2023年6月13日(火)
「日中提言」実るように力つくす
外国特派員協会 志位委員長が講演
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日本共産党の志位和夫委員長は12日、東京都内の日本外国特派員協会で日中関係をテーマに講演し、党の「提言」―「日中両国関係の前向きの打開のために」の意義や特徴を縦横に語り、「国内世論を高め、この『提言』の方向が実るように力をつくしたい」と述べました。
志位氏は、3月30日に「提言」を発表し、同日に岸田文雄首相と、5月4日に中国の呉江浩大使と会談し、「提言」の内容を申し入れたと紹介。「提言」では、両国政府の間に存在する三つの「共通の土台」(1)2008年の日中首脳会談の「共同声明」の「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」との合意(2)14年の尖閣諸島等東シナ海の緊張を「対話と協議」で解決するとの日中合意(3)東南アジア諸国連合(ASEAN)が提唱する「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)に対して、日中両国政府が賛意を示していること―に着目し、それらを生かして外交努力を図ることを提起したと語りました。
志位氏は、「提言」の内容は一党一派のものでなく、超党派の合意になりうる内容だと強調。自身が役員を務める日中友好議員連盟の中でも、「提言」に対し、党派を超えて賛同の声が寄せられていることを紹介しました。
また、沖縄県議会が3月30日に採択した意見書では南西地域へのミサイル配備に反対するとともに、「外交と対話による平和の構築」「日中両国において確認された諸原則を遵守(じゅんしゅ)し、両国間の友好関係を発展させ、平和的に問題を解決」するよう求めていると指摘。「提言」と沖縄県の意見書が同じ方向をめざしていることは「心強いことだ」と述べ、「『提言』の方向が国民多数の声となるよう力をつくしたい。同時に中国との対話も続け、『提言』の方向が実るよう、可能な外交的努力も続けたい」と表明しました。
質疑で日中首脳会談の必要性を問われた志位氏は、「日中の首脳が頻繁に会って深く率直な意見交換をするのは当然必要だ」と主張。「そのさいに、日本の首相は米国に拘束されないで自分の言葉で向き合う必要がある。そのうえでも日本共産党の『提言』を生かしてほしい」と語りました。
日本に北大西洋条約機構(NATO)連絡事務所を開設することについて問われ、「日本共産党は反対だ。この動きは日米安保条約―日米軍事同盟とNATOという軍事ブロックを結び付ける動きだ」と批判。日中の対立要因の一つとして、米国の対中国軍事包囲網の動きに日本が従属・拘束されていることがあると指摘し、「この道を進めば、世界と地域の軍事的対立と分断がより深刻になる。主要7カ国(G7)の中でも、米国の対中政策に完全につき従っているという点で、日本はきわだっている。この姿勢を見直すことが大切だ」と述べました。
日中関係をめぐり米国と日本共産党との関係、米国との対話を重視するかとの質問も出されました。志位氏は、「いまは日中関係を前に動かすことが焦点だが、米国ともこのテーマで話し合いをやってみたい。AOIPを重視することは米国も表明している。そうした接点を大事にしたい」と語りました。