2024年8月4日(日)
党の命運がかかった8・9月 “目標水準”へ活動飛躍を
都道府県委員長会議ひらく
小池書記局長が問題提起(全文)
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日本共産党は3日、オンラインで全国都道府県委員長会議を開きました。第29回党大会決定と第2回中央委員会総会決定実践の到達点を踏まえ、8、9月の活動の飛躍をはかり、党大会で決めた2年後までの党づくりの目標にふさわしい運動――“目標水準”をどう突破するかを深め意思統一することが目的です。小池晃書記局長が幹部会報告を行いました。
小池氏は7月の党勢拡大の結果について党員拡大で党大会後最高となり、読者拡大でも7月に日刊紙・日曜版が前進したのは6年ぶり、日曜版で料金改定をした月に増勢となったのは51年ぶりであることを報告し、全党の大奮闘に敬意を表し感謝をのべました。同時に党員拡大では2中総後も現勢の後退が続いており、“目標水準”には7月の3倍から4倍の運動が必要なこと、機関紙拡大でも党大会時からは大きく後退しており「赤旗」発行の危機の局面が続いていることを指摘しました。
そのうえで、8、9月の位置づけについて二つの意味で「文字通り党の命運がかかった重大な意義を持つ」ことを訴えました。
第一は、大会決定をやり抜けるかどうかの分かれ道だということです。7月、全党の奮闘で前進の端緒をつくったものの、現状の延長線上では党員拡大でも読者拡大でも大会が決めた「後退から前進への歴史的転換」をやりぬくことができず、何としても“目標水準”の運動に引き上げることを強調しました。
小池氏は、「“命運がかかっている”といいましたが、党が追い詰められているということではありません。全党の奮闘で党勢拡大運動を飛躍に転じさせる『歴史的チャンス』をつくってきています」と指摘し、政治的・理論的分野と党建設の両面から飛躍の条件を具体的にのべました。
同時に“目標水準”には到達できていないと率直に指摘。従来の延長線上では、「歴史的チャンス」を逃すことになってしまうという意味で党は岐路に立っており、現実の飛躍につなげる活動を8、9月にやり抜こうという決意を込めて「党の命運がかかっている」と位置付けたとのべました。
第二は、今後の政治日程を考えたとき、8、9月に“目標水準”の運動をつくることは、いつあってもおかしくない総選挙、来年の都議選と参院選などを勝ち抜くうえで絶対不可欠であるとのべました。候補者決定など総選挙独自の準備をすすめながら、選挙勝利の最大の保障は、現時点では党づくりであり、8、9月は党建設・世代的継承を正面にすえて奮闘することを訴えました。
どうやって“目標水準”を突破するかについて小池氏は、都道府県委員長からのアンケートをふまえ、(1)党大会決定の生命力と全党徹底の課題(2)「手紙」と「返事」のとりくみをどう強化し、どう生かすか(3)党勢拡大の独自追求をどうすすめるか(4)世代的継承をどう党づくりの中軸にすえるか(5)「『共産主義と自由』を学び、語り合う大運動」をどうすすめるか(6)党機関の指導力量の向上と体制強化をどうはかるか――の六つの問題提起を行い、率直で徹底した議論を呼びかけました。
小池書記局長が討論のまとめ
討論では26人が発言しました。討論のまとめで小池氏は、8月9月が、党大会決定実践でも今後の政治戦勝利でも、決定的に重要な党の命運がかかった時期になるという位置づけが受け止められたと語りました。
7月のとりくみでは“目標水準”に照らし党員拡大で1県が達成し、19県が4割を超えています。読者拡大では日刊紙で3県が達成、15道府県が8割超まで到達、日曜版は1県が達成、12道府県が8割超まで到達しています。
小池氏は、「“目標水準”は、はるかかなたの目標ではない。もうひと頑張りというところまで奮闘で切り開いてきたことが大変重要です。一刻も早い達成は、全支部全党の決起にかかっており、六つの問題提起を全て実践することが大事です」とのべました。
小池氏は、「月末だけ必死になるのは党勢拡大運動の現状から自然にそういう現象が起こるのではなく、長と常任委員会がつくり出しているのではないか」などの県委員長の発言を紹介し、党機関と長の決意が大事だとのべました。
そのうえで小池氏は、「2中総決定実践の推進本部の責任者である私自身に、まさにその決意が問われています」とのべ、8月9月、目標水準の達成に力を合わせようとよびかけました。とくに8月はお盆前の前半が勝負であり、12日までに党員、日刊紙、日曜版、それぞれで節目標をしっかり議論して決定し、必ず実現しようと訴えました。
志位議長が発言
討論のまとめに先だって、志位和夫議長が発言し、「非常に重要な会議となった」として実践に生かすことをよびかけつつ、「会議の主題ともかかわって、一つお伝えしておきたいことがあります」として、7月31日に、党本部で行われたドイツのシンクタンク・ローザ・ルクセンブルク財団のハインツ・ビアバウム理事長(前欧州左翼党議長)との会談について報告しました。
志位氏は、会談では、外交問題とともに、理論問題も話し合われたとして、「共産主義と自由」にかかわる講演と講義の英訳のテキストをビアバウム氏に事前に手渡したところ、ビアバウム氏がテキストを読んでくれて、「共産主義と自由」「自由な時間」に関する理論活動の重要性をのべるとともに、党綱領に明記している発達した資本主義から未来社会に進むさいに継承・発展させるべき五つの要素――高度な生産力や人間の個性などの提起についても注目しているとのべ、理論問題でも交流をしていくことになったと報告しました。
志位氏は、「私たちが綱領、大会決定、この間の講演や講義で探究している未来社会論は、世界でも響く力をもっていると感じました。大いに党づくりの力にしていきましょう」とのべました。