志位和夫 日本共産党

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談話・記者会見

2022年2月4日(金)

水際大穴の米軍「検査なし入国」

日本政府 9月に把握

日曜版スクープが衝撃


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(写真)「赤旗」日曜版6日号

 在日米軍司令部が「検査なし入国」を始めた昨年9月時点で日本政府に伝えていた―。「しんぶん赤旗」日曜版(2月6日号)のスクープが、国会でも大きな問題になっています。

 米軍が日本に向かう米兵の出国前検査を免除したのは昨年9月3日。この米兵の「検査なし入国」が新型コロナウイルスの水際作戦の「大穴」となり、国内で“米軍由来”の感染拡大を招きました。

 日曜版編集部は、昨年9月からの「検査なし入国」という事実を在日米軍はいつ日本側に伝えたのか、と電子メールで在日米軍司令部に質問。同司令部は「いうまでもなく日本政府には絶えず情報提供を続けてきた」と回答し、編集部の「少なくとも昨年9月末までには日本政府に伝えたという意味か」との質問に「イエス」と答えていました。

 NHKも同様のニュースを報道。2月2日付でホームページ上に在日米軍司令部からの質問回答文書の日本語訳全文を掲載し、「なぜ緩和した際、日本政府に情報を共有しなかったのか」との質問に対して、米軍側は「言うまでもなく、とられている措置については、日本政府に対して情報を提供してきた」と回答しています。

林外相は否定

 林芳正外相は3日の衆院予算委員会で、立憲民主党の源馬謙太郎議員がNHK報道を引用し質問したのに対し、「昨年9月の時点で、在日米軍が出国前検査を免除することにしたという通知を受けていない」と否定しました。

 林外相は「出国前検査が免除されたことを日本政府が確認したのは昨年12月24日であり、それよりも前に日本側に通知していたとの認識は誤りである旨、米軍に今般申し入れたところ」と答弁。申し入れは、外務省北米局地位協定室が在日米軍司令部にメールで行ったとし、米側の回答期限については「詳細は差し控える」と述べました。

国民の命にかかわる問題 日本政府は責任ある対処を

志位氏要求

 日本共産党の志位和夫委員長は3日の記者会見で、新型コロナウイルスの入国前検査をめぐって在日米軍と日本政府の説明が食い違っている問題について問われ、「まさに国民の命にかかわる問題で、どちらかが虚偽を言っているということがはっきりしている以上、日本政府としてきちんとしかるべき対処をすべきだ」と述べました。

 志位氏は「政府が確認したのは12月24日だというのであれば、メールで担当者が伝えるレベルの話ではない。米側の言う通りなら、岸田政権が9月に知りながら隠していたことになる。大変な問題だ」「もし岸田政権の言う通りなら、米側がうそをいっていることになる」と指摘。在日米軍司令部は、「しんぶん赤旗」の取材だけでなくNHKの取材に対しても同じように日本政府に伝えたことを確認しているとして、「私たちは、米側が9月に日本政府に伝えていたことが事実だと思うが、日本政府がそうでないというのなら、担当者の対応ではなくて、きちんとした対応をやるべきだ」と述べました。