志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2024年6月8日(土)

平和・暮らし・自民党さよならの声を 日本共産党への1票に

沖縄県議選 志位議長の訴え


 沖縄県議選(16日投票)告示日の7日、日本共産党7候補の必勝を訴えた志位和夫議長の訴えを紹介します。


 沖縄のみなさん、こんにちは。矢も盾もたまらずかけつけました。日本共産党の志位和夫でございます。(拍手、指笛)

 沖縄の命運、日本の未来がかかった歴史的選挙が始まりました。たいへんな大激戦ですが、最後までご支持を広げに広げていただいて、日本共産党の7人の候補者の全員勝利のためにお力をお貸しください。よろしくお願いいたします。(拍手、指笛)

 私は、告示日にあたりまして、沖縄県民のみなさんの三つの切実な願いを、こぞって日本共産党への1票に託してほしい。このことをお訴えしたいと思います。

沖縄を二度と戦場にさせない――基地のない平和で豊かな沖縄を

写真

(写真)訴える志位和夫議長=7日、沖縄県沖縄市

 第一に、沖縄を二度と再び戦場(いくさば)にさせない、基地のない平和で豊かな沖縄をつくろう――この願いを日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(拍手、指笛)

「代執行」の強権に展望なし――新基地建設中止の審判を

 岸田自公政権は昨年12月以来、「代執行」という民主主義と地方自治を破壊する乱暴きわまるやり方で辺野古新基地建設を強行しようとしています。

 しかし、この道に展望があるでしょうか。「普天間基地の危険性の早期除去」――これが強権発動の最大の理由とされています。それでは、普天間はいつ返ってくるのか。こう聞いた宜野湾市長に対して、政府は「返還時期は具体的に示すことができない」と答えました。展望がないことを自ら示す発言ではありませんか。(「そうだ」の声)

 なぜ展望がないのか。超軟弱地盤の問題などだけではありません。何よりも新基地建設が沖縄県民の民意に真っ向から反しているからではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 県民のみなさんは、これまで3度にわたる県知事選、そして県民投票で、「辺野古に基地はつくらせない」という民意を示してきました。かりにも民主主義の国ならば、民意に反する基地は決してつくってはならないし、つくれないということを私は言いたいと思います。(拍手、指笛)

 それは普天間基地の県内移設を決めた1996年のSACO合意から28年たっても、世界一危険な普天間基地は1ミリも動いていないという歴史が証明しているではありませんか。大局で見れば県民のみなさんのたたかいによって追い詰められているのは、日米両政府ではないでしょうか。(拍手)

 そして、県民のみなさんが党派の違いを超えて団結するならば、政府がいったん決めた方針であってもひっくり返すことができるということは、うるま市の自衛隊訓練場の計画を断念に追い込んだことでも立派に示されたではありませんか。(拍手、指笛)

 みなさん。「オール沖縄」の一員として、新基地建設に断固反対を貫いてきた日本共産党への1票で、「代執行」という暴挙に対して、ノーの審判を下そうではありませんか(拍手)。辺野古新基地建設中止、普天間基地の無条件撤去を求めてアメリカと交渉せよ。この声を岸田政権に突きつけようではありませんか。(拍手)

「軍隊は住民を守らない」――沖縄をアメリカ軍事戦略の「捨て石」にするな

 問題は米軍基地だけではありません。

 敵基地攻撃能力保有と大軍拡、自衛隊基地の大増強が進められています。与那国島、石垣島、宮古島に相次いで陸上自衛隊の駐屯地がつくられました。今年3月には石垣島、宮古島に続き、本島のうるま市にもミサイル部隊の配備が強行されました。基地の縮小どころか、沖縄の軍事要塞(ようさい)化が、日米一体で進められています。

 琉球新報は社説で、「沖縄戦の最大の教訓は、軍隊は住民を守らないということだ」と書きました。その通りじゃないでしょうか。あの沖縄戦を前にして、日本軍は県内に飛行場をつくり、部隊を展開しました。その結果が県民の4人に1人が犠牲になった凄惨(せいさん)な地上戦でした。沖縄は本土決戦に向けた「捨て石」とされました。今、再びアメリカの対中国軍事作戦のための「捨て石」にされようとしている。この美しい島を2度までも踏みつけにする。こんなことは許すわけにまいりません。(拍手)

 みなさん、戦前・戦後、戦争反対を貫いた日本共産党への1票で、沖縄の軍事要塞化に対して断固ノーの審判を下そうではありませんか。(拍手、指笛)

