志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

演説・あいさつ

2021年4月23日(金)

都議選・総選挙ダブルの躍進で東京から日本の政治を変えよう

東京オンライン演説会 志位委員長の演説


 日本共産党の志位和夫委員長が21日夜の「東京オンライン演説会」で行った演説は次の通りです。


写真

(写真)演説する志位和夫委員長=21日、東京都千代田区

 みなさんこんばんは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます(拍手)。今日は、私たちの演説会をオンラインでご覧いただき、また会場にお越しいただき、まことにありがとうございます。どうか最後までよろしくお願いいたします。(拍手)

 東京都議会議員選挙、総選挙が、目前に迫りました。

 都議会議員選挙で、日本共産党は、前回獲得した19議席を必ず確保し、さらに躍進をめざします。

 総選挙では、比例代表東京ブロックで、110万票以上を獲得し、現有2議席から、3議席目を奪還し、史上初めての4議席に挑戦します(拍手)。小選挙区でも史上初めての勝利をもぎとりたいと決意しています。(拍手)

 みなさん。都議選・総選挙で、ダブルの躍進をかちとり、首都・東京から日本の政治を変えようではありませんか。(拍手)

都議選の連続躍進――革新都政時代を上回る認可保育所を増やした

 これまで日本共産党は、東京都議選で、2013年、17年と、連続躍進をかちとらせていただきました。都議会では野党第1党です。国会でいえば100議席にあたる力を持ちます。わが党の国会議員は(衆参で)25人で、うらやましい(笑い)。はやく都議会なみの力を持ちたいと思っています。

 都議会で躍進した力はすごいものがあります。都民のみなさんの運動と力をあわせて、都政を動かすたくさんの成果をあげてきました。

パネル1

 とくに驚くのは認可保育所です。ご覧ください。(パネル1)東京の認可保育所数の推移です。認可保育所は、1967年から79年の革新都政時代に大きく増えて、12年間で838カ所増やしています。ところが自公都政になりピッタリと増加が止まりました。この状況を変えたのが2013年の日本共産党の躍進でした。13年の躍進以降の7年間で1410カ所増やしています(拍手)。革新都政の時期を上回る認可保育所を増やしているのです。

 2013年の都議選の躍進で条例提案権を回復した共産党都議団がまず提出したのは、認可保育所をつくるときの土地代を補助する条例案でした。そのときに自民党と公明党は「パフォーマンス」と攻撃して否決しました。「おとぎ話」とののしった自民党議員もいました。議事録にちゃんと残っていますから、取り消せません。しかし、共産党の条例案が契機になって、都政は認可保育所増設の方向にかじを切りました。一貫した共産党都議団のがんばりで、都の保育所予算は13年以降6倍になり、施設数は1・7倍になりました。(拍手)

 日本共産党をのばせば政治は変わる。そのことが絵に描いたように示されているではありませんか。(拍手)

 みなさん。どうか三たび、都議会での躍進をかちとらせていただきますよう、絶大なご支持をよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

新型コロナから命と暮らしをどうやって守るか

感染拡大の「第4波」は菅政権が招いた人災――いま政治がなすべき四つの仕事

 まずお話ししたいのは、新型コロナから命と暮らしをどうやって守るかについてです。

 全国でも、東京でも、感染拡大の「第4波」が深刻です。これは「やむを得ない」ものでは決してありません。政府がやるべきことをやらなかった結果であり、菅政権が招いた人災ではないでしょうか。(拍手)

 いま政治がなすべきは何か。端的に言って四つであります。

 第一は、コロナ封じ込めのための大規模検査を実行することです。

 第二は、中小業者のみなさんが事業を続けられる十分な補償を行うことです。

 第三は、医療機関への減収補てんに踏み切り、病床を確保するためにあらゆる手だてをとることです。

 そして第四は、東京オリンピック・パラリンピックは中止し、コロナ収束にあらゆる力を集中することです。(拍手)

