志位和夫 日本共産党

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国会質問

2023年2月2日(木)

衆院予算委 志位委員長の基本的質疑


 1月31日に行われた衆院予算委基本的質疑での日本共産党の志位和夫委員長の質問と岸田文雄首相の答弁の全文は次の通りです。


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(写真)質問する志位和夫委員長=1月31日、衆院予算委

憲法と「専守防衛」を覆す

 志位委員長 私は、日本共産党を代表して岸田総理に質問いたします。

 総理が、昨年12月に閣議決定した「安全保障3文書」は、「専守防衛」という戦後の歴代政権が掲げてきた安全保障政策を根底から覆す極めて重大な内容となっています。その最大の新たな踏み込みは、「反撃能力」の名で敵基地攻撃能力を保有し、そのために5年間で43兆円という空前の大軍拡に踏み出すことにあります。そこで今日はこの問題にしぼって聞きます。

志位 「他国に攻撃的脅威を与える兵器の保有は憲法の趣旨ではない」(1959年・伊能防衛庁長官答弁)という憲法解釈を変更したのか

首相 (質問に答えず)安全保障環境が変化した

 志位 まずただしたいのは、敵基地攻撃能力保有が日本国憲法にてらして許されるのかという根本問題であります。

 政府は、敵基地攻撃能力保有と日本国憲法との関係について、さまざまな議論を経て、1959年3月19日の伊能繁次郎防衛庁長官の答弁で、次のような見解を確立しています。パネルをご覧ください(パネル1)。読み上げます。

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 「誘導弾などによる攻撃を受けて……攻撃を防御するのに他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくということは、法理的には自衛の範囲に含まれており、また可能である……

 しかしこのような事態は今日においては現実の問題として起こりがたいのでありまして、こういう仮定の事態を想定して、その危険があるからといって平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない。かようにこの二つの観念は別個の問題で、決して矛盾するものではない」

 私は、本会議の質問で、この答弁を引用して、総理に、「敵基地攻撃は『法理的には可能』だが、その能力を保有することは憲法違反という憲法解釈を変更したのですか」とただしました。パネルにありますように、伊能答弁は、敵基地攻撃能力の保有は「憲法の趣旨とするところではない」、すなわち憲法の趣旨に反する=憲法違反であると明瞭に述べています。私は、この憲法解釈を変更したかどうかを総理に聞いたんですが、総理からは全く答弁がありませんでした。総理、変更したか否か。端的にお答えいただきたい。

 岸田文雄首相 まず結論から申し上げますと変更しておりません。なぜならば、この1956年の政府見解で当時は敵基地攻撃能力という言葉を使っておりましたが、これについて政府の考え方を述べています。誘導弾などによる攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限の措置をとること、そして、他に手段がないと認められる限り、法理的に自衛の範囲に含まれ、可能と述べており、そうである以上そのための必要最小限の能力を保持することも法理上許されるとされています。

 その上で、ご指摘の1959年の伊能防衛庁長官の答弁ですが、その答弁を改めて見ますと、要は、この伊能防衛庁長官の答弁は1956年の政府見解を前提した上で、その現状において、先ほど申し上げました要件にあるような、「他に手段がないと認められる限り」という要件に比して、「現状そういったことはあり得ない」「他に手段があるんだ」と。そこでこういった能力を保持してしまっては、それは「憲法の範囲を超える」――こういった答弁であると認識をしています。

 しかしその後、安全保障環境はもう大きく変化をしています。東アジアにおける状況を見ましても、質量ともにミサイル戦力が著しく増強する中で既存のミサイル防衛網だけでは完全に対応することが難しくなっている。米軍の打撃力に完全に依存するのではなく、自ら守る努力が不可欠になっている。こういったことで、伊能長官の答弁当時、「他にさまざまな手段がある」と認識していた状況から大きく変化をし、こうした反撃能力がわが国の国民の命を守るために、「他に手段のない」そして「必要最小限の措置」――こういったものに当たるという憲法解釈を政府としてはとるわけであります。よって憲法解釈、基本的な1956年の見解は維持しておりますし、憲法解釈そのものを変えたというものではないと理解をしております。

志位 政府は「日米安保条約があるから『他に全然手段がない』という事態は起こり得ない、だから敵基地攻撃能力を持つことは憲法違反」と言ってきた。伊能長官の答弁と「安保3文書」はどう整合するのか

首相 わが国自身もさらなる努力が必要なのではないか

志位 整合性の説明にならない

 志位 私の設問に答えておりません。私は、敵基地攻撃能力の保有は憲法違反とした伊能答弁の憲法解釈を変えたのかと聞いたんです。

 総理は、これまでの政府答弁で、「敵基地を攻撃するための必要最小限度の能力を保持することも法理上は許される」と繰り返し述べてきたとおっしゃいました。しかしそれには、「他に手段がない場合に」というただし書きがついています。「他の手段がある場合には敵基地攻撃能力の保有は憲法上できない」というのが政府答弁だった。その状況が変わったとおっしゃる。

