志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

党の会議での報告

2021年11月30日(火)

第4回中央委員会総会

志位委員長の結語


 日本共産党の志位和夫委員長が28日、第4回中央委員会総会で行った討論の結語は次のとおりです。


 みなさん、2日間の会議、お疲れさまでした。

 私は、幹部会を代表して、討論の結語を行います。

参院選躍進めざす反転攻勢への大きな転機となる歴史的総会に

写真

(写真)結語を述べる志位和夫委員長=28日、党本部

 中央委員会総会では、66人の同志が発言しました。全国でリアルタイムで視聴した方の数は5万5086人であります。感想文が872通寄せられています。この大会期の中央委員会総会としては、最大規模の視聴となりました。この総会に対する注目と期待の大きさを示すものになったと思います。

 幹部会報告は、討論でも、全国からの感想でも、全体として、きわめて積極的に受け止められました。そして、たいへん率直な討論によって深められたと思います。参議院選挙にむけ、比例代表と選挙区の予定候補として奮闘している同志から、必勝の決意あふれる発言が行われました。

 この総会は、総選挙の総括と教訓をふまえ、参議院選挙の勝利・躍進をめざす反転攻勢への大きな転機となる歴史的総会となったといえると思います。


総選挙の総括と教訓にかかわって

“政治対決の弁証法”――次なるたたかいへの新しい活力がわきおこっている

 まず総選挙の総括と教訓にかかわってのべます。

 幹部会報告に対して、討論でも、感想でも、全体として、「非常にすっきりした」「展望がわいた」「これで頑張れる」との強い確信が寄せられました。総選挙の結果を見て、期待が強かっただけにショックだった、常任幹部会声明などを読んでも、もやもや感からなかなか抜け出せない状況があったけれども、幹部会報告での、とくに支配勢力――自公と補完勢力と野党共闘・日本共産党との攻防のプロセス、“政治対決の弁証法”という立場での総括をうけ、党全体に次なるたたかいへの新しい活力がわきおこっているといえるのではないでしょうか。

 長野の鮎沢県委員長は、比例票を減らし、藤野さんの議席を失った、たいへんに残念な結果を踏まえてこう発言しました。

 「結果をうけ、党内でも、『いったい何が起こったんだ』『なんでこんな結果になったのか』という声が相次ぎました。それだけに、幹部会報告の“政治対決の弁証法”の角度から総選挙をとらえる指摘は、本当にその通りだ、これだ、という確信になりました。議席を失ったことは悔しいが、次の展望が見えてきたし、視界が開ける思いがしました。幹部会報告では、“政治対決の弁証法”で大局的に見るなら、共闘と党が支配勢力を攻め込む過程で起こっているんだと指摘しています。長野県では、攻めに、攻めに、攻め込んでいた。2016年の参議院選挙、19年の参議院選挙、今年4月の参議院補選でも、市民と野党が勝利して、自民党をいよいよ信州から一掃できる条件をつくってきました。だから相手は追い込まれて、尋常ではない必死さで反撃してきました。次はいよいよ攻め落とそうという提起は、悔しがっている党員の思いにぴったりくるし、確信を与えて団結して前に向かい、反転攻勢に転じることができると確信しています」

 鮎沢同志は、5~6年間におよぶ長野県での共闘の歴史のなかで今度の選挙をとらえる発言をしました。多くの発言が、“政治対決の弁証法”でとらえることの重要性、そのことでがっかり感が払しょくされ、深い確信と勇気に変わり、次の展望が見えてきたと語りました。こういうとらえ方で今度の選挙を大局で総括して前に進みたいと思います。

弁証法について――総選挙の結果を「変化と発展」「全体の関連」の中でとらえる

 幹部会報告では“政治対決の弁証法”という言葉を使ったわけですが、ここで弁証法という物事のとらえかたについてのべておきたいと思います。

 弁証法とは、わが党が理論的基礎としている科学的社会主義の世界観の根本であります。すなわち、物事を「一断面」ではなくて「変化と発展」の中でとらえる。「孤立」したものではなくて、「全体の関連」の中でとらえる。そうしてこそ物事を「現れるままの姿」で認識し、理解することができる。これが私たちが世界をとらえるさいに根本においている方法であり、世界観であります。

