志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2022年8月4日(木)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が3日の党国会議員団総会で行った臨時国会開会にあたってのあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)議員団総会であいさつする志位和夫委員長=3日、参院議員会館

衆参21人の議員団が、6中総決定を縦横に生かした奮闘で、党の前進・躍進へ全力を

 臨時国会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。まず、参議院選挙での衆参の議員団のみなさんと国会議員団事務局のみなさんの大奮闘に、心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。(拍手)

 東京選挙区での山添拓さんの再選をみんなで喜びたいと思います(拍手)。比例代表での田村智子さん、岩渕友さんの議席を確保したことに加えて、仁比聡平さんがわが議員団に復帰したことを歓迎します。(拍手)

 比例代表で5議席から3議席に後退し、大門実紀史さんと武田良介さんの大切な議席を失ったことはたいへんに残念ですが、今後もそれぞれの立場で党の前進・発展のために力をあわせていきたいと思います。

 昨日終わった第6回中央委員会総会は、試練を乗り越えて、わが党の新しい前進の道を指し示す総会として、大きな成功をおさめました。衆参21人の国会議員団が、新しい国会で、国民の期待に応え、6中総決定を縦横に生かして奮闘し、日本共産党の前進・躍進のために全力をあげる決意を、まず固めあいたいと思います。(拍手)

国会が審議すべき課題は山積――会期延長し、命と暮らし・民主主義を守る責任を果たせ

 まず、今回の臨時国会の持ち方について述べます。

 昨日、与党は「会期3日間」を提案しましたが、わが党は反対をいたしました。感染が急拡大している新型コロナ対策、いよいよ深刻化する物価高騰への対策、安倍(晋三)元首相の「国葬」問題、旧統一協会と自民党などとの癒着の徹底解明など、国民の前で国会が審議すべき課題は山積しています。

 3日間で国会を閉め、これらの重大な課題の議論を回避するというのは、政府・与党として責任放棄というほかありません(「そうだ」の声)。会期を延長して、これらの課題について、国民の前で堂々と議論し、命と暮らし、民主主義を守る責任を果たすことを、日本共産党は強く求めるものです。(拍手)

安倍元首相の「国葬」問題――死者の最悪の政治利用に断固反対する

 当面の内外情勢と日本共産党の政治任務については、6中総の報告と結語で述べており、繰り返すことはいたしません。ここでは3点について述べておきたいと思います。

 一つは、安倍元首相の「国葬」問題です。わが党は、この問題が起こった当初から、岸田内閣による「国葬」は、国家として安倍政治を全面的に賛美・礼賛することになり、憲法に保障された「内心の自由」を侵害し、国民に弔意を強制することにつながると批判し、中止を求めてきました。

 最近の共同通信の世論調査では、「反対」「どちらかといえば反対」が53%、「賛成」「どちらかといえば賛成」は45%、そして「国会審議が必要だ」は62%にのぼっております。会期を延長して、岸田(文雄)首相は国会の場できちんと説明すべきであります。岸田首相による死者の最悪の政治的な利用には断固反対を貫くということを申し上げたいと思います。(拍手)

旧統一協会と自民党などの癒着――民主主義の根幹を危うくする問題として徹底追及

 二つ目は、旧統一協会と自民党などとの癒着問題です。

 私が強く言いたいのは、自民党の「居直り」を許してはならないということであります。茂木(敏充)幹事長は、昨日も、「党として組織的な関係はない」と言い放ちました。(福田達夫)総務会長は「何が問題か分からない」と言っております。厚顔無恥な「居直り」というほかはありません。

 反社会的カルト集団が、霊感商法などで多くの人々の生活を壊し、家庭を壊し、人生を壊してきた。その広告塔として自民党の有力政治家が名を連ね、被害を拡大している。その見返りに票と人とカネが提供されていた。さらに旧統一協会からの名称変更のさいに、行政がゆがめられていたのではないかという深刻な疑惑がいま提起されております。これだけの事実を前にして、「関係ない」「何が問題か分からない」では、政党、政治家失格ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 岸田首相は「議員個人の問題」と逃げようとしておりますが、とんでもない話であります。自民党の派閥の領袖(りょうしゅう)だった人物、自民党が推した現職衆院議長(細田博之氏)など、党の枢要の立場にある政治家がそろって関与しています。さらに(岸信夫)防衛大臣、(二之湯智)国家公安委員長など、首相が任命した閣僚が関与しています。自民党の責任、岸田政権の責任が問われています。自民党、岸田政権は、「議員個人の問題」と矮小(わいしょう)化するのではなくて、自ら全容を調査し、国民に説明すべきであります。

 日本共産党国会議員団は、小池(晃)書記局長を本部長に追及チームを設置し、「しんぶん赤旗」も追及班を設置し、日々、この問題に取り組んでおります。日本の民主主義の根幹を危うくする問題として、徹底的に究明する決意を申し上げたいと思います。(拍手)

大軍拡と改憲を許さない――平和と暮らしを守る国民的たたかいを熱く発展させる夏に

 第三に、大軍拡と改憲を許さないたたかいについて、一言述べておきたいと思います。

 6中総の幹部会報告で述べたように、大軍拡と改憲の具体化の一歩一歩が激しい矛盾を広げます。まず、来年度予算の概算要求です。社会保障費の自然増が1000億円削減される一方で、軍事費は青天井とされようとしています。大軍拡が暮らしを押しつぶす。しかもコロナと物価高騰のただなかで暮らしを押しつぶす。この矛盾が激しく噴き出してくることは避けられないでしょう。

 平和の願い、暮らしの願いを一つに集めて、大軍拡と改憲を許さない国民的運動を広げるために全力をあげようではありませんか。平和と暮らしを守る国民的たたかいを熱く発展させる夏にしていくことを心から呼びかけたいと思います。頑張りましょう。(拍手)

“理論に強い議員団”へと発展する努力を

 最後に、6中総を受けて、国会議員団の活動の発展・強化について、一言だけ述べたいと思います。それは、“理論に強い議員団”へと発展するためにお互いに努力しようということです。

 6中総では、「二重の大逆流」とのたたかいという角度から到達点をとらえ、今後の活動方向を明らかにしました。

 党創立100周年、今回の6中総のメディアの報道ぶりなどを見ても、率直に言って、わが党の路線や歴史を事実をもって報じるというものではなく、あらかじめつくられた反共の「型紙」にそって、自分たちの反共「ストーリー」にあわせて、自分たちに都合のいい「断片」だけを拾ってきて、わが党を論じるというものが多いというのが実態であります。私は、知的な不誠実と知的劣化を感ぜざるを得ないのであります。こうした論調には必要に応じて反論を加えていきたいと思います。

 全体状況についていいますと、昨年の総選挙で野党共闘が発展し、日本共産党が一角を占める政権に権力を奪われることに心底震え上がった支配勢力が、二度とああいう目に遭うのはごめんだということから、何としてもわが党の政治的影響力を押しとどめようと、攻撃を強めている――これが現在の状況であります。

 これに対する最大の回答は、日本共産党を強く大きくすること、日本共産党を選挙で勝利させることにありますが、そのためにも、こういう情勢のもとで党が前進・躍進しようとすれば、理論と政治に強くなる、とくに綱領とその基礎にある科学的社会主義に強くなることが絶対に不可欠であります。

 国会は、党派間の政治・理論闘争が最も厳しくたたかわれている場です。その国会という場で活動している国会議員団こそが、理論に強くなる先頭に立たなければならないということを訴えたいと思います。この点でも、この夏、大いに努力することを呼びかけまして、ごあいさつとしたいと思います。ともに頑張りましょう。(拍手)