 しかしその後、例えば、1999年8月3日の野呂田(芳成)防衛庁長官の答弁では、59年の伊能防衛庁長官の答弁について、「国連の援助もなく、日米安保条約もないというような、他に全く援助の手段がないような場合における憲法上の解釈の設例の話」だとこう述べている。そして次のように述べています。伊能長官の答弁は、「他に全く援助を受ける手だてがないような事態は現実の問題としては起こりがたいことから、他に全然手段がないという仮定の事態を想定して平素からわが国が他国に攻撃的な脅威を与えるような兵器を保有することは適当ではないと述べたものでありまして、その意味では、この答弁は現在でも当てはまる」。伊能長官の答弁を再確認しているわけです。

 わが党は、軍事に対して軍事で対抗するのではなく、外交の力で戦争させないという立場ですが、とにもかくにも政府は、日米安保条約があるから「他に全然手段がない」という事態は起こり得ない、だから平生から敵基地攻撃能力を保有することは(日本の自衛のために保有できる能力の)必要最小限度を超えてしまう、憲法違反だと、ずっと言ってきたじゃないですか。総理、敵基地攻撃能力保有は憲法違反とした伊能長官の答弁と「安保3文書」がどう整合するのか、きっちり説明していただきたい。

 首相 ご指摘の1959年の伊能長官の答弁、そしてご指摘の1999年の野呂田長官の答弁、おっしゃるように、他に安保条約があるからこうした能力は必要ないのではないか、こういった考え方に立っています。しかしその後、安全保障環境はさらに大きく変化し、そして複雑なものになっています。今、わが国のミサイル防衛システムだけでは国民の命を本当に守れるのかといった問題意識が出てきています。日米同盟、もちろん今も存在いたしますが、日米同盟だけで完全に抑止できるのか。やはりわが国自身もさらなる努力が必要なのではないか。こうした状況の変化の中で、この「必要最低限」「他に手段がない」といった条件を当てはめた場合に、わが国として反撃能力についてもしっかり考えて用意することが必要ではないか。こういったことになっています。

 これが憲法との関係でいうならば、「他に手段がない」そして「必要最小限」といった要件に当たるということで、1956年の政府見解に、今の現状を当てはめても憲法上違反には当たらないと考えております。

 志位 私は(伊能長官の憲法違反という答弁と「安保3文書」が)どう整合するのかと聞いたわけです。それに対するお答えになってない。それで状況が変わったとおっしゃる。しかし、野呂田答弁でも、「現実の誘導弾等による攻撃の可能性に関連しての答弁ではない」――あくまでも「他に手段がある」「日米安保条約という手段」がある、それに基づいた答弁だというふうに言っています。ですから、整合性の説明になっていない。

志位 田中首相は、「防衛上の必要からも相手の基地を攻撃」しないことが「専守防衛」だと明言している(1972年)。「専守防衛」と敵基地攻撃は両立しないことは、この答弁でも明らかではないか

首相 田中答弁は、海外派兵を禁止したもの

志位 まったく説明になっていない

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 志位 さらに聞いていきたいと思います。

 「安保3文書」は「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならない」との「基本方針は今も変わらない」と述べています。そこで、敵基地攻撃能力保有が「専守防衛」と両立し得るかについて聞きます。

 政府は、専守防衛をどう説明してきたか。この用語は、1970年代から使われ始めましたが、1972年10月31日、田中角栄首相は、次のように「専守防衛」を定義しております。パネルをご覧ください(パネル2)。

 「専守防衛ないし専守防御というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく、もっぱらわが国土及びその周辺において防御を行うということでございまして、これはわが国防衛の基本的な方針で(ある)」。

 総理にうかがいます。非常に明瞭です。田中首相は「防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく」――これが「専守防衛」だと明言しています。「専守防衛」と敵基地攻撃は両立しないことは、この答弁でも明らかじゃないですか。

 首相 まず一言、先ほどの反撃能力については、現状の変化の中で、憲法の要件、武力行使の3要件も満たし、そして1956年の政府見解にも一致する。よって憲法の解釈を変えていないということは、もう一度確認をしておきたいと思います。

 その上で、まず田中総理の発言がありました。ご指摘の田中総理の答弁は、わが国の防衛の基本的な方針として、こうした「専守防衛」の趣旨を説明するとともに、あわせて「相手の基地を攻撃することなく」と述べている通り、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣する、いわゆる海外派兵は一般的に憲法上許されない――こうしたことを述べたものであると認識をしております。