 総選挙の結果は、「一断面」で見れば悔しい後退です。しかし、「変化と発展」の中でとらえれば、私たちが、支配勢力に攻め込み、追い詰めた、新しいステージの中での新しい困難だということが見えてきます。そして、ここを突破すれば大きな新しい展望が開けることも見えてきます。

 それから、総選挙の結果の全体を、野党共闘の内部の弱点、わが党の内部の弱点――もちろんその克服は大切であることは言うまでもありませんし、どういう弱点があり、どう打開していくかの方向は報告でものべたわけでありますが――、そういう私たちの側の問題だけで「孤立」的にとらえない。支配勢力の攻撃とのたたかいという大きな対決の構図の中で、「全体の関連」においてとらえる。そうしてこそ、この攻撃を打ち破る大戦略の重要性が見えてくるのではないでしょうか。

 そういう点では、討論や感想の中で、「今回の総括は科学的社会主義の党ならではの総括だ」という声が多く寄せられたことは、大切な受け止めだと思います。

総選挙の総括と参議院選挙の方針は一体のもの

 そして、私が強調したいのは、幹部会報告でのべた総選挙の総括と参議院選挙の方針は、一体のものだということです。

 すなわち、幹部会報告では、総選挙の総括から必然的に導かれるものとして、参議院選挙の勝利・躍進をめざす方針を「3本柱の活動」として提案をいたしました。

 中央役員のみなさん、総選挙の総括と教訓を“政治対決の弁証法”という立場で、発展的かつ全面的に引き出して、参議院選挙の勝利・躍進に挑もうではありませんか。

全国の同志とともに、弱点を打開する道を探求・開拓していきたい

 幹部会報告の中では、常任幹部会としての自己分析を行いました。

 報告では、比例代表で後退した原因として、三つの反省点をのべました。その第一の反省点として、「支配勢力の必死の攻撃に対して、それを上回る必死さで反撃する点で弱点があった」とのべました。そしてその責任は常任幹部会にあるとのべました。

 常任幹部会の自己分析に対して、発言でも、感想でも、多くの同志のみなさんから、自らのとりくみについての自己分析と打開の決意が語られたことは、たいへんに心強いことでありました。

 ただ、私がのべておきたいのは、幹部会報告でのべたその他の二つの反省点、つまり、第二の反省点――「早い段階、公示日までに党躍進の力強い流れをつくりだすことができなかった」、第三の反省点――「積極的支持者を増やし、党の自力をつけるという4年前の総選挙の教訓を生かしきれなかった」という反省点、さらに中間地方選挙の後退についても、党機関体制の弱さについても、中央自身のとりくみが十分だったと私たちが考えているわけではないということです。また、中央として、弱点を打開するための基本的方向については、全党の実践に学んで幹部会報告で明らかにしましたが、率直に言って、打開のための答えをすべて持っているわけではありません。

 幹部会、常任幹部会として、全国の同志のみなさんと一体になって、これらの弱点を打開するとりくみをどうやって成功させるかについて、ともに学びあい、ともに探求し、ともに前途を切り開き、ともに開拓していく――こういう基本的姿勢に立って奮闘していきたい、このことを表明したいと思います。

参議院選挙の方針にかかわって

「方針が実際にやれるか」――討論を通じて条件と可能性が明らかになった

 参議院選挙の方針にかかわってのべます。

 幹部会報告で提起した参議院選挙の目標と方針は、発言でも、感想でも、全体として、きわめて積極的に受け止められ、実践への強い決意が語られました。

 同時に、発言の中で「実際にやれるだろうか」という率直な声も出されました。「自力をつける自力がない」という声も出されました。

 ただ、私は、討論の全体を通じて、方針をやり抜く条件はある、可能性はある、ということも明らかになったのではないかと思います。今日の午後の討論で、三重の大嶽県委員長は、率直に次のように発言しました。