「東アジア平和提言」とデニー県政の自治体外交――沖縄を世界平和の発信地に

 それでは、どうやって日本とアジアの平和をつくるか。日本共産党は4月17日、「東アジア平和提言」を発表いたしました。徹底した対話の積み重ねで、東南アジアを平和の共同体に変えたASEAN(東南アジア諸国連合)と協力して、東アジアの全体を戦争の心配のない平和な地域にしていこう。これが私たちの呼び掛けであります。

 この呼び掛けは「万国津梁(しんりょう)」「命(ぬち)どぅ宝」の精神に立ち、「平和的な外交・対話によって、緊張緩和、信頼醸成、平和構築を図る」ことを目指すデニー県政の自治体外交と響きあうものだと思います。

 憲法9条を生かした外交の力で平和をつくる道を指し示し、その実現のために国内外で力を尽くしている平和の党――日本共産党への1票で、沖縄を戦争の拠点でなく、世界平和の発信地にしていこうではありませんか。(拍手、指笛)

物価高騰から暮らしを守る願いを、日本共産党に

 第二に、物価高騰から暮らしを守る願いを、どうか日本共産党への1票に託してください。

 物価高騰に対する悲鳴の声が全国どこでも噴き出しています。とりわけ米軍基地の重圧のもと、沖縄県民のみなさんの暮らしの困難は特別に大きなものがあると思います。

子ども医療費、貧困対策、中学校給食の無償化――日本共産党勝利でさらに前進を

 こうしたなかで日本共産党県議団は、県民の暮らしの困難に寄り添って、道理ある建設的な提案を行い、デニー県政を支え、前に動かす素晴らしい働きをしてきました。いくつか紹介いたします。

 子どもの医療費では、財源の試算を独自に示して、中学校卒業までの窓口無料を提案し、実現に道を開きました。日本共産党を勝たせていただいて高校卒業まで無料にしようではありませんか。(拍手、指笛)

 日本共産党県議団が提案した「子どもの貧困実態調査」が翁長県政時代に実施され、沖縄県の子どもの貧困率が全国の2倍という実態が明らかになりました。これを受けて翁長県政のもと30億円の「子ども貧困対策基金」がつくられ、デニー県政で60億円の積み増しがされ、返済不要の県独自の奨学金制度、中高校生の通学バス代の一部無料化など、子育て支援が大きく前進しました。日本共産党への1票で、さらに制度の充実をはかっていこうではありませんか。(拍手、指笛)

 さらにうれしいニュースが報じられました。5月24日、デニー知事は、中学校の学校給食費の無償化を来年4月から段階的に実施すると表明しました。日本共産党の県議団は昨年11月の県議会以来、早期実施を繰り返し求めてきましたが、ついに前に動いたじゃありませんか。県民運動、デニー県政、共産党県議団の共同の成果ではないでしょうか(拍手)。日本共産党を勝たせていただいて小学生にも広げようではありませんか。(拍手、指笛)

沖縄振興予算の削減――「基地と振興策のリンク」という卑劣な県民いじめをやめさせよう

 それではみなさん、暮らしの問題で自民党がやってきたことは何でしょうか。

 まず私が言いたいのは、今起こっている物価高騰は自然現象では決してないということです。アベノミクスの「異次元の金融緩和」による異常円安がもたらした人災であり、自民党の責任はきわめて重いということを言いたいと思います。

 こうした間違った政治と一体に、消費税を上げ、年金を減らし、医療や介護の負担増を押し付け、暮らしにむち打つ、血も涙もない仕打ちをやってきたのは自民党じゃないですか。

 くわえて、私が許しがたいのは、沖縄を狙い撃ちにした県民いじめをやってきたことです。自公政権は辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」県政が誕生して以降、沖縄振興予算を10年間で823億円も減らしてきました。これが沖縄県が県民のためのさまざまな仕事を進めるうえでの大きな困難をつくりだしています。

 沖縄振興予算というのはどういう予算か。苛烈な地上戦で甚大な犠牲を負わされ、戦後27年間にわたって米軍の施政下に置かれたことなど、過去の沖縄県民のみなさんの労苦に対して、国が「償いの心」として支出してきた県民の暮らしの向上のための予算なのです。ですから基地とリンクさせて、これに手をつけて減らすなんてことは、絶対にやってはならないということを強く言いたいと思います(拍手)。823億円と言いましたら、県民1人当たり年間5万5000円、4人家族なら22万円にもなります。家族で22万円ものお金を県民から奪ってきたのが自民党なのです。

 みなさん、日本共産党を勝たせていただいて、「基地と振興策のリンク」という卑劣な県民いじめを、きっぱりとやめさせようではありませんか。(拍手、指笛)

日本共産党の「経済再生プラン」――共産党勝利で実現に道を開こう

 日本共産党は物価高騰から暮らしを守る、「経済再生プラン」を提唱しております。

 アベノミクスで大企業の内部留保がどんどん膨らんで500兆円を超えています。この膨らんだ部分に時限的に税金をかけて、10兆円のお金をつくり、それを中小企業支援に充てて最低賃金を1500円に一挙に上げることを提案していますが、いかがでしょうか(拍手)。これぜひ実現していきたい。

