志位和夫 日本共産党

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主な活動

2024年8月25日(日)

「共産主義と自由」「自由な時間」

志位さんと高校生 議論はずむ


 日本共産党は24日、志位和夫議長を講師に「高校生サマーセミナー 志位さんと語ろう 資本主義、共産主義、自由、生き方」を党本部で開きました。


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(写真)サマーセミナーで参加者と語り合う志位和夫議長。その左は坂井希青年・学生委員会責任者=24日、党本部

 志位さんは、新著『Q&A 共産主義と自由―「資本論」を導きに』をテキストに、全国から参加した高校生と、2時間半にわたって、資本主義、共産主義、「人間の自由」、「自由な時間」、貧困と格差、気候危機、教育問題などさまざまな問題で熱い討論をかわしました。

 志位さんは、参加者から次々に寄せられた質問に縦横に答え、日本共産党がめざす「人間の自由」が花開く未来社会の展望、「自由な時間」を拡大することの大切な意義について熱く語りました。

 セミナーは、まず一人ひとりの高校生が、自己紹介とともにセミナーに参加した理由について発言。「共産主義について学びたい」「資本主義について気になることがある」「日本が共産主義になったらどうなるのか知りたい」「志位さんと話す機会はめったにないので来た」などとセミナーへの期待を語りました。

 『Q&A 共産主義と自由』を手に取った志位さんは、「今日は、この本をテキストに『人間の自由』『自由な時間』の二つをキーワードにして話したい」と述べ、本の核心的内容を説明。貧富の格差の拡大、気候危機の実態を話し、資本主義は「人間の自由」を保障しているのかという根源的な問題が突きつけられていると指摘しました。

 そのうえで、「利潤第一主義からの自由」「人間の自由で全面的な発展」「発達した資本主義国での巨大な可能性」―「人間の自由」と未来社会について三つの角度から話しました。

 その中で志位さんは、資本主義の搾取の仕組みを発見したマルクスは、搾取されているのはモノやカネだけでなく、「自由に処分できる時間」だと突き止めていったと強調。「『自由な時間』が横領されている」といった状況は現代の日本にも当てはまるとして、「今、一番欲しいもの」を設問にした広告代理店の若者意識調査では、「お金」に続き「時間」「自由」となっていることを紹介しました。

 自由討論で高校生はさまざまな疑問、質問をぶつけました。

 「競争教育のもとで好きなことを行う時間がない」―志位さんは、「その根源は、子どもたちを競争でふるい分け、教育をもうけのための道具としてゆがめてきた財界の姿勢にあります。また、それをうのみにして教育現場に押し付けてきた政治に責任があります」と指摘。競争教育をなくしたフィンランドは世界一学力が高くなった例を示し、「競争教育をなくすためにがんばっていきましょう」とよびかけました。

 「学校でダンス部に入っている。『何も変わらない』というまわりの人たちにどう働きかけたらいいでしょうか?」―志位さんは、「クラブ活動やサークル活動などで結びつき、さまざまな対話をしていくことがとても大切だと思います」と指摘。「自由な時間」を使って自身を発展させるためには、個々人の努力だけでなく、豊かな社会的交流も大切だということを強調し、「『自由な時間』を使って、知的・精神的成長をかちとるとともに、サークル活動など友人との交流・対話をつうじて、ぜひ自身の豊かな発展を実現していってほしい」とエールを送りました。

 「共産党が与党、日本が共産主義になったらどうなりますか?」―。志位さんは、「いきなり共産主義になるプログラムではなく、アメリカいいなりをやめ、財界・大企業中心の政治を正すことが、すぐ取り組むべき改革のテーマです。この仕事をやりあげたうえで国民多数の合意で社会主義に進みます」と答えたうえで、資本主義のもとでも労働時間を短縮し「自由な時間」を拡大するたたかいが大切になっているが、社会主義・共産主義にすすめば、「搾取と浪費がなくなることで労働時間は劇的に短くなります」として、そのメカニズムを解明しました。

 「このまま地球温暖化が進めば、資本家にも害をなすと考えますが…」―志位さんは、気候危機打開は資本主義のもとでも待ったなしで取り組むべき課題であり、欧州などでは財界もそれを自覚して重要な役割を発揮していることを紹介。同時に、「抜本的な対策が資本主義では限界だということになれば、資本主義を乗り越えることが人類の課題にのぼってくることになるでしょう」と語りました。

 「選挙に行ってもらい、政治を知ってもらうためにはどうしたらいいでしょうか?」―この質問に対し志位さんは、「(今日のような)ディスカッションを広げることです。『人間の自由』『自由な時間』などをテーマにいろいろな人と話し合うことを日本中で広げてほしい」と熱くよびかけました。

 セミナーを終え、参加者から「自分の意志を自由に表現するという共産主義は私たちにとって大きな希望だと感じました」「理解が深まり、話がはずみ、全国の高校生と交流できて得られるものが大変多かった」「全体を通して、論理的だけど私の経験とか感情にもつながって人間らしく私らしくいられる学びになりました」「目からうろこでした。自由についての考えが変わりました」などの感想が寄せられました。