 その上で、「専守防衛」ということについては、反撃能力は武力行使の3要件に基づき、そのような攻撃を防ぐためにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として行使するものであり、憲法、国際法、国内法の範囲内で行うものであり、「専守防衛」の考え方、これは堅持をいたします。「専守防衛」を投げ捨てるようなものではないと認識をしております。

 志位 これも全く答弁になっていません。田中首相の答弁は、「防衛上の必要からも相手の基地を攻撃すること」がないというのが「専守防衛」だと定義しています。あなた方が今やろうとしているのは、敵基地攻撃能力を保有するけれども「専守防衛」だと言い張ってるわけです。これは明らかに矛盾するんじゃないかと聞いています。非常にシンプルな話です。「防衛上の必要からも相手の基地を攻撃すること」はない――これでどうして敵基地攻撃ができるんですか。

 首相 先ほど申し上げましたが、田中角栄総理のこの答弁は、この武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土・領海・領空へ派遣する、いわゆる海外派兵は一般に憲法上許されない、こうしたことを述べたものであると、政府としては、そういった認識を再三これまでも示させていただいております。その上で、反撃能力については、憲法、国際法、国内法の範囲内で行うものであり、そして専守防衛の範囲を超えているものではない。こうした説明をさせていただいていると申し上げているしだいであります。

 志位 要するにこの(田中)答弁が、「専守防衛」は敵基地攻撃能力を否定してないというんですが、否定してるじゃないですか。ですから、これは全く説明になってないんです。あなたの説明は。

敵基地攻撃能力の恐るべき実態

志位 長射程ミサイルを大量導入・開発し、搭載する戦闘機、護衛艦、潜水 艦を大増強――なぜ「他国に脅威を与えることはない」と言えるのか

首相 (質問に答えず)まずは外交で国際社会にしっかり説明する

志位 答えになっていない。外交の姿は全く見えない

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 志位 さらに聞きます。

 「安保3文書」でやろうとしていることは具体的にどういうことか。

 「GDP比2%以上」の軍事費となれば、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の軍事費大国になります。

 敵基地攻撃のためにどんな兵器を持とうとしているのか(パネル3)。パネルをご覧ください。これは「安保3文書」で導入するとしている主なスタンド・オフ・ミサイル――相手国の脅威圏の外から発射する長射程ミサイルです。

 「12式地対艦誘導弾能力向上型」――これは、従来のものの射程を大幅に長くするものです。「高速滑空弾(能力向上型)」は、極超音速で飛行する長射程の滑空弾です。「極超音速誘導弾」は、音速の5倍以上の極超音速で飛行することにより、迎撃を困難にするミサイルです。米国製トマホークは、アフガニスタン戦争、イラク戦争などで先制攻撃に使われた長射程の巡航ミサイルです。

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(写真)日本共産党の志位和夫委員長の追及を受け、職員に説明を求める岸田文雄首相=1月31日、衆院予算委

 これらの長射程のミサイルを大量に導入、開発し、それを搭載する戦闘機、護衛艦、潜水艦を大増強する。これが、政府が今持とうとしている敵基地攻撃能力であります。

 総理、こうした攻撃能力を保有しても、「他国に脅威を与えることはない」と、どうして言えるか。私は、代表質問でそういうシンプルな問いを聞いたんですが、答弁がありません。端的に説明していただきたい。なぜ「他国に脅威を与えることはない」と言えるのか。どうでしょうか。

 首相 先ほどの田中角栄総理の答弁については、いわゆる海外派兵は一般に憲法上許されないということを述べたものであると申し上げましたが、この考え方は今も変わっておりません。海外派兵は今も憲法違反であるという認識に立っている。

 認識は変わらないということをまず申し上げた上で、他国に脅威にどうしてならないのかということでありますが、まずこの防衛力のこの内容、規模については戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙(たいじ)していく中で、国民の命を守り抜けるか、この極めて現実的なシミュレーションを行った上で必要となる防衛力の内容を積み上げ、そして導き出したものであります。その結果として、ご指摘のような装備を、この今のこの厳しい現実の中で国民の命を守るための反撃能力として必要であるという結論に達したということです。

 そして海外からこれが脅威にならないと理解されるかというご指摘でありますが、だからこそ、この国家安全保障戦略をはじめとするこの防衛3文書の中に、まずは外交というものを掲げて、この地域のこの平和と安定に貢献するという考え方を書いておるわけであり、そしてこうした装備が何のために必要なのか、こうしたものをこの国際社会にしっかり説明することが大事であるというこの観点を重視しているわけであります。

