志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

TV発言

2022年6月24日(金)

NHK「ニュース7」 志位委員長が語る


 日本共産党の志位和夫委員長は22日夜、NHK番組「ニュース7」に出演し、参院選の争点、野党共闘などについて次のように語りました。

何を問う選挙か

「戦争させない。暮らしに希望を」と訴え、躍進をはたしたい

 ――続いて共産党の志位委員長です。よろしくお願いします(志位「こんばんは」)。こんばんは。志位さんは今回の選挙、何を問う選挙だと考えていますか。

 志位 「戦争させない。暮らしに希望を」と訴えて、躍進をはかりたいと決意しております。

 この間、ロシアの蛮行に乗ずる形で「軍事費2倍」の大合唱が起こっています。軍拡で平和が守れるか。私は「軍事対軍事」の悪循環に陥ってしまうと思います。東アジアに平和をつくるための憲法9条を生かした外交こそ必要だと、「外交ビジョン」を提唱しております。

 それからもう一つは、物価の高騰から暮らしを守る。その一番のカギになるのは実体経済を良くすることだと思います。消費税を5%に減税する、インボイスを中止する。中小企業支援と一体に、最低賃金を1500円に引き上げる。年金削減をストップする。教育無償化に踏み出す。新自由主義を転換して、「やさしく強い経済」をつくるということを訴えていきたいと思います。

野党共闘

力をあわせて良い結果を出すとともに、共闘の推進力・日本共産党自身の躍進を

 ――志位さん、今回の選挙では1人区での与野党対決は11の選挙区にとどまっています。野党の足並みの乱れを指摘する声もありますけれども、どう受け止めていますか。

 志位 野党ということで数えますと、1人区の約半数で、1人になっておりますので、ぜひ、良い結果を出したい。次につながる成果を出したいと思います。この間、(東京都)杉並の区長選挙でも、野党がみんなで推した候補が、自公系の現職を破って勝利するということも起こっていますから、みんなで力をあわせて良い結果を出したい。

 同時に、日本共産党自身が躍進することが野党共闘の一番の推進力になります。この間の経過を見ても、2013年、14年と(共産党が)連続躍進したことが野党共闘につながったので、党自身の躍進を勝ち取っていくことが次につながると考えております。

物価高騰

広範囲に及ぶ物価高騰――暮らしを守る最も効果的な方策は消費税減税

 ――志位さん。物価高騰対策なんですが、共産党は、消費税率を5%に緊急減税するということを訴えてらっしゃいますけれども、なぜこの消費税率の引き下げというのが必要だとお考えなんでしょうか。

 志位 今の物価高騰というのは、ともかく広範囲に及んでいて、とくに食料品、あるいは水光熱費、(生活必需品で)4・8%上がっていますね。ですから、今の物価高騰から暮らしを守る上で最も効果的な方策が、消費税の減税であることは明らかだと思います。ですから、ぜひこれは決断を強く求めたい、このように考えております。

財源どうする

富裕層や大企業への優遇税制の是正、応分の負担を求める改革を行う

 ――税率の引き下げによって減収となると思うんですけれども、そのための財源はどう確保するのでしょうか。

 志位 私たちは、まず富裕層や大企業に対する優遇税制をただしていくと(主張しています)。(所得)1億円を超えますと、所得税の実質負担率が減ってしまう、いわゆる「1億円の壁」――これを崩していく。

 あるいは中小企業に比べて大企業の方が法人税の実質負担率が低いと、この不公平もただしていく。

 さらに、所得税・住民税の最高税率、今55%ですが、65%に戻していく。法人税も、安倍政権のときに23%まで下げられたんですが、28%に戻していく。(米国の)バイデン政権も28%に戻すということを言っております。これが当たり前の方向だと思います。

外交・安保政策

“平和とは対話”――ASEANと協力して東アジアに平和の枠組みを発展させる

 ――続いて、外交・安全保障政策について伺います。今回、多くの党が防衛力の強化を訴えていますけれども、共産党はどう考えますか。

 志位 私たちは、「軍事に対して軍事で構える」「軍拡に対して軍拡で構える」ということになりますと、「安全保障のジレンマ」とよく言われますけれども、悪循環に陥ると思うんです。一番危険だと思います。

 私はそうではなくて、東アジアに平和をつくる外交こそ必要だと(思います)。平和というのは、一言で言えば、対話だと思うんですよ。徹底した対話によって東南アジアを平和な地域にしたのがASEAN(東南アジア諸国連合)です。このASEANと協力して、東アジアサミットという枠組みを、平和な枠組みとして発展させて、ゆくゆくは東アジア規模の友好協力条約を展望する――そういう大構想を進めていく。そういう平和の戦略を持った取り組みが必要だということを訴えたいと思います。

憲法への自衛隊明記

「書くだけ」では済まなくなる――9条2項が死文化、海外での戦争が完全自由化

 ――志位さん、憲法について伺います。今改正に向けた論議が活発になっていますけれども、共産党はこれをどう考えて、何を訴えていく方針でしょうか。

 志位 「憲法9条に自衛隊を書くだけだ」という議論があるんですが、私は書くだけではすまなくなると(思います)。

 自衛隊を明記しますと、その前の9条2項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」――これが空文化することになります。

 そうしますと、安保法制のもとでもできないとされてきた「武力行使を目的にした海外派兵」、あるいは「集団的自衛権の全面的行使」、これらも全部できるようになる。つまり海外での戦争が完全自由化されることになります。

 こういう危険な道は絶対に反対ということで、国民多数のみなさんと手を携えて頑張りたいと思っております。

選挙戦の目標

比例代表で650万票・5人の全員勝利と、選挙区で東京絶対確保・躍進めざす

 ――志位さん、参議院選挙の勝敗ラインについてはどのようにお考えでしょうか。

 志位 日本共産党としては、政党を選ぶ比例代表選挙を軸にしまして、全国で650万票、そして5人のベストチームの全員勝利をめざします。

 選挙区では、現有の東京を絶対に確保して、京都、埼玉、大阪、神奈川、愛知などで議席を得たいと思っております。

 それから沖縄は「オール沖縄」の候補者ですので、必ず取りたいと考えております。

立憲民主党との関係

平和主義・民主主義・立憲主義、暮らしを壊す政治を変えるには共闘しかない

 ――最後に一言でお答えください。立憲民主党とは今後どんな関係を築いていきますか。

 志位 立憲民主党とは、今度の選挙でも1人区で協力するという合意がなっております。ですから、私は、今度の選挙でも、立憲民主党で一本化したところにも応援にうかがっております。ぜひ今度の選挙で良い結果を出して、そして次の選挙につなげていきたい。

 私たちは、今の政治を変えるには、共闘しかないと思っております。安倍・菅・岸田政権――こういう平和主義、民主主義、立憲主義を壊し、暮らしを壊す、こういう政治が続いていていいわけがないと思っております。これを変えるには共闘しかありませんから、私たちはその道が発展するように、今度の選挙でも、共闘で結果を出すし、日本共産党の躍進も勝ち取りたいと思っております。

 ――志位さん、ありがとうございました。

 志位 ありがとうございました。