 私は、このことをこの場でも強く求めたいと思います。

検査の抜本的拡大で封じ込めを――科学的主張が政府を動かしつつある

 新型コロナ危機がはじまって1年余りがたちました。私が訴えたいのは、この未曽有の大災害に対して、日本共産党が二つの先駆的役割を果たしているということです。

 第一は、PCR検査を思い切って増やして感染の封じ込めを、という日本共産党が一貫して求め続けてきた科学的主張が、ついに政府を動かしつつあるということです。

「検査を広げたら医療崩壊が起こる」との厚労省の内部秘密文書

 日本の人口比のPCR検査数は、今朝、直近のデータを調べてみましたところ、世界146位です。1年たっても、最下位クラスが続いています。なぜこんなに遅れたか。疑問に思っておりましたが、こういうカラクリがあったんです。

パネル2
(拡大図はこちら)

 (パネル2)これは、昨年5月、厚生労働省が秘密裏に作成していたPCR検査拡大に反対する内部文書です。この文書では、「希望者に広く検査を受けられるようにすべきとの主張について」の“反論”が書かれています。そんなことをしたら「医療崩壊につながる」「医療崩壊を招く」。こう書いてある。厚生労働省は「検査を広げたら医療崩壊が起こる」というウソをばらまいて、検査拡大を妨害していたのです。

 しかし、「検査を広げたら医療崩壊が起こる」といいますが、起こったことは反対じゃないですか。検査を怠ったために、感染が広がり、医療崩壊が起こり、何千という方が犠牲となりました。その責任はきわめて重いのではないでしょうか。(拍手)

問題は規模とスピード――「本気で検査を増やせ」という大運動を

 しかし、今年に入りまして、日本共産党の繰り返しの提起、各地の自治体の先駆的なとりくみ、何よりも自らの対策の行き詰まりに直面して、ついに政府も「検査の拡大が必要だ」といわざるをえなくなりました。

パネル3

 (パネル3)そこで日本共産党は、3月12日、緊急要請「コロナ封じ込めの大規模検査を」を発表いたしました。第一に、高齢者施設・障害福祉施設・医療機関等での定期的検査(週1回)を行う。第二に、感染源を見つけるモニタリング検査を「1日10万」の桁で大規模に行う。第三に、変異株の徹底検査、陽性者はすべて検査を行う。要するに、“検査を増やすというのだったら本気で徹底的に増やして感染の封じ込めを”。これが私たちの提案であります。(拍手)

 国会で、わが党が緊急要請を提起しますと、菅首相は、「方向性はほぼ一緒です。ただ量が違います」と答弁しました。「方向性はほぼ一緒」というのは、わが党の緊急要請の必要性を認めたということです。同時に「量が違う」という。これではまだ本気でとりくむ気がないっていうことじゃないですか。問題は量じゃないですか。規模とスピードだ、ということを私は訴えたいと思うのであります。(拍手)

 たとえばモニタリング検査がどうなっているか。昨日、政府に問い合わせてみますと、直近の数字で全国でたったの「1日2360件」です。私たちが求める「1日10万」からは桁が二つ足りませんね。“桁桁違い”になっている。政府が目標にしている「1日1万」にも遠く及びません。本気でやっているとはいえないじゃないですか。

 ならばみなさん。ここは、政府の尻をたたこうじゃありませんか。「コロナ封じ込めのための大規模検査を」という大運動を草の根から起こして、国民の命を守り抜こうではありませんか。(大きな拍手)

「自己責任」押し付けの「新自由主義」と正面対決、暮らしを守り抜く

 第二は、日本共産党が、「自己責任」を押し付ける「新自由主義」の路線と正面から対決し、暮らし、営業、社会保障を守るためにたたかいぬいているということです。

コロナという惨事に乗じた中小企業淘汰の政治は許さない

 中小企業切り捨ての政治を許していいのかが問われています。

 菅政権は、中小企業にとって「命綱」となってきた持続化給付金と家賃支援給付金を一回こっきりで打ち切りました。なぜそんな無慈悲なことをしたのか。背景に中小企業切り捨ての政治があります。

