志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2024年5月22日(水)

第32回かながわピースフェア=大和平和まつり=

神奈川を空母と海兵隊の出撃基地にしてはならない

志位議長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫議長が19日の「第32回かながわピースフェア=大和平和まつり=」で述べたあいさつは次の通りです。

厚木基地が、オスプレイの 整備・訓練拠点に

 大和市のみなさんは長い間、厚木基地での米空母艦載機の離着陸訓練による爆音被害に苦しんでこられました。30年前、こちらにうかがって、艦載機の離着陸訓練の爆音のひどさについて、「内臓が動かされるようなひどい苦しみだ」という地元のみなさんの訴えを聞き、国会でも取り上げたことがあります。

 艦載機は、一応、岩国基地(山口県)に移転することになりました。だったら、厚木基地はもういらないじゃないですか(拍手)。厚木基地の「存在意義」はもうないんです。

 ところが今度は、そこにオスプレイを持ってくるという。2030年末までに、51機の米海兵隊と米海軍のオスプレイの整備をここでやる計画です。訓練もやることになる。つまり、厚木基地はこれまで艦載機の巣窟になっていたのが、今度はオスプレイの巣窟になって、米海兵隊の出撃基地にされようとしている。これが厚木基地の現状です。

空母も、海兵隊も、オスプレイもいらない

 いま神奈川で何が進んでいるか。神奈川は戦後、アメリカの空母の出撃拠点とされてきました。横須賀を母港にしたのが1973年。そのときには「3年間で帰す」と言ったんですよ。ところが半世紀にわたって空母が居座ってきた。空母の居座りを続けながら、さらに海兵隊のオスプレイの整備・訓練の拠点にしようというのです。整備・訓練したオスプレイはどこに行くのか。沖縄に行き、沖縄の海兵隊と一体になって、海外に殴り込む戦争をやる。厚木基地をその出撃拠点にしようとしているのです。

 もう一つ、神奈川で進んでいる大問題は、横浜ノースドックに米陸軍の揚陸艇部隊の配備を強行したことです。先日、はたの君枝前衆院議員と一緒に視察に行きました。政府は「小型揚陸艇」と言いますが、行ってみるとでかい。全長53メートル、最大積載1100トン、戦車が5台積める。何をやるのか。沖縄で米海兵隊の兵士と装備を積むんです。沖縄に行って、海兵隊と一緒になって、戦争をやる。これがノースドックで進んでいることです。

 つまり、いま神奈川の基地は重大なことになっている。これまで神奈川は米空母の出撃拠点とされてきました。アフガン戦争、イラク戦争などで米空母の出撃拠点とされてきました。

 しかし、空母に居座らせるだけではない。厚木基地、横浜ノースドックを海兵隊の出撃拠点にしようとしている。米軍にとって空母打撃群と海兵隊は、海外に「殴り込み」をかける二つの専門部隊です。その二つの部隊の拠点をこの神奈川に置かせていいでしょうか。返上しようではありませんか。(拍手)

 私はこの場で訴えたい。もう空母はいりません。原子力空母ロナルド・レーガンが5月に出航しました。いつも空母が出航するときには「さよなら」と人文字が出るそうですが、今度のレーガンでは、「ではまた」だったそうです(笑い)。ではまたお目にかかりましょう。しかしもう空母はいらない。原子力空母ジョージ・ワシントンは来なくて結構です。もう空母の母港は返上しようじゃないですか(拍手)。海兵隊の拠点などお断りの声をあげようじゃないですか(拍手)。厚木基地の撤去をさせようじゃないですか(拍手)。オスプレイはいらないという声をあげようじゃないですか。(拍手)

 沖縄県民の皆さんの辺野古新基地建設反対の声と連帯し、基地のない平和な日本をつくるために頑張ろうではありませんか。(拍手)

「東アジア平和提言」――外交の力で平和をつくろう

 最後に、ではどうやって平和をつくるのか。外交の力で平和をつくるべきです。

 日本共産党は先日、「東アジア平和提言」を国会内の国際会議場で発表し、21の大使館から大使らがお見えになって、大変盛会でした。ASEAN(東南アジア諸国連合)は、徹底した話し合いを積み重ねることで、地域を戦争の心配のない平和な共同体に変えました。そして、この平和の流れを東アジア全体に広げようという大構想を発表しております。「AOIP(ASEANインド太平洋構想)」といいますが、これを一緒になって成功させようと訴えているのが、日本共産党の「東アジア平和提言」です。いかがでしょうか。(拍手)

 いまやるべきは戦争の準備ではない。基地の強化でもない。平和の準備こそ、やっていこうではありませんか。平和まつりが、そのために大きく成功することを願い、連帯のごあいさつといたします。(拍手)