2025年4月10日(木)
日本政府は、「トランプ関税」に毅然と抗議し、撤回を求めよ
―対等・平等の日米関係への転換を 志位議長が訴え
![]() (写真)あいさつする志位和夫議長=9日、国会内 |
日本共産党の志位和夫議長は9日、国会内で開かれた「神奈川・国会議員要請行動」であいさつし、トランプ関税や物価高騰など内外の情勢について報告し、打開策を提示しました。
志位氏は、トランプ米大統領による関税措置について、2019年、自らも署名した日米貿易協定で「追加関税を課さない」と約束したにもかかわらず、それを一方的に反故(ほご)にし、他国の経済主権を乱暴に侵害する、「恐喝的な経済覇権主義」だと強く批判。石破茂首相が、7日の山下芳生副委員長の参院決算委員会での質問に「(関税)撤回を求める」と答えながら、同日夜行われた日米首脳電話会談では「遺憾」というだけで「撤回」を求めず、“日本は世界最大の対米投資国だから何とか見直してくれ”という対応を行ったことを、「あまりに、だらしがない態度です。貿易協定を一方的に反故にした横暴・無法に対して、毅然(きぜん)と抗議し、撤回を求めるべきです」と訴えました。
志位氏は、大企業が、トランプ関税による打撃を、労働者や中小企業などへ転嫁することを許さず、国内の雇用、営業、暮らしを守るあらゆる手だてをとることを政府に求めていくと語りました。そのうえで、「今起こっていることは、新自由主義的な国際経済秩序の行き詰まりを示しています」と指摘。「各国の経済主権、食料主権を尊重し、多国籍企業の横暴を規制する、公正で民主的な経済秩序をつくるための国際協調にこそ力を注ぐべきです」と主張しました。
さらに志位氏は、「『日米関係はこのままでいいのか』が大きく問われています」と強調。ガザ問題やウクライナ問題で国連憲章と国際法を無視した言動を繰り返し、パリ協定から離脱、世界保健機関(WHO)から脱退し、経済・貿易ルールを一方的に破壊するトランプ米政権について、党として「アメリカ帝国主義の“落日”が始まった」と断じてきたが、吉川洋・東大名誉教授が「戦後80年続いた『米国の世紀』が終幕した」と指摘するなど、「いつまでもアメリカ頼みでいいのか」という世論が大きく広がっていると強調。次のように訴えました。
「世界からも、同盟国からも、信頼を失ったトランプのアメリカに言われるまま、軍事費を際限なく増やし、米軍新基地を提供し、アメリカいいなりを続けていいのかが問われています。今こそ、対等、平等、友好の日米関係に切り替えるべきです」
物価高騰から暮らしを守る緊急施策の実行を
さらに、志位氏は、「物価高騰が止まらない。4月から値上げされる飲食料品が4225品目にも及ぶ(帝国データバンク)。この間とりくんできた要求アンケートでも、一番の切実な声として寄せられています」として、物価高騰から暮らしを守る緊急施策の実行を、財源を示しながら訴えました。
▽消費税減税とインボイス廃止―年間12万円の減税となり、物価高騰に苦しむ中小企業への一番の支援になる。財源は借金でなく、大企業・富裕層の負担でまかなう▽物価上昇をはね返す大幅賃上げ―大企業の内部留保への時限的課税、中小企業への直接支援で最低賃金を時給1500円に引き上げる▽物価高騰で医療・介護の基盤崩壊が深刻。国費投入で崩壊を止め、ケア労働者の賃上げをはかる―などです。
志位氏はそのうえで、「大軍拡を続けたままでは暮らしは決して守れません」と強調。軍事費が8・7兆円にまで膨れ上がり、トランプ米政権から「GDP(国内総生産)比3%以上」など、さらなる軍事費増を要求されているとして、「大軍拡を中止し暮らしにまわせ、日本の平和は外交の力で守れ、というまっとうな主張を掲げてたたかっていきましょう」とよびかけました。