 空前のもうけを上げている富裕層と大企業にはちゃんと税金を払ってもらおうじゃないですか。そして、消費税は5%に減税し、インボイスは廃止しようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手、指笛)

 医療、介護、年金を削減から拡充に切り替えていきましょう。そして、高すぎる大学の学費は無料を目指して、緊急に半分にする、入学金は廃止する、奨学金は返済不要の給付型に切り替える、若いみなさんが安心して学べる日本をつくっていこうではありませんか。(拍手、指笛)

 何よりも5年間で43兆円もの大軍拡はやめて、税金は暮らしに最優先で使え、この声をあげていこうではありませんか。(拍手)

 みなさん。物価高騰から暮らしを守る、みなさんの切実な願いを、どうか日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(拍手、指笛)

自民党政治を終わらせて、希望ある新しい政治をつくろう

 第三に、自民党政治を終わらせて、希望ある新しい政治をつくろうという願いを、どうか日本共産党への1票に託してください。

裏金問題に無反省の自民党、政治改悪の悪法強行の自民・公明・維新に厳しい審判を

 裏金問題に対する国民の怒りが沸騰し、自民党は断崖絶壁まで追い詰められています。ここまで追い込んだ力はどこにあったか。国民世論の力、「しんぶん赤旗」のスクープの力です。これがなければ、裏金は今も裏金のまま、安倍派の幹部は政権中枢に居座っていたでしょう。

 ところが、ここまで追い詰められていても、自民党には反省のかけらもありません。この党の辞書には「反省」という文字がないんです。この間、政治倫理審査会で衆参73人の裏金議員を審査することを、自民党を含む全会一致で議決しました。ところがたった一人も「出る」といった議員がいない。岸田首相も「出ろ」とは絶対に言おうとしない。自浄能力のかけらもありません。みなさん、こんな政党に、日本の政治を語る資格はないし、沖縄を語る資格はないと言いたいと思いますが、いかがでしょうか。(「そうだ」の声、拍手、指笛)

 そして、昨日の衆議院本会議で起こったことは、自民党、公明党、維新の会が、企業・団体献金を温存し、政策活動費という使途不明のブラックボックスをなんと合法化する大改悪の法律を強行するということでした。この暴挙に対して断固抗議します。日本共産党の全員勝利で、自民、公明、維新の「同じ穴のむじな3兄弟」に厳しい審判を下し、沖縄から自民党政治を終わらせる狼煙(のろし)をあげようではありませんか。(拍手、指笛)

 自民党政治を終わらせれば、基地の問題も、暮らしの問題も、一挙に解決の道が開かれます。その審判を下そうではありませんか。(拍手、指笛)

日本共産党の全員勝利こそ、「オール沖縄」を前にすすめる力

 みなさん。自民党政治に代わる新しい政治を開く力は、どこにあるでしょうか。保守と革新の垣根を越えた「オール沖縄」こそ、未来を開く力です。

 今からちょうど10年前、2014年、翁長さんが知事に挑戦した選挙の際に、応援にうかがった私に語りかけてきた言葉を忘れません。翁長さんはこうおっしゃった。

 「これまで沖縄では、基地を挟んで保守と革新が対立していた。そのことでほくそえんでいたのは日米両政府です。これからは、保守は革新に敬意を持ち、革新は保守に敬意を持ち、力を合わせて平和な沖縄をつくりましょう」

 こうして固い握手を交わしたことを思い出します。

 これ以来、「オール沖縄」の歴史は10年におよびます。この10年間、さまざまな山あり谷ありだったと思いますが、「オール沖縄」の団結こそが、翁長県政を生み、デニー県政を生み、沖縄の未来をひらく希望であることは、10年間の歴史が証明しています。そして、それは全国で市民と野党の共闘をつくる力にもなっていきました。そして、日本共産党は「オール沖縄」が、どんな難しい場面にあったときでも、あらゆる妨害をはねのけて「オール沖縄」の団結と発展のために一筋に力を尽くしてきた政党であります。ですから、日本共産党の全員勝利こそ、「オール沖縄」を前に進める力だということを私は訴えたいと思います。(大きな拍手、指笛)

 どうかみなさん、この三つの願い、基地はいらないという願い、暮らしを良くしたいという願い、自民党政治さようならの願い、一つに集めていただき、こぞって日本共産党に託していただきたい。残る期間、頑張り抜いて、必ず勝利を勝ち取らせていただきたい。どうかよろしくお願いします。(力強い拍手、指笛)