2023年10月26日(木)

反論も答弁もない首相

政権の行き詰まり痛感

衆院代表質問　志位委員長が会見

　日本共産党の志位和夫委員長は２５日、国会内で記者会見し、代表質問への岸田文雄首相の答弁について問われ「聞いた中心点をことごとく答えていない。答えられないというのが特徴だった」と述べました。

　志位氏は、イスラエル・ガザ紛争について、イスラエルの国際法違反を挙げ、地上侵攻の中止、即時停戦のための話し合いの促進の２点を質問したにもかかわらず、「地上侵攻の中止も停戦も一切言わない」として、「イスラエルの動きに対して、批判ができないことは、情けない態度であり、アメリカの外交政策への追随だと言わざるを得ない。根本からあらためる必要がある」と主張しました。

　また、志位氏は、「コストカット型経済」への転換を主張する岸田首相に対し、「コストカット型経済をつくった責任はどこにあるのか。自民党政治でないか」と指摘したのに答えがないとして、「だれがつくったのかの責任がはっきりしなければ抜け出そうにも抜け出せない」と語りました。

　さらに、志位氏は、最低賃金の抜本的引き上げ、非正規ワーカーの待遇改善、消費税減税、年金引き上げ、教育費負担の抜本的軽減のそれぞれの問題について、「岸田首相の認識を問いただしたにもかかわらずまったく質問に答えない」と指摘。「いつもの答弁を繰り返すのでは、まともな議論にならない」と批判しました。

　また、自衛隊「常設統合司令部」設置と「米インド太平洋軍司令部」との調整機能を強化するということは、米インド太平洋軍の指揮のもとに自衛隊が事実上組み込まれると聞いたのに、「論に即した反論もない」と指摘。排除の論理にたつ日米同盟と包摂の論理にたつＡОＩＰ（ＡＳＥＡＮインド太平洋構想）は根本的に矛盾するにもかかわらず、首相からは「『矛盾しない』という強弁だけが返ってくる」と述べました。

　また、沖縄では普天間基地返還が２７年間にわたって実際に動いていないという事実を示して、「著しく公益を害しているのは政府の側だ」と指摘したのに、「論理に即して反論もなければ、答弁もない」「あらゆる面で政権として行き詰まっているということを痛感した。引き続き追及していく」と強調しました。