 菅首相のブレーンで成長戦略会議のメンバーに登用されたデービッド・アトキンソン氏は、「日本の中小企業は数が多すぎる。半分に減らしてもいい」と言い放っています。あなたはいったい何様か。コロナという惨事に乗じて中小企業を淘汰(とうた)してしまえ。こんな血も涙もない政治は絶対に許してはなりません。(拍手)

 私は、先日、全商連・民商のみなさんに、業者の現状をうかがいました。こういう訴えでした。

 「1年をこえる自粛に次ぐ自粛で、これまで何とか持ちこたえてきたお店が、次々と廃業に追い込まれています。とくに年末・年始、お花見、年度末・年度明け、ゴールデンウイーク、4回の『かき入れ時』が大打撃を受けたことは深刻です。このままでは大量廃業、大量倒産、大量失業になりかねません」

 こういう訴えでありました。

 みなさん。ここは政治の出番じゃないですか。持続化給付金、家賃支援給付金の第2弾の支給に踏み切れ――全国でこの声を広げに広げようではありませんか。(拍手)

二つの医療破壊を阻止し、医療に手厚い日本をつくろう

 医療破壊の政治を許していいのかも、大問題です。いま医療破壊を進める二つの法案が国会の熱い焦点になっています。

パネル4

 一つは、高齢者医療費2倍化法案です。75歳以上の370万人を対象に、医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる法案です。(パネル4)ご覧ください。これは年齢別の収入に対する患者負担の割合のグラフですが、この赤い棒――75歳以上の高齢者は、最も病気にかかりやすく、治療に時間がかかります。そのため年収に対する負担割合は、現在の1割負担でも、若い世代と比べて、4倍から6倍もの医療費負担を、いまでも強いられているのです。

 こういうもとで、負担を苦にした受診控えが深刻です。そこにコロナによる受診控えが加わっています。その時に受診控えをさらにひどくする負担増の追い打ちというのは、こんな冷酷非情な政治はないではありませんか。

 75歳になったらみんなでお祝いして医療費は無料にする。これが当たり前の政治ではないでしょうか(拍手)。反対に、年をとるとペナルティーをかける。こんなやり方は絶対に許すわけにいきません。力をあわせて、高齢者医療費2倍化法案を、廃案に追い込もうではありませんか。(拍手)

パネル5

 いま一つは、病床削減推進法案です。(パネル5)「地域医療構想」の名で、高度急性期・急性期病床の削減の動きが進められています。現在72・9万床あるベッドを、2025年には53・2万床に、20万もベッドを削ってしまおうという話なのです。そのために政府は、全国440の公立・公的病院の統廃合のリストをつくって、「さあ削れ」と号令をかけております。しかしみなさん、いま、コロナ受け入れで中心になってがんばっているのは公立・公的病院ではないですか。一方でコロナ病床を確保してくださいと言いながら、同じ口で統廃合を進めるというのは、支離滅裂な政治ではないですか。

 しかも驚くのは、ベッドを削減した病院には全額国費で補助金を出す。その補助金の原資は消費税増税分をあてるというんです。とんでもない話じゃないですか。政府は、消費税をあげるとき、「社会保障のため」とさんざん言ったじゃないですか。「社会保障のため」といって、国民のみなさんから消費税をむしり取っておいて、そのお金を使ってベッドの削減をやる。こんな二重三重に間違った政治はないではありませんか。(拍手)

 みなさん。命を削る医療破壊を阻止し、医療に手厚い日本をつくろうではありませんか。最悪の営業破壊税、福祉破壊税の消費税は5%に減税させようではありませんか。日本共産党の躍進で、コロナの先には、安心して希望をもって暮らせる新しい日本をつくろうではありませんか。どうかお力添えをよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

小池・自公都ファ都政のコロナ対応――「やってるふり」だけを繰り返した1年間

 小池都政――自民・公明・都民ファーストによる都政のコロナ対応はどうでしょうか。一言で言えば、検査についても、補償についても、国以上の仕事――都独自の仕事はしない。都民に対して「自助」「自衛」を求め続けるだけで、都政自身がやるべき仕事はしない。つまり「やってるふり」だけを繰り返してきたのが小池知事の1年間ではないかと、ずばり申し上げたい。(拍手)