 今、国際社会にこうしたわが国の取り組みについて今説明をし続けています。もちろん一部、こうした内容について、わが国の内容について反論している国があるというのは事実でありますが、ほとんどの国において、こうしたわが国の取り組みに対して批判的な声は上がっていないと認識をしております。ぜひ引き続きまして、この厳しい安全保障環境の中で、なぜ、わが国がこうした体制を国民の命を守るために必要としているのか、そしてわが国はどういったこの外交政策を進めようとしているのか。こういった点について説明努力を続けたいと思っています。

 志位 まずは外交とおっしゃいましたが、外交の姿が全く見えません。それから、丁寧な説明をするとおっしゃった。しかし私が聞いたのは、「他国に脅威を与えるようなことにならない」と、なぜかと聞いた。それに対する答えがありません。

志位 長射程ミサイルの射程距離は、何キロか

防衛相 お答えできない

志位 「説明する」というが一番大事なことは説明しない。射程距離を明らかにしないこと自体が脅威になっていく

 志位 一つ、具体的に聞きます。この四つの長射程ミサイルの射程距離、それぞれ何キロですか。通告してあります。総理どうぞ。

 根本匠予算委員長 防衛大臣。

 浜田靖一防衛相 誘導弾の射程距離は、これを明らかにすれば国の具体的な防衛能力を明らかにすることとなるため、安全保障上控えるべきであり、お答えできないことをご理解いただきたいと思います。

 志位 射程距離は明らかにしない。「説明する」って言うけど、一番大事なことは説明しない。射程距離を明らかにしないこと自体が、私は脅威になっていくと思います。

 報道では、「12式地対艦誘導弾能力向上型」の射程は1000キロ、「高速滑空弾(能力向上型)」の射程は2000キロ、「極超音速誘導弾」の射程は3000キロ。トマホークの射程は1600キロとされます。中国や北朝鮮の主要都市がすっぽり射程内に入ることになります。文字通り「他国に脅威」を与える兵器そのものじゃないですか。

志位 マッハ5を超える「極超音速兵器」――中国やロシアが持てば「脅威」で、日本が持つことは「脅威」でないと、どうして言えるか

首相 (質問に答えず)G7はじめとする諸国、国際社会は歓迎している

志位 首相の言う「国際社会」とはアメリカを中心とする社会ではないか。「脅威」に「脅威」で対抗したら軍事対軍事の悪循環に陥る

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 志位 具体的に聞いていきます。

 パネルご覧ください(パネル4)。これは防衛装備庁が作成したもので、敵基地攻撃能力を獲得した後の「将来像」が描かれております。

 ここで非常に重要な位置づけを与えられているのが、「極超音速誘導弾」です。音速の5倍以上で飛行し、飛行コースを機動的に変えることができ、空母の飛行甲板等を撃破可能な貫徹弾頭、地上目標を面的制圧可能な高密度弾頭を持つと書かれています。

 「極超音速兵器」とはどんなものか。ここに持ってまいりましたが、海上自衛隊幹部学校のウェブサイトに掲載された戦略研究室3等海佐の米田光一氏の一文では、「極超音速兵器」について次のように述べております。

 「極超音速兵器とは、飛行速度が概(おおむ)ねマッハ5を超える飛翔(ひしょう)体で、飛翔中に一定の機動(飛行コースの変化)が可能なものを指す」「極超音速兵器の特徴は、『弾道ミサイルに比べて飛翔高度が低い』、『飛翔体が一定の機動性を有する』及び『巡航ミサイルに比べて高速』、である。これらの特徴が重なることにより、探知の遅れ、飛翔経路予測の困難性、迎撃時間の短縮、という3重の困難を防御側に強いる。……極超音速兵器は、従来の弾道ミサイルや巡航ミサイルに比して突破力に優れた兵器である」

 そして、こう結んでおります。中国やロシアが「極超音速兵器」の開発を進めていることについて、「極超音速兵器の脅威に対し、各国がどのように対応していくのかが注目される」と。「極超音速兵器の脅威」ということを述べているわけであります。

 「極超音速兵器」とは今、軍事の専門家が述べたように、マッハ5を超える超高速で飛行し、飛行コースを機動的に変えることができ、弾道ミサイルや巡航ミサイルと比較しても「突破力」に優れ、そして日本にとっての「脅威」だと言っている。総理、中国やロシアがこの兵器を持つことは「脅威」で、日本が持つことは「脅威」ではない。どうして言えるんですか。

 首相 わが国の今回の防衛力強化について、たしかに北朝鮮をはじめいくつかの国はこの否定的なコメントを発している。これは事実ではありますが、一方で、今月、私が訪問した欧州、北米そしてG7をはじめとする諸国は、この歓迎をしておりますし、多くの国々も否定的なことをこの発しているということは承知しておりません。

