志位和夫 日本共産党

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談話・記者会見

2022年10月21日(金)

「安保3文書」外交戦略なき軍事熱中こそ一番危険

志位委員長が批判


 日本共産党の志位和夫委員長は20日、国会内で記者会見し、自民党と公明党が「安保3文書」に関する実務者協議を開始したことについて問われ、「ロシアの蛮行、北朝鮮の弾道ミサイル発射などを受け、軍事費2倍化、『敵基地攻撃能力』(反撃能力)の保有、『9条を変えろ』という大合唱が続いているが、軍事に対し軍事で対応するのでは悪循環に陥る。それが一番危険だ」と批判しました。その上で「いま日本に欠けているのは外交戦略だ。私たちは、9条を生かして東アジアに平和をつくる外交ビジョンを提唱してきた」と語りました。

 志位氏は、東南アジア諸国連合(ASEAN)が提唱している「アセアン・インド太平洋構想」について、日本やアメリカ、中国を含め東アジアのすべての国が参加し、あらゆる問題を平和的な話し合いで解決することをめざすものだと述べ、「ASEANと協力してこの道こそ追求するべきだ」と主張しました。

 さらに志位氏は「いま強調しておきたいのは、中国にどう向き合うのかという問題だ。私たちは中国の覇権主義、人権侵害を厳しく批判している」と語った上で、「同時に、中国への対応として、『日米同盟の抑止力の強化』や『クアッド』(日米豪印4カ国の安保枠組み)など、中国を排除した排他的な枠組みで中国を包囲すれば、相手もさらに軍事力をエスカレーションさせることになる」と指摘しました。

 志位氏は、排他的な枠組みでは地域が分断され、非常に危険な冷戦構造がつくられていくことになるとして、「排除の論理ではなく、包摂の論理で地域の平和協力の枠組みをつくっていく。これが平和をつくる一番の道だ」と主張しました。

 志位氏は、自民・公明両党の致命的な問題はまともな外交戦略をもっていないことにあると指摘。「この議論で自民党から聞こえてくるのは、『外交をやる上でも軍事力は必要だ』というものだ。しかし、『外交をやる上でも』といいながら、まともな外交戦略を何一つ持っていないではないか。軍事に熱中することしかやっていない。ここに一番の危険がある」と批判しました。

 志位氏は、「東アジアに平和をつくる『外交ビジョン』という対案を太く掲げ、間違った方向には断固反対を貫きたい」と表明しました。