志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2025年5月27日(火)

消費税・都政・平和外交

日本共産党躍進で、希望のもてる新しい政治を

東京 志位議長の訴え


 24日、25日に都内2カ所で行われた街頭演説での志位和夫議長の訴えを紹介します。志位氏は、冒頭、参院選での比例代表5予定候補全員の勝利、東京選挙区の吉良よし子議員の必勝、都議選での各予定候補の必勝を訴えたのち、次のように語りました。

消費税減税――共産党提案の二つのポイント

写真

(写真)訴える志位和夫議長=25日、東京都葛飾区

 物価高騰のもと消費税減税が都議選・参院選の大争点に浮上してきました。自民党の幹事長は、「政治生命」をかけて減税に反対すると言いました。しかし自民党はこの物価高騰から国民の暮らしをどうやって守るというのか。具体的な対策は何もないではありませんか。「政治生命」をかけるというなら、消費税減税にこそ「政治生命」をかけたらどうですか。(「そうだ」の声、拍手)

 国民の多数の声ははっきりしてきました。この間の世論調査で、国民の約7割が何らかの形での消費税減税を求めています。同時に、国民の7割が「財源を明らかにすべきだ」とも答えています。

 日本共産党は、消費税は廃止をめざして緊急に5%への一律減税を行い、インボイスは廃止する、その財源は、赤字国債に頼らず、大もうけをあげている大企業と富裕層に応分の負担を求めることでまかなうという提案をしています(拍手)。これこそ国民のみなさんの多数の声にこたえる提案ではないでしょうか。

5%への減税――最も効果的で合理的

 日本共産党の提案は、大事なポイントが二つあります。

 第一は、一律で5%への減税を行うということです。つまり、食料品も、衣服も、日用品も、水光熱費も、携帯料金も、すべての消費税を5%に下げる。これが私たちの提案です(拍手)。平均的な世帯で年間12万円の減税になります。「食料品をゼロにする」という提案もありますが、この提案に比べて減税効果は2倍にもなります。そして、すべて5%になったらインボイスも必要なくなるではないですか(拍手)。物価高騰から暮らしを守るうえで最も効果的で合理的な提案ではないでしょうか。(拍手)

責任ある財源提案――大企業は十分すぎる負担能力をもっている

 第二は、責任ある財源提案を行っているということです。先日、衆院予算委員会で、わが党の辰巳孝太郎議員の質問に対して、石破首相がこんな答弁をしました。

 「御党の安易に国債の発行に頼らないという姿勢は、本当に立派だと思っています。志位議長がそういうご発言をされたということを感動をもって拝聴しました。法人税など税制のあり方を議論させていただきたい」

 そこで私は、決算委員会で消費税減税と法人税の問題についてただしました。私が聞いたのは、「大企業には、今以上の税金を負担する能力があるか」、この一点なんです。

 パネルをご覧ください。大企業は、この11年間で、利益を29・2兆円から77・1兆円へ、2・6倍も増やしている。にもかかわらず法人税は9・4兆円から15・2兆円に、たった1・6倍にしか増えていない。大企業への減税と優遇の結果です。お金はどこに回ったのだろう。内部留保が333・5兆円から539・3兆円へと空前に膨れ上がっている。これを出して、大企業は十分な負担能力があるじゃないか、このように追及したのですが、誰が見てもそうですよね。(拍手)

 ところがなかなか「ある」と言わない。そこで、もう1枚パネルを出しました(笑い)。これは資本金の階級別の法人税の実質負担率です。小規模企業、中堅企業の方が高く、大企業になればなるほど法人税の実質負担率が下がっています。小規模企業は18・5%、中堅企業は20・6%、大企業は10%しか払っていない(「えー」の声)。優遇税制のおかげで、大企業は中小企業の半分しか法人税を払っていない。おかしくないですか。(「おかしい」の声、拍手)

 大企業に今以上の負担能力があるのは明らかじゃないですか。そう聞きましたところ、財務大臣は、負担能力は「ない」とは言えませんでした。大企業は十分すぎるほどの負担能力をもっています。だいたい、この間の大企業減税について、政府・与党自身が「効果はなかった」「反省する」といっているではないですか。ならば、大企業への減税のバラマキはやめて、消費税減税の財源に使うべきではないでしょうか。(「その通り」の声、大きな拍手)

大企業と富裕層に応分の負担を求める税制改革を

 「赤字国債を出せばいい」という党もあります。しかし、5%に下げるのに15兆円かかるんです。廃止するためには30兆円以上かかるんです。毎年、15兆~30兆円もの赤字国債を出し続けたらどうなるでしょうか。国債を過剰に発行すればひどいインフレを起こしてしまう危険があることは経済学の常識であり、赤字国債に頼るというのは、あまりに無責任ではないでしょうか。(拍手)

 本気で消費税を減税しようとするならば、大企業と富裕層に応分の負担を求める税制改革に正面から取り組むことが必要です(拍手)。国民の世論と共産党の頑張りで、あと一歩のところまで追い詰めてきました。みなさん、この東京から、日本共産党を躍進させていただいて、消費税減税の道をこじあけようではありませんか。(大きな拍手)

