にして野党共闘・連携の新しい発展にチャレンジしていこうということを幹部会報告では強調しています。自公を少数に追い込むことに本気で挑戦しようとすれば、まず日本共産党が伸びなくてはならない。同時に野党共闘・連携を前進させる必要があります。今度の野党共闘・連携については、全国の32ある1人区のうち、だいたい半分ぐらいでの一本化ということになってくると思います。その意味では限定的ですが、本当に実のある協力ができれば、全体の結果に相当大きな影響を与えることが可能だと思います。そういうものとして積極的に位置付けてたたかっていく。
わが党の躍進に最大の力を集中しながら、野党共闘・連携の前進のためにも誠実に力をつくしていく。党の原則的立場を堅持しながら、現実に政治を一歩でも二歩でも前に動かすために柔軟に協力を追求する。こうした姿勢で頑張ることは、多くの国民のわが党への信頼と期待を広げることにもなるでしょう。
「新しい政治プロセス」をさらに大きく前進させる展望が開けてくる
幹部会報告の第2章は、そのあとの展開が、またたいへんに重要です。すなわち、参院でも自公を少数に追い込むことがどんなに大事かということを、「新しい政治プロセス」とのかかわりで明らかにしています。
昨年の総選挙での自公の過半数割れという審判を踏まえて、私たちは、国民が自民党政治に代わる新しい政治を探求する「新しい政治プロセス」が始まったと規定づけたわけですが、この「プロセス」は総選挙後の7カ月でどこまできたか。
これをどういう角度で論ずるかが重要です。「新しい政治プロセス」において、自公は古い政治の延命のためにあらゆる手段を使ってきたし、自公の補完勢力である維新の会や国民民主党は、国民の要求実現に対するさまざまな妨害をおこない、自公の延命を助け、いっそうの悪政をけしかけてきました。それでは総選挙で自公を少数に追い込んだのは意味がなかったか。そんなことはありません。さまざまな逆行や妨害にもかかわらず、高額療養費の自己負担の上限の引き上げの凍結、企業・団体献金禁止、選択的夫婦別姓などの問題を国会の公式の議論の俎上(そじょう)に載せたことなど、国民の要求実現にとっていろいろな前向きの変化をつくってきたのです。自民党の思惑通りに事はすすんでいない。国民要求の一定の実現の道が開けてきた。ここに光をあてて、総選挙以降の「新しい政治プロセス」を大局的にとらえる。こうした角度で論じることが大切であります。
そのうえで、衆議院で一院でもこれだけの変化をつくったのだから、それに続いて参議院でも自公を少数に追い込めば、この「プロセス」がもっと本格的な「プロセス」に発展することはまちがいありません。国民の要求実現にとっても新しい展望が開けてくることはまちがいありません。そうなったら、自公の補完勢力がどうなるか。幹部会報告では「自公の補完勢力の役割が、さらに国民的に明らかになっていくでしょう」と指摘しています。補完勢力というのは自民党にとっては自分を延命するための「資源」です。ところが、衆議院での自公過半数割れに続いて、参議院でも自公過半数割れに追い込んだら、自民党はこの「資源」を消費しつくすことになるでしょう。つまり、政権をあくまで維持しようとすれば、補完勢力をよりあからさまな形でとりこまざるをえなくなるでしょう。そうなれば、国民の誰の目からみても、補完勢力の補完勢力としての正体が天下にさらされることになる。それは「新しい政治プロセス」をまたぐっと一歩進めることになるでしょう。そういう大きな展望をもつこともできるでしょう。
広い視野と大きな展望をもって、参院選をたたかいぬこう
今お話ししたことの全体をダイナミックにとらえて、大志をもって、今度の選挙に挑もうというのが幹部会報告の第2章で提起されていることです。幹部会報告の第1章では、都議選の結果を「政治の流れの生きたダイナミズムのなかでとらえる」という太い解明がされていますが、それを受けて第2章では、参院選の歴史的意義について、これも「新しい政治プロセス」の進展という政治の流れの生きたダイナミズムのなかで位置づけて、広い視野と大きな展望をもってたたかうことを提起しているのです。
選挙戦の訴えでいいましたら、昨年の総選挙で自公を少数に追い込んだことでこういう前向きの変化をつくってきた、今度は参議院でも少数に追い込んでこの流れをもっと大きく広げよう、その最大のカギは日本共産党の躍進だ、同時に市民と野党の共闘についても可能な努力をはらう、という訴えを大いにやって、大志をもって、この選挙を日本の政治の新しい扉を開いていく選挙にしていこうではありませんか。
幹部会報告でのべられていることを「因数分解」をして説明しますと、以上のべたような組み立てになっていることをよくつかんでいただき、元気いっぱい、この政治戦をたたかいぬきたいと思います。ともにがんばりましょう。(拍手)