 そして、こうした能力についてご説明がありましたが、これは大切なのは、こうした兵器をどう運用するかということであります。わが国は基本的な運用の仕方として、憲法、あるいは国際法、そしてわが国の国内法、これに準じて、専守防衛、これはしっかり守っていく。非核三原則は維持する。こうした考え方を再三繰り返し、繰り返し国際社会に対して説明をし続けてきました。こうした原則のもとに、わが国がこうした兵器を、運用するんだということ、これに対する信頼感を本当に得られるかどうか、これが大事であり、結果として、先ほど申し上げたように、多くの国際社会は今回のわが国の取り組みに否定的なコメントを発している国は少ないという状況にあるということ、これが重要であると認識をしております。

 志位 あなたのいう「国際社会」というのは、結局、G7、アメリカを中心とする世界じゃないですか。そういう世界が、軍事ブロックのもとにある世界が、応援しているというだけのことじゃないですか。

 私が聞いたのは、これが「脅威」にならないとどうして言えるのかと聞いたわけですけども答えがない。

 私は、「脅威」に対して「脅威」で対抗したら、それこそ軍事対軍事の悪循環が起こる。そんなことをやりだしたら、結局、核兵器を持たなきゃならなくなる。その道をとらない。日本は「盾」に徹する。これが「専守防衛」じゃないんですか。

「抑止力」とは恐怖であり威嚇

志位 敵基地攻撃能力が「抑止力」になるというが、「抑止力」とは恐怖であり、威嚇ではないか

首相 脅威にならないことを丁寧に説明する

志位 「抑止」の本質が相手に脅威を与えることにあることは軍事の常識だ。相手国に脅威を与える敵基地攻撃能力保有を進めながら、「他国に脅威を与えない」とは、根本的に論理が矛盾している

 志位 もう1問聞きたいと思います。総理、私の代表質問に対して、「反撃能力は相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力になる」とおっしゃいましたね。それでは敵基地攻撃能力がなぜ抑止力になるのか。それは、“もし日本を攻撃したら、手痛い反撃を受け、耐え難い損害を被ることになるぞ”と相手を威嚇し、恐怖を与えることによって、攻撃を思いとどまらせるということではないんですか。「抑止力」とは、恐怖であり威嚇じゃないですか。どうですか。

 首相 わが国の今回の対応に対して理解を示している国は、G7諸国だけではありません。アジアをはじめ、多くの国々がこうした厳しい安全保障環境の中で、わが国が対応しようとしている努力に対して理解をし、評価している。こうした声を上げているということは、事実であります。

 そうした中で、抑止力、対処力を強化するということは、おっしゃるように、このわが国に対して、不当な武力攻撃をする国々に対する行動を抑止、対処するという意味で重要であると思っておりますし、わが国が国際社会において、この平和や安定に貢献するための外交力の裏付けとしても、こうしたものは重要であると認識をしています。こうした取り組みは決して他国に対する脅威にはならないということ。これからも、丁寧に説明を続けていきたいと思っています。

 志位 脅威を与えることによって抑えるというのが、「抑止力」の基本であります。

 ここに私、持ってまいりましたけれども、防衛大学校のグローバルセキュリティセンターが出しているものでありますけれども、『日本の防衛政策と抑止』(と題して)、岩田修一郎さんという防衛大学校の教授の方が、かなり突っ込んだ考察を書いております。この論考は、結びでこう述べているんです。

 「抑止の要件の一つは、敵対国に対する威嚇であり、日本の専守防衛の考え方と相いれない面がある。抑止の本質は昔も今も恐怖である」

 これは私は、軍事の常識だと思いますよ。「抑止」の本質は、まさに、威嚇と恐怖、相手に脅威を与えることにある。

 私は、「抑止力」を強めるということで、相手国に脅威を与えるような敵基地攻撃能力の保有を進めながら、「他国に脅威を与えるような軍事大国にならない」という。これは根本的に論理が矛盾していると思います。

志位 「専守防衛」を投げ捨てることは、軍事対軍事の悪循環をつくり出し、地域の緊張と対立を激化させる。絶対に許されない

 志位 「安保3文書」が「専守防衛に徹し」と言いながら、「専守防衛」を完全に投げ捨てるものであることは、私は明らかだと思います。

 日本弁護士連合会の意見書では、「専守防衛」について、「近隣諸国に対する『攻め込まれない』という『安心の供与』となって、平和的外交関係の形成・維持に大きく寄与してきた」と評価しています。そして、敵基地攻撃能力保有について、「近隣諸国に脅威と不信を呼び起こし、限りない軍拡競争に陥ることになりかねない」と警鐘を鳴らしています。

 私は、その通りだと思うんですよ。「専守防衛」を投げ捨てることは、軍事対軍事の悪循環をつくり出し、地域の緊張と対立を激化させる有害極まりないものだということを強く述べ、絶対に許されないということを表明したいと思います。