「必要な検査をやっている」(小池知事)との姿勢を変えさせる

 検査はどうなっているか。

 共産党都議団が「検査が少なすぎると思わないか」と何度ただしても、小池知事は「必要な検査はやっている」の一点ばり。検査を拡大することに背を向け続けました。

 東京都とは対照的に、「国がやらないなら自治体独自でも」と、先駆的とりくみに踏み出す自治体があちこちに生まれました。世田谷区は昨年7月、PCR検査を思い切って拡充し、高齢者施設等への社会的検査に踏み出す方針を決め、実行に移しています。広島県では1月、無症状感染者に対する大規模検査の方針を決め、4月1日からは、約280万人の全県民対象に、いつでも、誰でも、無料で、検査を受けられる体制をスタートさせました。「国がやらないなら自治体独自でもやる」――これこそ地方自治体のあるべき姿ではないでしょうか。(拍手)

 こうしたなかで東京都も、共産党都議団の繰り返しの要求に対して、ついに4月、高齢者・障害者施設等に「週1回」の検査を実施する予算を計上しました。何度も何度も求めてきたものが実った。大きな前進ではないでしょうか(拍手)。ただ、モニタリング検査、変異株検査はまったく遅れています。都民の運動で、大規模検査を実行させ、都民の命を守る責任を果たさせていこうではありませんか。(大きな拍手)

“都独自の支援なし”でいいのか――都独自に協力金の対象の拡大を

 補償はどうなっているか。

 小池都政は、4月の補正予算で感染拡大防止協力金を計上しましたが、その中身を見てみると、98%は国からの財源によるものです。都が負担するのはたったの2%、事務費だけです。都独自の協力金はびた一文出さない。ただ、そのなかでやったことが一つあります。四つの店舗に罰則適用を申請した。都独自の支援なし。罰則だけ。こんな姿勢でいいのでしょうか。

 47都道府県で最も財政力があり、独自に財源をつくって補償を行う条件が一番あるのが東京都ではありませんか。(拍手)

 共産党都議団は、都独自に協力金の対象を広げ、自粛の影響を受ける関連業種の全体に対してしっかりと協力金を出すことを強く求めています。力をあわせて、都独自の支援をしっかり拡充せよ――このことを求めていこうではありませんか。(拍手)

五輪パラ開催はいよいよ無理――ただちに中止を決断し、コロナ対策に集中を

 東京オリンピック・パラリンピックをどうするか。私は1月の(衆院)代表質問で中止を求めましたが、それから3カ月。感染拡大が続くもと、いよいよ開催は無理であることが誰の目にも明らかになっているのではないでしょうか。

 こうしたなか自民党の二階幹事長は「中止も選択肢」と発言しました。これは、「開催ありき」の暴走が破綻したことを意味するものです。ところが小池知事は二階氏の発言について、「叱咤(しった)激励と受け止めた」と、なお開催に固執し続けている。だいたい「東京に来ないで」といいながら、3カ月後に「東京に来て」(笑い)とは、誰が考えても無理でしょ(拍手)。ただちにオリンピック・パラリンピックの中止を決断し、あらゆる力をコロナ対策に集中せよ――このことをこの場でも重ねて強く求めたいと思います。(拍手)

四つのチェンジで、安心と希望の新しい政治を東京から――都議選の争点について

 東京都政のどこが問題で、どう変えるか――都議選の争点についてお話しします。

 私は、「四つのチェンジで、安心と希望の新しい政治を東京からつくろう」ということを訴えたいと思います。

医療・介護・障害福祉・保育――「ケア」に手厚い東京を

 第一のチェンジは、コロナ危機で浮き彫りになった都政のゆがみをただし、医療・介護・障害福祉・保育など「ケア」に手厚い東京をつくろうということです。(拍手)

 自民・公明の都政は、都立病院を16カ所から8カ所に半分にしてしまいました。保健所を71カ所から31カ所にこれも半分にしてしまいました。その結果が、現在の医療と保健所の逼迫(ひっぱく)・疲弊ではないですか。医療と公衆衛生をないがしろにしてきた都政のゆがみがコロナで噴き出しています。