東京都政――野党第1党の実績、次に何を取り組むか

「日本共産党が提案すれば、都政が動く」

 東京都政の問題についてお話しします。

 私がまず訴えたいのは、「日本共産党が提案すれば、都政が動く」ということです。日本共産党は都議会議員選挙で、2013年、17年、21年と、3回連続で躍進をさせていただきました。野党第1党です。19議席もっていますが、国会の議席になおしますと100議席にあたる。私は国会におりまして、もっと議席がほしいといつも思っておりまして、都議団がうらやましい(笑い)。この力はすごい。都民みなさんの運動と力を合わせれば都政がどんどん動く。たくさんの実績をあげてきました。

 まず学校給食無償化です。2017年以来、共産党都議団は4回にわたって条例提案をしてきました。国会と連携し、吉良よし子参院議員が18年の国会で質問し、「自治体が全額補助することは否定されない」という答弁を引き出しました。そして23年12月には野党4会派共同で条例提案を行いました。これは、自民、公明、都民ファーストの反対で否決されたわけですが、都は24年度から無償化に踏み出し、ついに都内のすべての自治体で無償化が実現しました(拍手)。さらに修学旅行、制服代、通学の交通費も含めて、義務教育を完全無償にしようじゃないですか。(「そうだ」の声、拍手)

 それからシルバーパスの値下げです。共産党都議団は17年以降、5回の条例提案をやってきました。24年12月には、自民、公明、都民ファーストの反対で否決されたんですけれども、共産党の提案に四つの会派が賛成し、都議会で3分の1の議員が賛成した。それが決定打となり、今年度から年2万510円のパスが1万2000円に4割の値下げが実現しました(拍手)。シルバーパスは、もともとは無料だったのです。さらに無料化をめざそうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 さらに補聴器の購入助成でも、共産党都議団が21年、23年に条例提案をして、これも自民、公明、都民ファーストの反対で否決されたわけですが、24年度から補助制度の充実が実現し、25年度には予算が増額されました。

 ここにきて新しい出来事が起こりました。水道料金の引き下げです(拍手)。5月20日、東京都は、夏場4カ月、水道基本料金をゼロにするという方針を発表しました。これも共産党都議団が20年以来、繰り返し要求してきた頑張りが、また一つ、都政を動かしたものです(拍手)。基本料金ゼロを継続し、水道料金全体の10%の値下げを実現しようではありませんか。(拍手)

 自民党、公明党、都民ファーストなどは、いまお話ししたことを、「自分たちの手柄だ」と大宣伝していると聞きました。これは厚かましくないですか(「そうだ」の声)。自分たちが妨害してきたことを忘れてしまったのでしょうか。都民の運動と、野党第1党・日本共産党の共同の成果ではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

都政としても賃上げに取り組もう

 この成果にたって、日本共産党はつぎに何に取り組むか。私は、とくに三つの点をお約束したいと思います。

 第一は、都政としても賃上げに取り組もう――このことを訴えたいと思います(拍手)。働く人の実質賃金は3年連続マイナスです。物価高騰に賃金が追いつかない。政治の責任で物価高騰を上回る賃上げが必要です。日本共産党は、国政の課題として、最低賃金を緊急に時給1500円に引き上げ、1700円をめざすことを訴えています。同時に、東京都としてもやるべきことがあります。二つの提案をしています。

 一つは、賃上げを行った中小企業に1人当たり年間12万円を支援する「賃上げ応援助成金」をつくろうという提案です(拍手)。すでに、岩手、徳島、群馬では、中小企業の賃上げへの直接支援をやっています。この東京でできない理由はないじゃないですか。この東京でもつくろうではありませんか。(拍手)

 もう一つは、東京都として公契約条例をつくろうという提案です。公契約条例というのは東京都が発注する仕事で働く労働者の待遇を良くしていく条例です。東京都が発注している公契約は年間1兆7500億円にも及びます。ですから公契約で賃金がアップすれば東京全体の中小企業に波及するじゃないですか。(拍手)

 東京の事業所の99%は中小企業です。中小企業の賃上げへの直接支援こそ、賃上げの最大のカギになります。その仕事を国にも都にもやらせようではありませんか。(大きな拍手)

国の福祉切り捨て政策から、都民を守る防波堤となる都政をつくろう

 第二は、国の福祉切り捨て政策から、都民を守る防波堤となる都政をつくろう――このことを訴えたいと思います。(拍手)

 いま、東京の医療と介護が危機にひんしています。東京都病院協会の調査によると、一般病院の過半数が赤字に陥っています。医療機関の閉鎖が相次ぎ、医療従事者の賃下げが余儀なくされ、退職者が続出しています。医療崩壊が始まっています。介護はどうかといいますと、訪問介護でも事業所が閉鎖され、人手不足が深刻化しています。医療と介護の危機はすべての都民の命に直結する大問題となっています。