 「自力づくりへの確信がなかなか持てていません。自力づくりはどうすればできるのかを全党の確信にすることが大事ではないか、ということを発言原稿として考えましたが、午前中の発言を聞いたら、結構多くの発言者が言っているではないか、世代的継承もやっているではないか、と思いました。しかしそれを全党が知っているのか。私自身も今日の発言を聞いてビックリしました。圧巻でした。これはもったいない。今回の発言集をつくるなどしてほしい」

 この総会での豊かな発言の中身は、全党にしっかり返していくようにしたいと考えています。

 このように、討論を通じて、確かな方向が見えてきた。「実際にやれるだろうか」――この「やれるだろうか」という不安は最終的には実践の中で切り開いてゆくしかないのですが――、しかし「やれる」条件はある、可能性はある、このことを示すたいへん重要な討論になったのではないでしょうか。

野党共闘に真剣にとりくんできたことが、新しい信頼・共感・期待を広げている

 やり抜く展望をどこに求めるか。討論をふまえて、結語では二つの点をのべたいと思います。

 第一は、党と国民との関係に、党が前進できる新たな条件が生まれていることです。そのことが、討論でも豊かに明らかにされました。

 多くの発言で、わが党が、ブレずに、誠実に、共闘にとりくんできたことが、これまでにない多くの方々に共感と支持を広げていることが語られました。

 京都の渡辺府委員長は、比例代表で得票を伸ばしたことについて、次のようにのべました。

 「この6年間、ブレずに、誠実に、野党共闘に努力をしてきました。このことが多くの新しい仲間との共同を広げた結果、比例代表で共産党を伸ばさなければならない、という市民的な空気をある程度つくりだすことができたと確信しています」

 「市民的な空気」をつくりだした。伝統産業を営む保守の方が、あるいは無党派の女性議員からも、「比例は共産党」という声が広がったことが報告されました。

 徳島の上村県委員長は、比例代表で伸ばしたことについて、「市民と野党の共闘を実現するために、ブレずに、誠実に、努力を続けてきたことへの信頼が力になった」と発言しました。

 福井の南県委員長は、比例代表で伸ばしたことについて、「金元幸枝比例候補は、31年間、候補者活動をずっと積み重ねてきて、党への信頼・支持を県民の中に広げてきました。それだけに金元候補が1区から出ないと発表したときには、悲しむ声もたくさん聞かれました。それが共闘の大義のためだとわかったときには、『さすが共産党、金元さんだ』と、支持の声にぐっと変わっていった」と発言しました。

 この6年余、私たちが、共闘に真剣にとりくんできたことが、国民の中に、新しい信頼、新しい共感、新しい期待を広げている。ここは確かなものがあると思います。ここは深い確信をもって進みたいと思います。

気候危機、ジェンダー――これまで全く接点のなかった広い方々に期待と支持が広がる

 もう一つは、日本共産党が、気候危機打開やジェンダー平等に真剣にとりくむなかで、これまでわが党とは全く接点のなかった広い方々に、わが党への注目、期待、支持の流れが広がっているということです。

 神奈川の田母神県委員長は、気候危機打開のとりくみの中で起こっている変化を報告しました。

 「横須賀市の大学生の女性で、横須賀火力発電所建設に反対する運動をしている方に、気候危機打開のオンライントークに参加してもらいました。党とは全く接点がなかった方ですが、このとりくみを通じて、気候危機は政治の問題だとわかり、『比例は共産党』と意思表示し、日曜版にも登場してくれました」

 気候危機に強い危機感をもちながらも、この問題と政治がつながっていなかった若者に、そのつながりがわかったときに、変化が起こったという報告でした。

 茨城の江尻県議からも気候危機打開のとりくみを通じての変化が語られました。中小企業の社長さんから、わが党の「気候危機打開の2030戦略」について、「拝読しました。気候危機打開にとりくんでいる研究者や活動家の主張がもれなく入った、素晴らしい内容です」という感想が寄せられたことが報告されました。