都立・公社病院の「独立行政法人化」――不採算の部門は切り捨てられる

 その時に、いま小池都政がやろうとしていることは何か。八つの都立病院と、都立に準じる六つの公社病院のすべてを「独立行政法人化」するという。いったいどういうことになるでしょうか。

パネル6

 これをごらんください。(パネル6)東京都の出した「都立病院の役割」と題する文書があります。そこには都立病院は「『行政的医療』を提供することを基本的役割」とすると書いてあります。「行政的医療」とは何か。感染症医療、災害医療、難病医療、小児特殊医療、周産期医療、救急医療、障害者医療、島しょ医療などが列挙されています。つまり、たとえ不採算であっても都民の命を守るために必要な医療をしっかり提供する、これが都立病院の役割なのであります。

 これが独立行政法人化されたらどうなるか。そもそも独立行政法人化とは何か。総務省によれば「企業的経営手法」による運営が大原則とされています。ひらたく言えば「稼ぐ医療」にするということです。「稼ぎ」の良い分野に集中して、「稼ぎ」の悪い分野――不採算の部門は切り捨てるということです。実際、独法化にともなって、東京都から都立病院会計への運営費負担金約400億円が減らされる危険があります。そうなれば不採算の部門は切り捨てられ、「行政的医療」は提供できなくなってしまいます。

 コロナ対応はどうなるか。現在、すべての都立・公社病院がコロナ患者を受け入れ、東京全体の34%のコロナ病床を引き受けています。コロナの重点受け入れ病院を担ったのも都立・公社病院です。しかし、コロナ対応には人手も、コストもかかります。こういう分野は、独法化されたら一番の不採算の部門として切り捨てられてしまいます。

「医療ツーリズム」――海外の富裕層のために医療資源を優先的に振り向ける

 「稼ぎ」の悪い分野を切り捨てて、「稼ぎ」の良い分野に集中する。その行きつく先はどうなるか。

パネル7
(拡大図はこちら)

 これをごらんください。(パネル7)3月9日の都議会で、白石たみお都議が告発したもので、都がつくった独法化の検討文書です。「外国人受け入れ態勢の強化により東京の稼ぐ力を牽引(けんいん)」、「医療ツーリズムへの対応」と書いてあります。

 医療ツーリズム(医療観光)とは、日本を訪れる富裕層の外国人向けの医療を進めようというものです。全額自己負担で、高い診療費を支払う外国人は優先的に扱われることになるでしょう。保険診療で受診している多くの日本人患者は、後回しにされることになるでしょう。公的医療保険制度を壊すと、日本医師会も厳しく反対しているものです。

 都民の命を守る「行政的医療」を切り捨て、海外の富裕層のために都民の大切な医療資源を優先的に振り向ける。邪道中の邪道ではありませんか。(大きな拍手)

 コロナのさなかに、こんな間違った政治を押し付けるなど、絶対に許すわけにいかないではありませんか。(拍手)

 自民、公明、都民ファーストは、都立病院独法化に反対する請願を不採択にし、独法化推進の先兵になっています。厳しい審判を下そうではありませんか。(大きな拍手)

 日本共産党の躍進で、都立病院・公社病院の独法化をやめさせ、拡充をはかりましょう。減らされてきた保健所の常勤職員を増やし、保健所の増設をはかろうではありませんか。(拍手)

「稼ぐ東京」=大企業のもうけ第一の都政から、福祉と暮らし第一の都政に

 第二のチェンジは、「稼ぐ東京」の名での、大企業のもうけ第一の都政から、福祉と暮らし第一の都政に切り替えようということです。

 小池知事は、昨年6月、2期目の所信表明演説で、「稼ぐ東京」を「東京大改革の第一の柱」にすると宣言しました。「稼ぐ」といっても都民の「稼ぎ」を良くする話ではありません。大企業の「稼ぎ」を応援し、多国籍企業を東京に誘致してこようという話です。その具体的中身は何か。3点ほど話します。

