2023年12月24日(日)
東アジアの平和・核廃絶で協力
ラオスのトンルン書記長と志位委員長が会談
【ビエンチャン=井上歩】日本共産党の志位和夫委員長は23日、訪問先のラオスの首都ビエンチャンでラオス人民革命党のトンルン・シスリット書記長・国家主席と会談し、東アジアの平和構築の推進と「核兵器のない世界」のために協力を強化していくことで一致しました。
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日本共産党委員長のラオス訪問は初めて。トンルン書記長から「歴史的な訪問だと考えています」と温かい歓迎を受けた志位氏は、「私にとって初めての訪問であり、強い念願でした」と応じ、会談は終始、友好的な雰囲気ですすめられました。
AOIP推進で協力
会談で志位氏は、フランスと米国による支配と干渉に抗しての独立戦争を勝ち抜いた歴史を持ち、東南アジア諸国連合(ASEAN)のメンバーであるラオスと「世界と地域の平和のための協力を強めたい」と強調。ラオスが2024年のASEAN議長国に就任することに祝意をのべるとともに、ASEANの平和の地域共同体づくりを東アジア全体に広げるASEANインド太平洋構想(AOIP)を成功に導くために「両党の協力をいっそう強化したい」と提起しました。
トンルン書記長は、ラオスは長く戦争を経験し、常に平和を強く望んでいると応じ、「ASEANの中心性と団結を強化するイニシアチブを継続して諸問題に対処し、力強く、粘り強く平和を維持したい」とのべて、AOIPを推進していく考えを示しました。志位氏は「ラオスが来年、ASEAN議長国として素晴らしい役割を果たすことを願っています」と語りました。
志位氏は、2017年の核兵器禁止条約締結のための国連会議などでラオスの国連代表と協力してきたことなどに触れ、「核兵器なき世界」の実現に向け核兵器禁止条約を促進していくことを提起。トンルン書記長は賛意を示し、核兵器禁止条約や核不拡散条約の重要性を強調しました。
友好関係新たな高みへ
両党関係について志位氏は、この訪問を契機として、両党の伝統的な友好と協力の関係を「21世紀にふさわしい新たな高みに引き上げたい」と強調。双方は、▽国際問題での意見交換や党活動の交流のために両党間に効果的な対話のメカニズムをつくっていく▽両党関係の発展によって日本・ラオスの両国・両国民の友好関係をより豊かにしていく――などの点で一致しました。
不発弾問題で連携強化
志位氏は特に不発弾処理の問題での協力強化を提起。ラオスがベトナム戦争中、米軍により人口当たり史上最大の量の爆弾を投下され、不発弾による市民の犠牲や被害が今も続いていることに触れ、「不発弾処理や被害者救済のための国による支援を後押ししたい」と強調しました。
トンルン書記長は、1人あたり1トンもの爆弾が投下され、3分の1が不発弾で残り、戦後も多数の市民の犠牲者が出たことに言及。「提案に大変感謝しています」とのべ、支援強化に向けて両党で協力していくことに賛意を示しました。
会談には田村智子副委員長ら日本共産党代表団が出席しました。志位委員長率いる党代表団は同日、ブントン・チットマニー書記局常務・国家副主席と会談し、具体的な協力の強化について話し合いました。また、ASEANの地域平和づくりの取り組みに関して、トンファン・サワンフェット外務副大臣と会談しました。