日米が「融合」して先制攻撃の危険

志位 日米合意では、敵基地攻撃能力は「米国との緊密な連携の下」で「効果的に運用」されるものであり、その取り組みの一つが「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)と言っている

首相 「統合防空ミサイル防衛」は、アメリカと日本は全く別物であり、自衛隊は独立の指揮系統で動く

志位 日米共同声明で「協力を強化する」と 言っている。単独でやるわけではない

 志位 さらに進みます。

 重大なことは、「反撃能力」の名での敵基地攻撃能力が、米軍と自衛隊が融合するように一体化するもとで、行使されるということです。

 総理に確認したい。1月13日に出された日米共同声明では、「日本の反撃能力及びその他の能力の開発および効果的な運用について協力を強化する」ことを確認しています。

 それに先立つ11日の日米安全保障協議委員会――「2プラス2」共同発表では、「米国との緊密な連携の下での日本の反撃能力の効果的な運用に向けて、日米間の協力を深化させることを決定した」とあります。そして、「日米同盟の抑止力・対処力」の強化の冒頭に、「統合防空ミサイル防衛」――IAMDをあげています。

 総理、これは確認です。政府が今保有しようとしている「反撃能力」――敵基地攻撃能力は、「米国との緊密な連携の下」で「効果的に運用」されるものであり、その取り組みの一つとして、「統合防空ミサイル防衛」――IAMDがあることは間違いないですね。これは確認です。

 首相 まず、わが国の防衛力の強化は、他国に恐怖や脅威を与えるために、強化しているわけではありません。これはわが国に対する不当な武力攻撃に対して、対処力、そして抑止力を高めるために、強化していくということは、もう今一度確認しておきたいと思います。

 その上で、ご質問の統合防空ミサイル防衛能力ですが、これはわが国の国家防衛戦略において、統合防空ミサイル防衛能力、これを強化し、わが国に対するミサイル攻撃については、ミサイル防衛システムを用いて迎撃しつつ、反撃能力を持つことにより、ミサイル防衛と相まって、ミサイル攻撃そのものを抑止していくこととしている。

 こうしたことですが、その際におっしゃるように、日米の連携は重要であります。しかし、アメリカの統合防空ミサイル防衛とわが国の統合防空ミサイル防衛、これは全く別物であり、自衛隊、米軍はですね、おのおの独立した指揮系統に立って行動するわけです。わが国としてはあくまでも、自衛隊、憲法、国際法、国内法に従って行動していく。こうしたことであります。こうした日米の連携、もちろん大事ではありますが、それぞれ独立した指揮系統に従って行動するということは、わが国として今一度確認しておりますし、これからも変わっていかないと思っています。

 志位 「抑止力」について、またおっしゃったけども、「抑止」の本質は、恐怖と威嚇だというのは、これは軍事の常識です。それがなければ「抑止」にならない。これを私は言いました。

 今ご答弁がありました、IAMD(「統合防空ミサイル防衛」)について、これが重要な柱だということをお認めになった。しかし、日本は独自にやるんだということもおっしゃった。しかし、あなたは、日米共同声明の中で「効果的な運用について協力を強化する」、こう言っているわけですから、単独でやるわけじゃないでしょう。ですから、この問題を突っ込んで聞いていきたいと思うんです。

志位 米国の「統合防空ミサイル防衛」に自衛隊が参加することがことの本質。米軍の基本原則では公然と先制攻撃を宣言している

首相 アメリカとて国際法違反を堂々とやることはあり得ない

志位 アメリカは数限りなく国連憲章違反の先制攻撃をやってきた。日本政府は一度も「ノー」と言ったことがない

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 志位 もともと「統合防空ミサイル防衛」は、アメリカが2013年ごろから同盟国と一体に、地球的規模で構築しているシステムですが、敵基地攻撃能力を持つことによって、ついに自衛隊がこのシステムに参加するというのが、今起こっていることの本質だと思います。

 では、アメリカは「統合防空ミサイル防衛」をどのように説明しているのか。ここに私、持ってまいりましたが、2017年4月、(米)統合参謀本部が作成した『対航空・ミサイル脅威』と題する文書であります。この文書では、「統合防空ミサイル防衛」の基本原則を詳しく明らかにしております。

 パネルご覧ください(パネル5)。この文書では、米国と同盟国の、このシステムの一体的な運用の重要性を繰り返し、繰り返し強調したうえで、米軍の「統合防空ミサイル防衛」では「ミサイル防衛」とともに、「相手国の領域」において攻撃作戦を行う「攻勢対航空作戦」――オフェンシブ・カウターエアが重要な構成部分となっていることを述べ、そして、米軍の基本原則として二つの点を明記しております。

