2021年11月28日(日)
総選挙の教訓を深く学び参院選で反転攻勢を
日本共産党第4回中央委員会総会
勝利・躍進へ3本柱の活動直ちに
志位委員長が幹部会報告
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日本共産党は27日、党本部で第4回中央委員会総会を開きました。志位和夫委員長が幹部会報告を行い、総選挙のたたかいから総括と教訓を引き出し、それを土台に7カ月後に迫った参院選で勝利・躍進する方針を提起しました。報告は党内通信とユーチューブで配信され、全国で視聴されました。28日までの2日間。
志位氏は、総選挙の結果について、第一の目標―市民と野党の共闘による政権交代の実現では、「自公政権の継続を許したのは残念ですが、共闘は今後の課題を残しつつも、確かな成果を上げました」と述べました。
第二の目標―日本共産党の躍進実現については、沖縄1区で議席を守り抜いたことは大きな成果としつつ、比例代表で11議席から9議席、440万票から416万票に後退するという「たいへんに悔しく残念な結果となりました」と語り、「常任幹部会として責任を痛感しています」と表明しました。
“政治対決の弁証法”
志位氏は、選挙総括の前提として、総選挙がどんな選挙だったのかを、支配勢力――自民・公明とその補完勢力と、野党共闘・日本共産党との攻防のプロセス――“政治対決の弁証法”という角度からとらえることが重要だと強調し、3点ほどポイントがあると述べました。
第一に、野党が初めて本格的な共闘の態勢――共通政策、政権協力、選挙協力で合意をつくって総選挙に臨み、日本共産党は「政権交代をはじめよう」と訴えたことのもつ意義です。志位氏は、9年間に及ぶ安倍・菅政権とそれを継承する岸田政権による立憲主義・民主主義・平和主義破壊と、コロナ失政のもと、野党が政権交代を正面から訴えることは当然の責任であり、国民の願いにこたえるものだったと強調。メディアも「自公VS野党共闘」と報じるなど、客観的争点となりました。志位氏は、「『野党共闘で政権交代を』という訴えは、最初のチャレンジとして歴史的意義をもつものだったことをみんなで確認したい」と語りました。
第二に、これは、支配勢力からみれば心底恐ろしい展開となったことです。志位氏は、「野党共闘によって多くの候補者が小選挙区で敗北する危険が生まれただけではありません。彼らにとって最悪の場合には、日本の戦後の歴史でも初めて、日本共産党が協力する政権が生まれることになるからです」と指摘。野党共闘の力、日本共産党の奮闘によって支配勢力に攻め込み、追い詰めた選挙となったと述べました。
第三に、危機感にかられた支配勢力は、一部メディアも総動員し、必死の野党共闘攻撃、日本共産党攻撃を行ったことです。志位氏は、攻撃が「安保・外交政策が違う政党が組むのは野合」という攻撃と、「体制選択選挙」という攻撃の二つを特徴としていたことをあげ、「今回の共闘攻撃、反共攻撃は、歴史上はじめて日本共産党も加わる政権がつくられる可能性が生まれるという新たなステージでの攻撃という、これまでにない特徴を持っていました」と報告しました。
その上で、「野党共闘、日本共産党が、支配勢力を攻め込み、追い詰める中で、相手も必死の反撃で応える――“政治対決の弁証法”の角度から、選挙結果をとらえ、検証し、今後の教訓を引き出すことが重要です」と強調しました。
市民と野党の共闘
このもとで、市民と野党の共闘はどうだったか。志位氏は、支配勢力の激しい攻撃にもかかわらず、重要な成果を勝ち取ったと指摘。一本化した59選挙区で勝利し、このうち56選挙区で「共闘勢力」の比例票合計を小選挙区候補の得票が上回る「共闘効果」が発揮されたと報告。総選挙後、支配勢力や一部メディアが喧伝(けんでん)する「野党共闘は失敗」という大キャンペーンは、事実にまったく反するデマ攻撃だと批判しました。
同時に、志位氏は「前向きの解決がはかられるべき課題も明確になりました」と指摘。野党が力をあわせて、共闘の大義、新しい政治の魅力を、さまざまな攻撃を打ち破って広い国民に伝えきる点で十分とは言えなかったこと、激しい共闘攻撃に共同の反撃の論陣を張るまでには至らなかったこと、共闘態勢の構築が選挙間際まで遅れたことなどをあげました。「多くの解決すべき課題が残されましたが、逆に、それは市民と野党の共闘は、始まったばかりであり、共闘には大きな発展の可能性があることを示すものではないでしょうか」と語りました。