 愛知の須山参議院選挙区予定候補は、ジェンダー平等を掲げた選挙で変化を感じたこと、LGBTQなど、当事者の方々との新たなつながりが広がったことをのべ、「綱領にジェンダー平等を掲げ、その実現にとりくむ党の真剣さを当事者の方が受け止めてくれたことを、とてもうれしく感じました」と語りました。

 ですから私たちが、暮らしや平和の問題とともに、気候危機とジェンダーという新しい問題に真剣にとりくんできた。そのことが、これまで全く党との接点のなかった新しい方々と党の出会いをつくり、期待を広げ、支持を広げている。こういう状況が間違いなく生まれつつあると思います。

416万票をどうみるか――新たに投票した人、投票に至らなかったが期待している人も

 こうして見ますと、私は、わが党が比例代表で獲得した416万票をどう見るか、これはとても大事だと思います。

 たしかに後退させたことは、たいへんに残念です。しかし416万人の中には、この間のわが党の活動ぶりを、市民と野党の共闘という面でも、気候危機やジェンダーなどの政策という面でも知って、わが党の値打ちを発見・評価し、新たに投じてくれた方も少なくなかっただろうと思います。

 また、今回は、支配勢力の攻撃によって投票まではいたらなかったけれども、日本共産党に期待をもっている、関心をもっている、視野に入っている、そういう方々が416万人のまわりにはたくさんいらっしゃることも疑いないのではないでしょうか。

 そういう状況をみんなの力でつくってきた、ということにもぜひ確信をもって、これまで声が届いていなかった広い方々に対しても働きかけを行い、参議院選挙の躍進に挑戦しようではありませんか。

わが党は前進する力を持っている――「世代的継承の強烈な意欲がみなぎっている」

 第二は、わが党は前進する主体的力を持っている、ということであります。

 総会では、世代的継承について、これまでにない突っ込んだ議論が行われました。幹部会報告で提起した方向が、率直な討論で豊かにされ、深められました。「重要なことは分かるけど、できるだろうか」という声に対する一つの答えが、総会の討論で出たのではないかと思います。

 東京の田川青年・学生部長は、「地区委員長をはじめ、今、党の中に世代的継承の強烈な意欲がみなぎっています」とのべるとともに、「党と若い世代との関係が大きく変化しています」ということを次のようにリアルに語りました。

 「私は、30年以上、東京で青年・学生と一緒に選挙をやってきましたが、今回はまったく経験したことのないことの連続でした。街頭で若い世代が足を止め、『投票します』『応援しています』『○○さんのファンです』と話してくれます。高校生をはじめ、公然と若者が『比例は共産党』とSNSなどで発信する。選挙ボランティアが広がる。ここには『反共の壁』が崩れ、日本共産党が粘り強く市民と野党の共闘を前進させ、『自公対野党共闘』の対決構図の中で、主要プレーヤーとして頑張っていることが作用していることは間違いないと思います」

 「党の中に世代的継承の強烈な意欲がみなぎっています」――世代的継承が党の大きな要求になっていることを、「強烈な意欲」という表現でのべたこと、それと一体に若い世代の変化をのべたことを、たいへん印象深く聞きました。

党と民青の共同の事業として強く大きな民青同盟を――多くの発言で決意が語られた

 北海道の金倉副委員長は、次のようにのべました。

 「総選挙をたたかった多くの地区委員長から、世代的継承への痛切な声が寄せられました。世代的継承が必要なのはわかっているが、なかなか展望が見えない。踏み出せない。4中総は、そんな地区や支部を励まし、一緒に足を踏み出す力になります」「この間、北海道では、民青の大会までに100人の拡大目標の達成を共同の目標として力を合わせてきました。現在の拡大数は81人であり、あと19人です。頑張ればこれまでの後退分を一気に取り戻すことができる到達を築いています。この歴史的到達は、民青拡大を、党と民青との共同の事業としてとりくんできた結果です。その最大のとりくみとなったのが、学生食料支援です。この活動は、党活動の質を変えました。この共同のとりくみを重ねることで、『世代的継承は可能だ』という自信が広がりつつあります」