羽田新ルート――「五輪」「外国人観光客」のためという理屈は成り立たない

 一つは、騒音と危険の羽田新ルートです。

 昨年3月から、住宅と都市機能が密集する都心部の上空を超低空で飛行する新飛行ルートの本格運航が始まりました。「家の中で窓を閉めていても響くごう音で心が休まらない」、「お庭で遊んでいた園児が騒音におびえて泣きだした」、「落下物が不安」など、怒りと不安の声が広がっています。小池知事は新ルート計画を了承し、自民、公明、都民ファーストはこれを推進しました。

 しかし、この計画は破綻してしまっています。国土交通省は、羽田新ルートは、「五輪のための羽田増便」、「外国人観光客呼び込み」のためだと説明しました。しかし、コロナで、そんな理屈はもはや成り立たなくなっているではありませんか。理屈がなくなろうと、決めたことはあくまでやる。こんな政治は、断じて認められません。危険きわまる羽田新ルートは撤回させようではありませんか。(拍手)

東京外環道路――「地上への影響は生じない」との言い訳が崩壊した

 二つ目は、東京外かく環状道路です。

 現在、練馬―世田谷区間の工事を強行していますが、難工事で事業費が2兆3500億円に膨らみ、1メートル1・5億円にのぼります。4年前の都議選で、私は1メートル1億円と告発しましたが、さらに膨れてしまいました。ところが、小池知事と自民、公明、都民ファーストは、外環道の湾岸道路までの延長を求めています。こういうものは、いったん始めると止まらない。整備費はさらに3兆円もかかります。コロナのもと、巨大道路だけは別会計でお金を注ぎ続けていいでしょうか。

 問題は巨額の費用だけではありません。

 昨年10月、調布市の住宅街で道路陥没が起こりました。地下空洞が相次いで発見されました。命にかかわる深刻な事態です。政府の有識者会議も、外環道の地下トンネル工事が、道路陥没の原因である可能性が高いと認めました。

 外環道の地下トンネル工事は、大深度地下使用法という、「40メートル以下の深い地下での工事は住民の同意なく行える」とする法律にもとづいて進められてきました。わが党は、国会で、この法律に対し、「たとえ大深度でも住民の生命に損害を及ぼす恐れがある」と強く反対しました。都議会でも、2017年、原田あきら都議が、シールド工法による地下トンネル建設によって、国内外の各地で地盤沈下や陥没事故が生じたことを示して、建設中止を要求しました。警鐘を乱打してきたのです。

 しかし、政府は「地上への影響は生じない」と言い張って外環道の工事を進めてきました。ところが道路陥没とともにこの言い訳が崩壊したではありませんか(拍手)。そうなると、外環道の建設は、大深度地下使用法に照らしても違法工事そのものになるではありませんか。(拍手)

 コロナで多くの都民が苦しんでいる時に、1メートル1・5億円、都民を陥没の危険にさらす外環道建設を進めるなど、いよいよもってとんでもないと言わなければなりません(拍手)。きっぱり中止し、そんなお金があるならコロナ対策にあてよ――この声を日本共産党に託してください。よろしくお願いします。(大きな拍手)

カジノ誘致――世界で廃れつつあるカジノを成長戦略にすえる愚かな政治

 三つ目は、カジノ誘致です。

 石原都政の「お台場にカジノを」の構想いらい、自民・公明都政はカジノ誘致に延々と「調査・研究」費を投じ続けてきました。自民、公明、都民ファーストは一貫してその旗振りをやってきました。しかし、みなさん、コロナで世界中のカジノは閉鎖と撤退に追い込まれているではありませんか。だいたいみなさん、カジノこそ典型的な「3密」じゃないですか(笑い、拍手)。世界で廃れつつあるカジノを、この期に及んで「成長戦略」に据えるほど愚かな政治はありません。(拍手)

 北海道は断念、千葉市も見送りを決めました。横浜、大阪では大反対運動が起こっております。日本共産党を躍進させていただいて、「カジノはいらない」というきっぱりとした審判を下そうではありませんか。(拍手)