 まず第一は、「攻勢対航空作戦」の攻撃目標です。米軍の基本原則では、「ミサイルサイト、飛行場、指揮統制機能、インフラストラクチャー」と明示しています。つまりミサイル基地、軍用飛行場だけでなく、指揮統制機能、さらには軍事基地を支えるインフラストラクチャー――鉄道、道路、港湾、空港などが攻撃対象になることを明示しております。

 第二は、「攻勢対航空作戦」は、「敵の飛行機やミサイルを離陸・発射の前と後の双方において破壊、または無力化する」。「前」と言うことが出てきます。「攻勢対航空作戦は、先制的にも対処的にもなる」。「先制的」という言葉が出てきます。つまり、公然と先制攻撃を行うことを宣言しているのが、このドクトリンであります。

 総理にうかがいます。自衛隊と米軍が協力して進める「統合防空ミサイル防衛」――一体ではないというけど、協力してやることは認めました――米軍がこういう原則を持っているということをご存じですか。

 首相 まず、最後の質問にお答えすると、米国のIAMDにご指摘のような方針を示しているということは承知しておりますが、先制攻撃は国際法違反であります。アメリカとて、国際法違反を堂々とやることはあり得ません。これは、国際法の範囲内で対応するものであると認識をしております。

 なおかつやっぱり、基本的に申し上げたいのは、わが国はこのIAMDに参加する、統合される、そんなことは全くありません。わが国のこの統合防空ミサイル防衛と米国のIAMDは全く別物であり、わが国として、わが国の国民の命を守るために必要とするこの統合防空ミサイル防衛をしっかりと準備しようと。その際に日米同盟に基づいて協力を得ることはある。しかしながら、このわが国の目的は、あくまでもわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、わが国はこの武力を行使するわけです。その範囲を超えて、わが国が行動することはないということも、丁寧に世界にしっかり説明をしていく必要があると思っています。

 志位 アメリカは国際法に違反するようなことはしないとおっしゃった。しかし、戦後、アメリカは、数限りなく、国連憲章に違反した先制攻撃の戦争をやっていますよ。1980年代には、グレナダ侵略、リビア爆撃、パナマ侵略、これらについて、国連総会で「国連憲章違反」と非難決議があがっている。そして、日本政府は1回もアメリカの武力行使に「ノー」と言ったことがない。そのだらしのない政府が、「アメリカは先制攻撃をやらない」と言っても、誰も信用するものではありません。

 そして、日米は別々にやるんだとおっしゃいますが、先ほど言ったように、あなたも確認したように、「日米で協力して開発し運用する」と合意を結んでいるじゃないですか。別々ってことはないんです。

志位 米国と同盟国が「シームレス――切れ目のない融合」をはかるというのが米軍の方針だ。自衛隊だけは独立した指揮系統などあり得ない。米国が先制攻撃の戦争に乗り出した時に、自衛隊も一緒に戦争することになる

首相 わが国独自の「統合防空ミサイル防衛」に日米同盟に基づいて協力を得る

志位 あなたがどう信じようと米軍は(融合運用という)方針を持っている

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 志位 「自衛隊は独立指揮系統に従って行動する」とおっしゃいますが、「統合防空ミサイル防衛」で自衛隊が独立した指揮系統に従って行動することがありうるか。

 これは米空軍が発行している『航空宇宙作戦レビュー』(ASOR)という機関誌です。2022年の夏号です。米インド太平洋軍が進めている「IAMD構想2028」についての解説が載っております。公式の解説です。パネルをご覧ください(パネル6)。その要点を書き抜きました。

 第一に、インド太平洋軍の広大な管轄で「統合防空ミサイル防衛能力」を高めることは、米国単独では不可能であり、同盟国や友好国が絶対に重要だと書かれています。

 第二に、同盟国との協力のあり方は、「サイド・バイ・サイド――隣に並んでの統合」でなく、「シームレス――切れ目のない融合」が必要だと強調されています。「融合」――合金を意味する「アマルガム」という言葉も使っています。

 これはどういうことか。これまでの米国と同盟国との協力は、「サイド・バイ・サイド――隣に並んでの統合」だった。例えば、ノルマンディー上陸作戦では、それぞれの同盟国が、それぞれに上陸する海岸を受け持った。イラク戦争、アフガニスタン戦争の際にも、多国籍軍は各国の責任地域に分かれてたたかった。

 しかし、「統合防空ミサイル防衛」とはそういうものじゃないと書いてある。ここでは、米国と同盟国とは、「シームレス――切れ目のない融合」をしていくことが必要だ。「すべてのプレーヤー・コーチが、同じプレーブックを持ち、一緒に訓練し、一緒に作戦を実行し、敵からは一つのチームとして見られる」――そうした「シームレス――切れ目のない融合」こそが求められる。そのように米軍は強調しているんですよ。