 総会の中で、「民青同盟の目標達成まであと○人」と、たくさんの同志が発言しました。まさに党と民青の共同の事業として、強く大きな民青同盟をつくる決意がこんなに語られた総会は、この間はなかったと思います。

 いま民青同盟が、学生食料支援をはじめとして、若い世代の願いにこたえるさまざまな運動にとりくみ、さらに、格差問題、学費や奨学金の問題、気候危機問題、ジェンダー問題などにもとりくむなかで、仲間を増やし、元気いっぱい新しい前進を開始しつつある。まさにいま、私たちが、民青同盟のみなさんと一体となって、党と民青の共同の事業として強く大きな民青同盟をつくり、若い世代が社会進歩の事業に参加する大きな流れをつくっていく、そういうチャンスが来ているのではないでしょうか。

世代的継承のとりくみを進めるうえで「意識したい二つのこと」

 そして私は、金倉同志が発言の中で、参議院選挙の躍進をめざす「3本柱の活動」のすべてに世代的継承を太くつらぬくうえで、「意識したい二つのこと」として、次の強調を行ったことを、たいへん大事だと思って聞きました。

 「一つは、『3本柱の活動』の中で、数字には現れない世代的継承の前進面や変化を見過ごさずにとらえること。数追いでは世代的継承の努力のすべてはわかりません。一人のお礼対話の中や、一人の読者対話の中に、世代的継承の可能性や変化はないかをしっかりとらえる指導・援助を強めたい。

 もう一つは、世代的継承を、一部の専門部や担当者まかせにせず、あらゆる活動の中に位置付け、全党の総力をあげたとりくみにすることです」

 数字には現れない前進と変化の芽をとらえる、そして専門部・担当者まかせにせず全党の総力をあげたとりくみにする。とても大切な指摘です。

 幹部会報告では、「党員拡大にとりくもう。その中で世代的継承を位置づけよう」という提起の仕方にしていません。これは報告案を検討した幹部会の議論を踏まえたものですが、「世代的継承を中軸にすえて党員拡大を前進させよう」という訴えにしました。世代的継承を、党建設の根幹である党員拡大のまさに“中軸”にすえて、党の総力をあげて前進させよう、こういう訴えをしています。

 金倉同志の述べた二つの強調点は、ぜひ、全党のものにしようではありませんか。

新しい同志を迎えることとともに、現に党の中にある力を生かす

 京都の地坂書記長、大阪の能勢・世代的継承委員会責任者からは、真ん中世代の同志たちの活動を支援するとりくみが報告されました。

 「いま、党の中には、志を持ちながらも、仕事や子育てに忙殺されて力を発揮できない党員がたくさんいます。ここにさらに力を注げば、党の力を強める大きな条件があります」

 こういう発言でした。

 世代的継承という場合、青年・学生に党に入ってもらう、新しい党員を増やす、ということと同時に、現に党の中にある力を生かすことが大切です。わが党は、たくさんの力を持っています。真ん中世代でも持っています。職場にも力はあります。若い世代も前進がはじまりました。この力を、まだ発揮されていない潜在的な力も含めて、ほんとうに、残らずくみ上げて、ベテランの同志も含めみんなで力を合わせてとりくめば、私たちは世代的継承を実現する力を持っている。

 ぜひここは、自信をもって頑張ろうではないか、ということを訴えたいと思います。

「3本柱の活動」――どれも現場の経験に学んで提案したもの

 そしてここで強調したいのは、幹部会報告で提案した参議院選挙躍進をめざす「3本柱の活動」は、どれも総選挙のたたかいで全党のみなさんの奮闘によってつくられた経験と教訓を踏まえてまとめあげたものだということです。私たちが頭の中で考えた方針ではありません。全党の知恵でつくった方針だということです。