国保料引き下げ、給食無償化、補聴器補助――「住民福祉の増進」にとりくむ都政を

 みなさん。これが「稼ぐ東京」の正体です。すでに破綻が明らかなものばかりじゃないですか。

 だいたい自治体の仕事が、大企業の「稼ぎ」の応援だというのは、地方自治が何たるかを忘れ去った堕落というほかないじゃないですか(拍手)。自治体の仕事は「稼ぐ」ことなんかじゃありません。「住民福祉の増進」こそ自治体の仕事ではありませんか。(大きな拍手)

 外環道などの巨大開発の無駄遣いにメスを入れれば、コロナ対策、福祉と暮らしのための予算をつくることは十分にできます。共産党都議団は、予算組み替え案や条例案の形で、次のような方向の政策を打ち出しています。

 ――高すぎる国民健康保険料を引き下げます(拍手)。子どもでも国保の均等割は、23区は5万2000円にもなります。赤ちゃんが1人生まれると、保険料が5万2000円も増える。こんなおかしな制度はないですよね。おむつをつけている赤ちゃんに、保険料が払えるわけがないじゃないですか。あまりにひどい制度なので、政府も軽減する法案を出さざるを得なくなっています。軽減にとどめずに、子どもの均等割はきっぱり廃止にしようではありませんか。(拍手)

 ――義務教育の学校給食は無料にします。だって、憲法26条は「義務教育は、これを無償とする」とあるじゃないですか。そして学校給食は教育の一環じゃないですか。子どもさんが一番楽しみにしていることの一つは、給食じゃないですか。都内でも1町4村が無償となり、23区でも、北区、品川区では補助を行っています。憲法26条通りに学校給食を無償にしようじゃありませんか。(拍手)

 ――補聴器購入への補助を行い高齢者の聞こえを支援します。共産党都議団が行った補聴器のアンケートによりますと、平均購入価格は27万円。高いですね。なるべく早く使うことが、生活の質を良くすると言われています。かつて都民・国民のみなさんの運動で、眼内レンズに保険適用させたことありましたでしょう。今度は、補聴器購入の補助を実現しようではありませんか。(拍手)

 みなさん。都政の姿勢を変えれば、こういう仕事に道が開けてまいります。日本共産党を躍進させていただいて、「住民福祉の増進」という自治体本来の仕事にとりくむ都政をつくろうではありませんか。どうかお力添えを、よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする都政を

 第三のチェンジは、ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする都政をつくることです。

 コロナ危機のもと「ジェンダー不平等・日本」の矛盾が噴き出しています。非正規で働く多くの女性が、コロナで困窮に陥っています。DVや虐待が深刻化しています。

自民都議の95%が属する「日本会議」――「選択的夫婦別姓反対」の運動

 ところが自民党はどうでしょう。前回当選の自民党都議の少なくとも95%が「日本会議」の地方議員団体の会員になっています。「日本会議」は「選択的夫婦別姓に反対しましょう!」とのビラをまき、署名運動まで行っている団体であります。戦前の日本がよかったと、侵略戦争を賛美し、日本国憲法を敵視し、女性差別の制度にしがみつく勢力です。こんな勢力に大切な都政をまかせるわけにいかないではありませんか。(拍手)

女性を性被害から守るとりくみの前進――「痴漢ゼロの東京を」

 率直に申しまして、この分野は、これまで都政の光が十分に当てられてきませんでした。それが、この間の日本共産党の連続躍進で、新しい議員も加わって、この分野にもとりくめるようになってきました。

 女性を性被害から守るとりくみが前進しています。

 共産党都議団は、2016年3月議会で、虐待や生活困窮などで居場所のない女子中高生など若い女性が、街をさまよい、性的搾取の被害にあっている実態を、都議会としては初めて告発し、対策を訴えました。当初は、こうした問題には都に窓口さえなく、質問準備にも苦労したと聞きますが、「若年被害女性等支援モデル事業」が18年度から開始されました。一歩前進であります。(拍手)