日本共産党の結果
次に日本共産党の結果についてです。志位氏は、選挙戦で訴えた、コロナから命と暮らしを守る政策的提案、自公政治からの「四つのチェンジ」について、「国民の利益にかない、訴えが届いたところでは大きな共感が広がりました」と報告。にもかかわらず、残念な結果になったことについて、「最後の1週間にわが党の政治的勢いの失速が起こりました」と指摘し、(1)支配勢力の必死の共闘攻撃、共産党攻撃に対して、それを上回る必死さで反撃する点で弱点があった(2)早い段階、とくに選挙戦公示日までに、日本共産党躍進の力強い流れをつくりだすことに成功しなかった(3)2017年総選挙の教訓である、積極的支持者を日常的に増やすこと、党の自力をつけることを総選挙のたたかいに生かしきれなかった―という3点の反省点を挙げました。
とりわけ、共闘攻撃、日本共産党攻撃について、その全体像や否定的影響をつかみ、的確な情勢判断を行い、攻勢的に反撃を行う点での弱さの責任は、指導的イニシアチブを発揮できなかった常任幹部会にあると表明しました。
志位氏は、「ここで強調したいのは、こうした“政治対決の弁証法”が、大局的に見るならば、野党共闘と日本共産党が支配勢力を攻め込む過程で起こっていることです」として、「このたたかいから教訓を引き出し、次は攻め落とすたたかいをやろうではありませんか」とよびかけました。
参院選の目標
次いで志位氏は、参院選について二つの大目標に挑戦したいと提起しました。
第一は、市民と野党の共闘を発展させ、参議院で改憲勢力3分の2を許さず、さらに自民・公明とその補完勢力を少数に追い込むことをめざし、政権交代への足掛かりをつくることです。
第二は、日本共産党の躍進を必ず勝ち取り、衆院比例票の416万票を起点に、反転攻勢に転じる選挙にしていくことです。志位氏は、比例代表の目標について、「850万票、15%以上」を堅持しつつ、参院選では「650万票、10%以上」――比例5議席の絶対確保を必ずやりきる目標としたいと提案。「『比例を軸に』を貫き、全党が一丸となって挑戦しよう」とよびかけました。
志位氏は、岸田政権と正面から対決し、草の根から国民の要求にもとづく運動を発展させ、その力で岸田政権を包囲し、政権交代を国民多数の声にしようと訴え。たたかいの課題として、(1)国民の苦難軽減という立党の原点に立って、命とくらしを守る(2)「9条守れ、憲法生かせ」を掲げ、草の根からの国民的な大運動を(3)気候危機打開のための国民的な運動を起こす(4)ジェンダー平等を求める運動との連帯を広げ、この課題を国政の中心課題に―をよびかけました。
3本柱の活動
参院選勝利・躍進にむけて、次の3本柱の活動にただちにとりくむよう提起しました。
第一は、3月末までを節に、広い有権者を対象にした参院選勝利・躍進の政治的・組織的とりくみ、「赤旗」読者拡大の前進をつくり、4月以降の活動でさらに発展させることです。そのために「第1次全国遊説」や「第1次折り入って作戦」にとりくむことを提起。「赤旗」読者では日刊紙1万1千人以上、日曜版では4万6500人以上を増やそうとよびかけました。
第二は、支配勢力の反共攻撃にかみあって、日本共産党の綱領と理念、歴史を伝えて、積極的支持者を増やすとりくみを大戦略に位置づけて、やり抜くことです。とくに、支配勢力が日本共産党が政権に参加することへの不安をあおりたてるもとで、「日本共産党が政権に加わることこそ日本の政治をよくする道だ」と攻勢的に訴えていく活動をよびかけました。
第三は、世代的継承のとりくみを全党の力を総結集して前進させることを中軸にすえて、党員拡大のための独自追求を抜本的に強めることです。とくに世代的継承は、緊急・死活的な課題と述べ、公示までに青年・学生、労働者、30~50代の真ん中世代で1万人の党員を増やすことを提起。世代的継承のとりくみを、3本柱の活動のすべてで太く貫くことをよびかけました。
中間地方選挙で後退から前進に転じるために力をつくすことを訴えました。
党創立100周年
最後に志位氏は、来年は党創立100周年になるとして、「日本共産党の100年は、支配階級による攻撃に絶えずさらされながら、その攻撃を打ち破り、前途を切り開くという、奮闘と開拓の100年です」と強調。「それは支配勢力との“政治対決の弁証法”のなかでの奮闘と開拓の歴史です」と述べ、「参院選では、必ずや反転攻勢に転じ、党創立100周年を日本共産党の躍進で祝うことができるよう、全力をつくそう」と訴えました。