 この危機をつくった大もとには、国の福祉切り捨て政策があります。診療報酬を抑えてきた、訪問介護報酬を抑えてきた、国の責任は重い。日本共産党は緊急に国費を投入して、医療と介護の崩壊を止め、働く人の待遇を改善していくために全力をつくす決意を申し上げたいと思います。(拍手)

 同時に、国がこういう悪い政治を押し付けてきたら、都民を守る防波堤になるのが、「住民福祉の機関」としての自治体の役割であり、東京都の役割ではないですか。そういう仕事を共産党都議団はやってきました。都議団は、医療機関への支援が必要だと求め続け、今年度予算で民間病院への支援予算が321億円計上されたのです。全国で東京が初めての大きな成果です。ただこの措置は、1~3年の臨時の措置ですから、恒久的な制度として発展させて、医療を守ろうじゃないですか。(拍手)

 介護でも、訪問介護の事業所への支援が必要だと、共産党議員団が求め、世田谷区では、訪問介護事業所1カ所あたり88万円の支援に踏み出しました。都でも支援に踏み出させようではありませんか。(拍手)

 高すぎる国民健康保険料、後期高齢者医療保険料を1人3万円引き下げましょう。そして子どもの国保料はゼロにしようではありませんか。(拍手)

「稼ぐ東京」から「住み続けられる東京」への転換を

 第三は、「稼ぐ東京」から「住み続けられる東京」への転換をはかろう――このことを訴えたいと思います。

 東京の新築マンションは、都の資料で平均1億円を超えています(「えー」の声)。賃貸住宅の家賃も高騰し、普通に働く勤労者が東京に住めなくなってしまっている。これは自然現象ではありません。「稼ぐ東京」の掛け声で、財界のための規制緩和と大規模開発を進めてきた国と都による人災ではないでしょうか。(拍手)

 「住まいは人権」です。再開発に規制をかけて、100万世帯への月1万円の家賃補助を緊急に行い、家賃を抑えた公共住宅、都営住宅を大規模につくらせようではありませんか。(拍手)

 みなさん、この三つの提案いかがでしょうか。これを実行しようと思ったら、共産党をさらに伸ばし、野党第1党のポジションをしっかり確保していくことがどうしても必要です。どうか、大きなお力添えよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

大軍拡ストップ、憲法9条を生かした平和外交を

 最後に平和の問題について訴えます。

 トランプ政権は、日本に対して、不当な関税を押し付けているだけではありません。「軍事費をGDP(国内総生産)比3%以上に増やせ」、「いざという時は自衛隊は最前線でたたかえ」――こういう号令をかけています。アメリカ言いなりに大軍拡を続けていいのか。これは日本の大問題です。日本が大軍拡の道を走ればどうなるでしょう。相手も軍拡を加速します。軍事対軍事の悪循環に陥る、これが一番危ないのではないでしょうか。日本共産党は、平和も暮らしも壊す大軍拡はきっぱり中止を――この主張を高く掲げて、選挙をたたかいぬく決意であります。(「いいぞ」の声、拍手)

 いま必要なのは「戦争の準備」じゃない。東アジアに平和をつくる「平和の準備」こそ必要です。憲法9条を生かした平和外交こそ必要ではないでしょうか。(拍手)

 私は、4月末、日中友好議員連盟の一員として中国を訪問してきました。全人代の委員長をはじめ、中国の政府と党の要人と会談をしました。その場で私が訴えたのは、日中は二度と戦火をまじえてはいけない、そのためには2008年の日中首脳会談で合意された共同声明のなかの原則――「双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」――この合意を日本も中国もしっかり守る、これが一番重要ではないかという提起をしました。そうしましたら中国側は、「私たちは志位議長の提案を重視しています」と前向きに応じました。

 同時に、私は、会談の場で、中国側に、「率直に言いたいことがあります」として、「東シナ海などでの力を背景にした現状変更の動きを自制してほしい」「台湾問題の平和的解決を強く願っています。日本共産党は、(中国による)武力による威嚇や行使に反対です。同時に第三国による軍事的関与や介入に反対です。台湾海峡の平和と安定を強く願っています」、こういう話もしました。言うべきことはしっかり言いながら、日中両国関係を前に動かすために力をつくしているのが、日本共産党です(拍手)。本来こういう仕事は、日本政府がやるべき仕事ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 今年は戦後80年です。戦後80年もたって、首都のど真ん中に米軍基地がある。横田基地が居座っている。有害物質・PFOS(ピーフォス)の汚染源と言われています。米兵犯罪の隠蔽(いんぺい)も明らかになってきました。首都のど真ん中に米軍基地を置いている国は、世界広しといえど日本だけなんです。これで独立国と言えるでしょうか。日本の国のあり方を変えようじゃないですか。アメリカ言いなりの政治はもうやめようじゃないですか(拍手)。対等・平等・友好の新しい日米関係をつくっていこうではありませんか。(大きな拍手)

 みなさん、今度の選挙で日本共産党を大きく伸ばしていただいて、「財界中心」「アメリカ言いなり」の自民党政治を、大もとから変えていきましょう。そして、日本共産党都議団をさらに大きくし、東京都政を、暮らし応援の都政へと変えようではありませんか。(大きな拍手)