志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

TV発言

2021年10月21日(木)

NHK「ニュース7」 志位委員長が語る


 日本共産党の志位和夫委員長は19日夜、NHK番組「ニュース7」に出演し、総選挙の争点や野党共闘などについて次のように語りました。


野党共闘で政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権を

 ――それでは続きまして、共産党の志位委員長です。よろしくお願いします(志位「こんばんは」)。こんばんは。まずは今回の衆院選挙、何を問う選挙か。志位さん、いかがでしょうか。

 志位 野党共闘で、政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権をつくりたい。これにチャレンジしたいと決意しております。

 政治の中身としては、四つのチェンジを訴えております。

 弱肉強食の新自由主義はもう終わりにして、命と暮らし最優先の政治へのチェンジ。

 気候危機を打開し、地球の未来を守る政治へのチェンジ。

 ジェンダー平等の日本へのチェンジ。

 そして、憲法9条を生かした平和外交で、世界平和に貢献する日本へのチェンジ。

 この四つのチェンジで、国民みんなが希望をもって安心して暮らせる、新しい日本をつくりたい。このように訴えております。

共通政策、政権協力、選挙協力――準備万端整った

 ――志位さん、今回、共産党は立憲民主党と競合する20以上の小選挙区で候補者を取り下げたということになりました。この取り下げた狙いは何かという点と、その一方での党勢への影響というのは、どのようにお考えなのでしょうか。

 志位 これは、私たちは、今度の選挙で政権交代を実現しようと思ったら、野党ができるだけ結束しなくちゃいけない。本気の共闘をつくんなくちゃいけない。そのためには、三つ大事だと言ってまいりました。

 一つは、共通政策をしっかりつくる。二つめは、政権協力で合意する。そして、三つめは選挙協力です。

 まず共通政策という点では、市民連合のみなさんと4野党で、20項目の共通政策を確認しまして、平和、暮らし、ジェンダー、民主主義、自公政治を根本からチェンジする内容をしっかり確認しました。

 それから政権協力という点では、立憲民主党との党首会談で、新政権ができた場合には、共産党は「閣外からの限定的な協力」を行う、こういう合意を交わしました。ただ、この「限定」の中身は、いま言った20項目ですから、日本の政治をおおもとから変える立派な政権合意ができたと思います。

 そういう状況のもとで、小選挙区も最大限一本化して、大局に立って日本の政治を変えるという決断を私たちとしてもして、最終的に20を超える選挙区でも候補者を取り下げることもやりまして、213(選挙区)で野党が一本化するという態勢をつくりました。準備万端整いましたので、ぜひ、いい結果を出したいと考えております。

「閣外からの協力」で共通政策の実現、党としての積極的提案も

 ――そうしますと、政権交代が実現した場合に、いま閣外での協力というお話もありましたけれども、具体的にどういうスタンスで協力するのか。政策ごとに対応を変えるということになるのでしょうか。

 志位 いま言った(共通政策の)20項目については、閣外からの協力ですけれども、いっしょに力をあわせて実現をはかるという合意をしております。その他の問題についても、私たちとしては当然、賛成し得るものは賛成していく。共産党としての積極的な提案もしていく。そういう対応をやっていきたいと考えています。

大企業・富裕層が独り占めの「分配」のゆがみをただし、庶民の暮らしの底上げを

 ――そして今回、「アベノミクス」からの転換ということを訴えていらっしゃいますけれども、現在の経済政策の何が問題だと考えていますか。

 志位 「成長と分配の好循環」と総理はおっしゃっていますけれども、私は、分配の中身がゆがんでいると、ここに一番の問題があると思っているんです。

 「アベノミクス」の9年間で、日本の大富豪のもっている総資産は4倍に膨れ上がりました。大企業の利益は1・6倍になった。内部留保は133兆円も増えました。ところが、働く人の実質賃金は22万円も年間で減った。つまり、大企業と富裕層が分配を独り占めしてしまっていて、庶民のところに分配が回らない。この分配のゆがみが一番の問題だと思うんです。

 「トリクルダウン」ということでやってきたけれども、これは起こらなかった。だったら、「ボトムアップ」に切り替える必要がある。つまり、庶民のみなさんの暮らしを底上げして、経済をよくする。ここに切り替える必要があると、私たちは訴えています。

ワクチン接種と一体に大規模検査、暮らしと営業の支援を

 ――コロナ対策について伺いますが、これまでの対策で足りないところはどこかとお考えでしょうか。また、1人あたり10万円が基本の給付金ですとか、消費税率の引き下げなどを訴えていますけれども、どう財源を確保する考えでしょうか。

 志位 足らない点、さまざまありますけれども、私は、このコロナ対応、日本の政府の最大の弱点は、検査をおこたってきた、ここにあると思っています。

 去年の5月に厚労省は「PCR検査を広げると医療崩壊が起こる」という内部文書をばらまいて、検査を抑えました。結局、ずっと検査がやられないできた。とくに無症状の感染者に対する検査がやられないできた。これが何度も感染拡大の波をつくり、医療崩壊をつくった原因だと思うんですね。

 ですから、いまようやく新規感染者が減っているところですから、やはり検査をしっかり大規模にやって、感染の火種を消していくと。ワクチン接種と一体に大規模検査が必要だということを言いたいと思います。

 それから、コロナで傷ついている暮らしや営業へのさまざまな支援策を、私たち訴えておりますが、この財源は、緊急の出費ですから国債でまかなう。同時に、消費税5%(への減税)のような恒久的な措置の財源は、富裕層や大企業への応分の負担でしっかり財源をつくっていく。こういう考え方でのぞんでおります。

比例ブロックすべてで議席確保・増、小選挙区でも大幅に増やしたい

 ――では最後に、短く獲得議席の目標を教えてください。

 志位 比例代表で「850万票、15%以上」を獲得しまして、11の比例ブロックのすべてで議席増、議席確保、これを目指したいと決意しております。

 それから小選挙区は、(現有は)いま沖縄1区、一つですけれども、これは「宝の議席」ですから絶対に守り抜いて、沖縄のためにも、日本のためにも守り抜いて、そして小選挙区でも議席を大幅に増やしたい。このように決意しております。

 ――志位さん、ありがとうございました。

 志位 ありがとうございました。