 たとえば、「折り入って作戦」は、この間の都議選と総選挙で、全党の努力で大きく発展させられた活動です。

 それから、幹部会報告では、世代的継承の方針を、若い世代での民青同盟と党づくり、労働者のなかでの活動と組織の前進、そして真ん中世代での活動と組織の前進、この三つの角度から提案しましたが、このどれもが全党の奮闘でつくられた経験、まだ芽の段階のものも多いのですけれども、現場の経験に学んで提案したものです。まだ芽の段階のものも多い。しかし、みんなで育てれば、必ず大きな木になる。そういうものとして現場の経験に学んで、私たちは提案をいたしました。

 そういう生きた方針としてぜひつかんでいただきたいし、この方向にそって、中央と全国が一体になって、前進の方途を探求し、見つけ出し、大きな未来ある流れをつくっていきたい。そのことを心から訴えたいと思います。

発言・文書発言で出された要望について

 発言や文書発言で多くの要望が出されました。一つひとつについて、常任幹部会の責任で検討し、今後の活動に生かすことをお約束したいと思います。三つの点について、結語ではのべておきたいと思います。

 第一は、「核兵器禁止条約に参加するたたかいを位置づけてほしい」という要望です。これは、「四つのチェンジ」でも太い柱に位置付けたものですが、4中総の決定としてもたたかいを推進することを確認したいと思います。とくにこの間、NATO(北大西洋条約機構)加盟国から、ノルウェーに続いてドイツも、来年3月の核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加を決めるもとで、オブザーバー参加すら拒否している日本政府の逆行が際立つ状況が生まれています。核兵器禁止条約へのすみやかな署名、批准を求める運動を、さらに大きく広げていこうではありませんか。

 第二に、「『自由と民主主義の宣言』のような文書をつくってほしい」という要望がよせられました。かつての「宣言」についていいますと、これは1976年の第13回臨時党大会で採択され、その後、補正が行われてきたものですが、これは、2004年の綱領改定前の綱領の理論に立脚しており、改定後の綱領では、「自由」についての理解を大きく発展させました。自由と民主主義の諸制度にとどまらず、「人間の自由で全面的な発展」――ここに科学的社会主義の「自由」論の核心的な内容を見いだしたのが改定後の綱領です。ですから、かつての「宣言」の補正・改定という形ではあわないという問題があります。昨年の一部改定も含めた現綱領の全体が、自由についてのわが党の立場を全面的に表明するものになっていると思います。ただ、発言された同志の意図は、自由や民主主義について、国民にわかりやすい資材がほしいというものだったと思います。そうした資材はつくっていきたいということをお約束したいと思います。

 第三は、「『第1次折り入って作戦』はすぐに始めなければならないので、資材をつくってほしい」という要望です。この運動に必要な資材はいまつくっております。できるだけ早くお届けできるようにしたいと思いますので、ぜひ活用していただくことをお願いしたいと思います。

「早く読みたい、討議したい、伝えたい」――一刻を争い4中総決定を全党のものに

 最後に、この後、採択されるであろう4中総決定の徹底・具体化についてのべます。

 発言の中で、今回の決定について、「ともに選挙をたたかった若者と4中総を早く討議したい。早く読みたくなる、早く討議したくなる、早く伝えたくなる、これが今回の4中総だと思います。一刻も早く全支部での討議と具体化の先頭に立ちたい」、こういう発言がありました。

 私も、採択されるであろう4中総決定は、「早く読みたい、早く討議したい、早く伝えたい」――そういう力をもつ決定になると確信するものであります。

 一刻を争って全党のものにしようではありませんか。

 率直な議論で決定を深め、ただちに実践に踏み出そうではありませんか。

 4中総決定を生かして、当面する一つ一つの中間地方選挙を勝ち抜き、参議院選挙で必ず勝利・躍進を勝ち取ろうではありませんか。

 以上をもって討論の結語といたします。

 ともに頑張りましょう。