志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2022年5月4日(水)

2022憲法大集会

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が3日、「2022憲法大集会」で行ったあいさつは以下の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=3日、東京都江東区

 みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。私は、日本共産党を代表して、熱い連帯のごあいさつを送ります。(拍手)

「価値観」で世界を二分するのではなく、「国連憲章守れ」の一点で団結を

 ロシアのウクライナ侵略が始まって2カ月あまりがたちました。多くの命が損なわれる事態に、いてもたってもいられない、怒りと憤りを募らせている方がたくさんいらっしゃると思います。

 どうやってこの戦争を終わらせるか。

 米国のバイデン大統領は、「民主主義対専制主義のたたかい」というスローガンを打ち出しています。しかし、みなさん。いま大事なことは、あれこれの「価値観」で世界を二分するのではなくて、「ロシアは侵略をやめろ」、「国連憲章を守れ」――この一点で、全世界が団結することではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 国際世論の力で包囲し、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を回復するため、世界と連帯して力をつくそうではありませんか。(拍手)

日本が直面している最大の現実の危険は何か――米軍と一体に海外に攻め込むこと

 いま危機に乗じて、“日本を守るためには力が必要だ”――こう言って、「敵基地攻撃」だ、「核共有」だ、「9条を捨てろ」――こういう大合唱が起こっています。

 しかし、みなさん。いま日本が直面している最大の現実の危険はどこにあるでしょうか。

 ズバリ言いますと、日本が攻撃されていないのに、米国が軍事行動を始めたら、安保法制=集団的自衛権を発動して、自衛隊が米軍と一緒に「敵基地攻撃」で攻め込む。その結果、その戦火が日本に及んでくる。これが、いま日本が直面している最大の現実の危険ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

この道を進めば大軍拡が必要――消費税大増税、社会保障の大幅削減は避けられない

 この恐ろしい道を進もうと思えば、とてつもない大軍拡が必要になります。現に自民党は、軍事費をGDP(国内総生産)比で2%以上、5年以内にやるという。2倍にするというんです。

 11兆円もの軍事費の財源をどうするんですか。私たちが「社会保障をよくしよう」――こう言いますと、いつも「財源どうするのか」とうるさく言ってくる自民党が、財源のことを言わないじゃないですか。消費税の大増税か、社会保障の大幅削減になる。火を見るよりも明らかではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 みなさん。危機に乗じて、憲法9条を改定し、日本を「軍事対軍事」の危険な道に引き込み、国民の暮らしをおしつぶす――こんな道はみんなで力をあわせて止めようではありませんか。(大きな拍手)

東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」を提案――世界に誇る9条を守り生かそう

 自民党などは「9条で平和が守れるか」、こう言います。しかし、みなさん。戦争を起こさないための9条を生かした外交に、知恵と力をつくすのが政治の役割ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 私たち日本共産党は、9条を生かして東アジアに平和をつくりだす「外交ビジョン」を提案しています。

 私たちが注目しているのは、東南アジア諸国連合――ASEANの国ぐにです。徹底した対話によって“紛争を戦争にしない”――平和の共同体をつくっています。そのASEANがいま力を注いでいるのが、東アジアサミット(EAS)――ASEAN10カ国プラス日米中など8カ国でつくる平和の枠組みを強化して、ゆくゆくは東アジア規模の友好協力条約(TAC)を展望しようという大構想を示しています。みなさん、これいいじゃないですか。(「いいぞ」の声、拍手)

 日本がやるべきは、「敵基地攻撃」なんていう物騒な話じゃない。ASEANの国ぐにとしっかり連携をして、9条を生かして東アジアを戦争の心配のない平和な地域にする。これこそがやるべき仕事ではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 世界が誇る憲法9条を、守り生かそう――この一点で力を合わせましょう。市民と野党の共闘を発展させていきましょう。このことを訴えまして、ごあいさつとします。(大きな拍手)