志位和夫 日本共産党

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談話・記者会見

2023年11月3日(金)

日本政府は、イスラエルの蛮行を批判し、即時停戦の外交努力を

志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は2日、国会内で記者会見し、イスラエル・ガザ紛争の現局面と日本政府の対応について次のように述べました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=2日、国会内

 一、イスラエル・ガザ紛争の現局面と日本政府の対応について、まとまって発言しておきたい。

 イスラエル軍は10月31日、ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプに対する空爆を行った。多数の子どもを含む数百人の民間人が死傷したと報じられている。難民キャンプに対する空爆は、明白な国際人道法違反であり、まごうことなき戦争犯罪だ。これを強く非難する。

 これまでにイスラエル軍の攻撃によって、ガザ地区の人々が8500人以上も犠牲となり、そのうち3500人以上が子どもだと報じられている。イスラエルに対し、国際法に違反する大規模な空爆、封鎖、地上作戦をただちに中止することを強く求める。

 一、この問題にかかわり、国会審議を通じ、日本政府の対応の問題点が明白になってきた。二つの大きな問題点を指摘する。

 第一の問題点は、日本政府がハマスの無差別攻撃に対する非難を行っても、イスラエルの国際人道法を蹂躙(じゅうりん)した蛮行に対し、国際法違反だと批判することを一貫して回避していることだ。

 1日、日本共産党の山添拓議員がこの問題をただしたが、首相は答弁で国際法違反とは一度も言わなかった。「現地の状況を十分に把握できないので、法的判断はできない」と繰り返した。驚くべき無責任な答弁だ。現地で子どもたちがどんどん殺されていると、毎日のように西側のメディアも含めて報道されている。国連子ども権利委員会も3500人以上の子どもを殺害されたとして強く非難している。現地の状況が分からないから、法的判断できないというのは、あまりにも情けない、無責任きわまる態度だと言わなければならない。

 一、第二の問題点は、日本政府が休戦を求めることを一貫して回避していることだ。

 この間、国連総会で緊急会合が行われ、世界121カ国が賛成して人道的休戦を求める決議が採択された。この決議に、日本政府は棄権という態度をとった。国会質疑で、わが党が「なぜ棄権という態度をとったのか」とただすと、首相は「バランスを考えて」という答弁だった。ハマスへの非難が明示されていないということを、棄権の理由としてあげた。総会決議は、確かに名指しはしていないが、イスラエル、ハマスの双方の行った暴力行為に対する批判を明記している。そういった点では、きちんとバランスが取れているものだ。ハマスへの非難は行っても、イスラエルは非難しないという日本政府こそ、まったくバランスを欠いた対応だと言わなければならない。理屈にもならない理屈で、国連総会の決議に棄権するという態度をとったことは、たいへん大きな問題だと厳しく批判されなければならない。

 一、1日の山添議員の質疑で、「休戦を日本政府として求めるべきだ」との繰り返しの質問に対し、首相は「休戦」あるいは「停戦」を求めることをかたくなに拒否した。首相が繰り返したのは、「人道的な戦闘休止」だった。「戦闘」、つまり個別の司令官が判断するようなレベルの戦闘行為の休止は求めるが、「戦争」そのものの「休戦」「停戦」はあくまでも求めないという姿勢だ。これは結局、イスラエルの行動を「自衛権の発動」として容認するアメリカの態度に追随したものだ。アメリカの顔色をうかがう情けない態度だ。

 現在のガザ地区における人道的危機はきわめて深刻なものだ。わが党は、日本政府に対して、危機的現実を直視し、イスラエルの国際法違反の蛮行の中止を求めること、即時停戦、休戦を強く働きかける外交努力を行うこと、この二つの点を強く求めたい。

 一、今、この問題では、全世界でイスラエルの蛮行に対する抗議の声が起こっている。私たちは、「即時停戦」、「ガザへの攻撃を中止せよ」、「子どもたちを殺すな」の一点で、世界の民衆と連帯し、たたかいを日本でも起こしていきたい。すでにさまざまな形で始まっているが、そうしたたたかいを日本でも大きく発展させていく決意だ。