 これが、米軍の「統合防空ミサイル防衛」の方針なんです。総理、あなたがいくら自衛隊は独自にやると言ったって、「シームレスな融合」が必要だと、これが米軍の方針なんです。自衛隊だけは、独立した指揮系統に従って行動するなんてことはあり得ない。あり得ない。どんな方針を持ったって、「シームレスな融合」と言っているんですからね。

 アメリカが、この方針に基づいて、先制攻撃の戦争に乗り出した時に、自衛隊も一緒に戦争することになる。つまり、憲法違反であるだけでなく、国連憲章と国際法に違反する無法な戦争に乗り出すことになる。どうですか。いかがですか。

 首相 文書は、さまざまな文書があり、さまざまな表現が行われているかとは思いますが、わが国は、再三申し上げているように、わが国のこの憲法と国際法と国内法に従って、専守防衛、非核三原則、この従来の、この原則をしっかり守りながら、こうした拡充される、その最新のこの、さまざまな装備を運用していく、こうした姿勢が国際社会から信用されるんだと思っています。

 アメリカのIAMDに参加する、こんなことはあり…ありえません。わが国独自のこの統合防空ミサイル防衛、これに日米同盟に基づいて協力を得る、これは当然、抑止力、対処力を向上させるために重要であると思っています。

 しかし、いずれにせよ、その中で行動するわが国の対応、これはわが国の存立が脅かされて、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に限られている、この武力行使の3要件、これをしっかり守って対応するんだということ、これをしっかりと、この繰り返し確認をし、国民の…あっ、国際社会に理解をしてもらうことこそ、わが国の信頼につながると信じております。

 志位 あなたがどう信じようと、米軍はこういう方針を持っている。だから自衛隊が単独で行動することはできないんです。

結果は、相手国の報復攻撃による国土の焦土化

志位 南西地域への敵基地攻撃兵器配備の動きのもと、沖縄では甚大な犠牲をこうむるとの強い批判の声があがっている

首相 南西地域の体制強化は、柱の一つだ

志位 「沖縄戦」では県民の4人に1人が亡くなった。歴史の教訓を踏まえよ

 志位 そして、それがもたらす結果は何か。報復攻撃による日本の国土の焦土化です。

 総理は、敵基地攻撃兵器の配備先を明らかにしておりませんが、「南西地域の防衛体制を強化する」ことを強調しておられます。

 大軍拡の最前線に立たされようとしている沖縄では、万一有事となったら甚大な犠牲をこうむるとして強い批判の声が上がっている。

 石垣市議会では、昨年12月に採択された意見書で、「ここにきて突然、市民への説明がないまま、他国の領土を直接攻撃するミサイル配備の動きに、市民の間で動揺が広がっており、今まで以上の緊張感を作りだし危機を呼び込むのではないかと心配の声は尽きない。石垣市議会は、『平和発信の島』、『平和を希求する島』との決意のもと議会活動しており、自ら戦争状態を引き起こすような反撃能力をもつ長射程ミサイルを石垣島に配備することを到底容認することはできない」

 総理、この声にどう答えますか。そういう心配をたくさんの方が持っているんです。どうですか。

 首相 あのー、わが国の防衛力の強化、存立危機事態をはじめとするさまざまなこの対応については、これはあくまでも武力行使の3要件をはじめ、わが国の原則に従って、わが国の原則に従って、この行使するものであり、このわが国の防衛のために行うものであり、そして国民の保護にもつながるものであると思っています。

 そして、さまざまな意見があること、これは丁寧におうかがいしていかなければならないと思いますが、このわが国のこの基本的な考え方、そして装備の運用のあり方、そして国際社会の理解を得る努力、こうしたものもしっかり示しながら、国民の理解をより深めていくことは重要だと思っています。

 そして、南西地域の防衛体制を強化すること、これは今回の防衛力強化の柱の一つであると思っています。

 こうした、あの、この考え方について、丁寧に沖縄県をはじめ地域のみなさま方にも説明を続けていきたいと考えています。

 志位 沖縄県民というのは、「沖縄戦」で4人に1人が亡くなったんです。その歴史の教訓を踏まえて言っている。

 そして、「日本を守るため」というけど、日本に対する武力攻撃がなくても、集団的自衛権の行使としても敵基地攻撃がやれるとあなた方が言っている。このような動きには私たちは断固反対です。

平和を望むならば平和の準備を

 志位 そして、私は、「戦争の準備をすれば、戦争になる確率が大きい。もし平和を望むならば、戦争を準備せよではない。平和を望むならば、平和を準備した方がいい」――この評論家の加藤周一さんの言葉を訴えて、終わりたいと思います。