2025年5月13日(火)
政治変え 教育を変えよう
教職員のつどい 志位議長が訴え
滋賀
日本共産党滋賀県委員会は11日、東近江市内で「いつものグチが希望に変わる! 志位さんと語り合う教職員のつどい」を開催しました。県内の教職員らが参加し、教育現場の実態や悩みを志位和夫議長とともに語り合いました。過度な競争教育や教職員の長時間労働、不登校の増加、障害のある子どもの教育といったさまざまな課題について質問が寄せられ、志位氏が一問一答形式で丁寧に回答。日本の教育の問題と打開の展望を語りながら、「子どもたちにとってより良い教育の未来をつくる努力とともに、力をあわせて政治を変えるたたかいを」と呼び掛けました。
![]() (写真)パネルを示して質問に答える志位和夫議長=11日、滋賀県東近江市 |
つどいでは、深刻な社会問題となっている教員の長時間労働の改善について質問が出ました。
志位氏は、4月19日に京都市内で開かれた「教職員のつどい」で、小学校教員から「教員は毎日、心をすり減らし、命を削って子どもたちのために働いている」「一人ひとりを大切にしたいが、もう限界だ」と切実な声が寄せられたことを紹介。「これは一刻も放置できない大問題です」と強調しました。
二つの改革を提案
「最大の問題は国の制度が長時間働かなければならない仕組みになっていることです」として、(1)「定額働かせ放題」の原因となっている「教員残業代ゼロ制度」の廃止(2)授業量に見合った教員の抜本的増員―の2点で法制度を改めることを提案。政府の教員給与特別措置法改定案では二つの大問題が改善されていないと批判し、二つの改革を求めてたたかおうと呼び掛けました。
続いて、「滋賀県は高等専門学校の設置には迅速に動く一方で、大規模な特別支援学校の分離には消極的だ。なぜこのような差が生じるのか」という疑問が出されました。
志位氏は「特別支援学校では受け入れ児童が急増しているにもかかわらず、新たな学校がつくられず、過密な『マンモス校』状態も生まれている。全国的な問題であり、国に大きな責任があります」と述べ、(1)障害のある子どもの教育の軽視(2)教育予算の少なさ―という二つの問題を改善すべきだと指摘。「打開の道は、やはりたたかうことです」と述べ、1979年に障害児の教育が義務化された背景には、粘り強い運動と現場での実践があったと語りました。
特別支援学校の設置基準(2021年9月制定)については、日本共産党の山下芳生参院議員による国会質問が大きな転機になったと強調。山下氏が滋賀の特別支援学校の実態をもとに、当時の安倍晋三首相に教育条件の深刻さを突きつけた結果、「現状を放置する考え方は全くない」との答弁を引き出し、国の姿勢を変える契機となったと紹介し、「力を合わせれば前進の道が開けます」と訴えました。
障害児も発達可能
さらに、障害児教育に尽力した数学者・遠山啓(ひらく)の「障害児教育こそ教育の原点」「すべての子どもは発達する」「正しい方法さえ発見されたら、いかなる障害児も発達可能」「もし障害児も発達可能であることが実証されたら、日本の教育全体を支配している序列主義を底辺から打ち破るきっかけになる」との言葉を引用。「この言葉を、障害のある子どもの教育で日夜尽力されている全てのみなさんに、エールとして送りたい」と述べました。
全12問の質問に縦横に答える中で志位氏は、教育無償化や教員の労働時間の短縮を勝ち取るうえでも、「人格の完成」という教育本来の目的を実現するうえでも、政治を変えるたたかいが必要だと強調。「政治が変われば、教育はいっぺんに変わります。日本共産党に入党し、一緒に政治を変えるたたかいを進めましょう」と熱く訴えかけると、参加者が大きな拍手で応えました。