志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2021年11月16日(火)

全商連創立70周年記念集会・式典

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が14日、東京都内で開かれた全商連創立70周年記念集会・式典で行ったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)全商連創立70周年記念式典であいさつする志位和夫委員長=14日、東京都文京区

 みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。全商連創立70周年にあたりごあいさつを申し上げます。

世界に例のない先駆的活動

 ヨーロッパで(「しんぶん赤旗」特派員として)活動しておりましたわが党の緒方靖夫国際局長(副委員長)によると、ヨーロッパの多くの国では商工業者は「保守の牙城」だといわれており、日本に民商・全商連という民主的運動があるのですというとたいへんに驚かれるというんですね。

 中小業者のみなさんが、自らの要求で団結して、自主的・民主的な全国組織を70年にわたって発展させてきたことは、世界にも例のない素晴らしい先駆的活動であり、心からお祝い申し上げたいと思います。(拍手)

支配勢力の攻撃をはねかえす力を

 まず、先日の総選挙でのご支援に心から感謝をいたします。

 日本共産党は、沖縄1区で赤嶺政賢さんの「宝の議席」を守ることができましたが、比例代表選挙では残念ながら後退いたしました。多くのみなさんのご期待を結果に結びつけることができなかったことは、私たちの力不足であります。

 とくに私が感じていますのは、今度の選挙では、野党が、本格的な共闘の態勢をつくり、政権交代を訴えた。これにたいして支配勢力は心底怖かったのだと思います。とくに選挙戦に入りまして、野党共闘に対して激しい攻撃がおこなわれました。その攻撃をはねかえす取り組みが十分ではなかった。また、はねかえす力が私たちに不足していた。そのように考えております。

 今後は、どんな攻撃であっても、それをはねかえす取り組みを行っていく、そのための力をつけていく、そういう構えで頑張っていきたいと決意しているところであります。

共闘の重要な成果――この道を発展させる

 市民と野党の共闘の全体についていいますと、共闘勢力が一本化した59の小選挙区で競り勝ちまして、33では僅差(きんさ)に追い上げた。これは次につながる重要な成果だと思っております。

 さまざまな課題がありますが、やはり日本の政治を変える道は共闘しかない。この道をしっかり発展させるために頑張りぬきたいと思いますので、お力添えをよろしくお願いいたします。(拍手)

「会員の利益・幸せだけでなく中小業者全体、国民全体の幸福」をめざして

 さて、全商連70周年ということで、民商・全商連の歴史について勉強させていただきました。みなさんが、この半世紀、「三つの理念」を掲げて運動されてきた。この「三つの理念」が、今日の情勢のもとで輝いているということを実感したしだいです。

 第1の理念は、「民商・全商連運動は会員の利益・幸せだけでなく中小業者全体、大きくは国民全体の幸福とつながっている」。素晴らしい言葉だと思って読みました。

 この理念は、コロナ危機のもとでの「誰一人取り残さない」という立場でのがんばりとなって発揮されました。民商・全商連のみなさんが取り組んだ相談活動は、20年度で21万あまり、前の年度の2・7倍となり、相談活動を通じて20年度の1年間で全国で会員さんが2770人増えて、これは25年ぶりの増勢とうかがいました。心からお喜びを申し上げます。(拍手)

 このなかでフリーランスのみなさん、文化・芸術関係のみなさんにも、民商のみなさんが相談にのり、わがこととして取り組んでこられてきたことにも心から敬意を申し上げたいと思います。

「団結こそ何にも勝る宝」――コロナ危機のもと発揮された

 第2の理念は、「団結こそ何にも勝る宝である。自らが大きく団結したときこそ、中小業者の切実な要求を実現することができる」。

 これも深い意味があると思います。中小業者はある意味、「一国一城の主」で、業種も違うし、競争もありますし、なかなか団結しにくい面もあると聞きます。そういうなかで、民商・全商連のみなさんが、70年にわたって団結のネットワークをつくる努力をされてきた。

 その力がコロナ危機のなかでも発揮されました。持続化給付金、家賃支援給付金は、みなさんが声をあげ、団結を広げてきた結果、実現しました。コロナで傷ついた営業と暮らしを支援する取り組みは待ったなしですが、岸田首相が打ち出したのは「持続化給付金なみ」の支援を行うといいながら、額を半分にするというケチくさいものであり、しっかりした支援をみなさんとともに、団結を力に求めていきたいと決意しています。

「共通する要求で国民各層とともにたたかう」――重税反対から平和まで

 第3の理念は、「共通する要求で、労働者、農民など国民各層とともにたたかうならば、その要求実現の道をさらに切り開くことができる」。

 全商連の歴史を拝見いたしますと、1951年に全商連が結成されたさいは、重税反対の闘争が大きな力になって組織がつくられたとお聞きしました。庶民と業者を苦しめる重税に反対するというのが一貫した70年の歩みだと思います。いま消費税減税のたたかいが大問題になっていますが、この点でも力をあわせてやっていきたい。

 「平和でこそ商売繁盛」と太田会長がおっしゃっておられましたが、1954年にアメリカの水爆実験が行われ、魚屋さん、おすし屋さんなどが大変な打撃を受けた。そのときに全商連は手をとりあって補償を求める運動に取り組むとともに、「原子兵器禁止の国際協定を結んでください」などの要求を掲げ、署名運動に取り組んだ。それが次の年、1955年の第1回の原水爆禁止世界大会につながり、今日の核兵器禁止条約につながりました。私たちがニューヨークに行って、この問題に取り組むさいも、必ず全商連のみなさんと一緒に取り組んできたことはうれしいことでした。この点でも「平和でこそ商売繁盛」というみなさんの理念が今日の世界で本当に輝いていると思います。

 全商連・民商のみなさんの運動が、半世紀をこえて試された「三つの理念」にもとづいてますます発展することを心から願い、私たちも力をあわせて頑張る決意を申し上げましてごあいさつといたします。今後もよろしくお願いいたします。(拍手)