 それから、日本共産党東京都委員会のジェンダー平等委員会は、昨年8月~11月、痴漢の実態のアンケート活動にとりくみ、1435人から痛切な被害の状況が寄せられました。この調査結果をもとに、2月の都議会で、米倉春奈都議がこの問題を全面的にとりあげ、「痴漢ゼロの東京」をめざして都のとりくみの抜本的強化を求めました。私も動画を拝見しました。「痴漢は性暴力であり、性犯罪です。にもかかわらず、日本社会での扱いは軽く、日々加害がくり返されています」という訴えから始まる米倉都議の質問に、議場は静まりかえって聴き入ったと聞きました。

 米倉質問は大きな反響を呼んでいます。ここに持ってまいりましたが、20日発売の『週刊女性』は、米倉さんの質問に注目した痴漢問題での特集記事を、3ページにわたって掲載しています。米倉さんのインタビューも詳しく出ています。「痴漢は性犯罪だ」ということを国民の認識にしなくてはと訴えています。ぜひ、『週刊女性』のこの記事、私からもお勧めしたいと思います。(拍手)

理不尽な校則問題――高校生の運動とむすんで是正がすすむ

 共産党都議団は、都立高校の生徒に対する理不尽な校則の問題を、繰り返しとりあげてきました。

 昨年3月、今年2月の都議会で、池川友一都議は、ツーブロックの髪形を禁止する校則や、髪の毛が明るかったり、くせ毛があるなどの場合に、「地毛証明書」を提出させるなどの校則を是正することを提起しました。池川さんの質問は、東京新聞が1面トップで報道しました。動画が649万回再生され、テレビ番組も次々と報道する大反響となっています。

 これらの質問を受けて、都教育委員会は、3月16日、「通知」を出して、「生来の髪を大切にする指導を行」うこと、「生来の髪を一律に黒色に染色するような指導は行わない」ことを求めました。改善への一歩前進ではないでしょうか。(拍手)

 ツーブロックについても、池川都議の質問の動画を見たある都立高校生が、学校と交渉して、ツーブロック禁止の校則をあらためさせるという動きが起こっています。高校生が主権者として、自らの権利を守る運動を起こしていることは、素晴らしいことではないでしょうか。(拍手)

共産党都議団の女性比率72%――「ジェンダー平等」を綱領に掲げる党の躍進を

 日本共産党都議団は、18人中、女性都議は13人、実に72%です(拍手)。女性の比率は都議会の主要政党の中で抜群の高さになっています。団長、幹事長とも女性です。この構成のもとで、女性も、男性も、議員一人ひとりの個性とチームワークを存分に発揮して、素晴らしい大奮闘をしています。日本共産党東京都議員団は、わが党が誇るべき議員団だと、私は確信をもって言いたいと思います。(大きな拍手)

 「ジェンダー平等社会の実現」を党の綱領に掲げる日本共産党をさらに躍進させていただき、ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする新しい都政をつくろうではありませんか。どうか大きなご支援を、心から訴えるものです。(大きな拍手)

オスプレイ、低空飛行――米軍の無法やめさせ、平和な東京をつくろう

 第四のチェンジは、米軍のオスプレイ配備、無法な低空飛行をやめさせ、平和な東京をつくることです。

 首都の空を、米軍機がわがもの顔で飛び回っています。私は、二つの重大な事実を告発したい。

オスプレイ――横田基地が「特殊作戦の出撃拠点」に

パネル8

 一つは、オスプレイの問題です。

 2018年、米軍・横田基地に、米空軍のオスプレイが5機配備され、10機に増やされようとしています。(パネル8)これがその写真ですが、米空軍のオスプレイというのは、主に輸送に使う米海兵隊のオスプレイとは違うんです。敵地に低空で侵入する特殊作戦を任務とするオスプレイです。

 横田基地周辺では夜間の飛行訓練が急増しています。危険なパラシュート降下訓練も行われています。これらは夜陰に乗じて特殊作戦を行う訓練にほかなりません。この写真にもありますように、機体にはたえず機関銃が備えられていて、銃口を市民に向けたままの飛行を繰り返している。これは大問題じゃないですか。日本国民をなんだと思っているのか。

 横田基地が「空輸拠点」に加え、「特殊作戦の出撃拠点」にされようとしている。これは絶対に見過ごすわけにはいきません。

 オスプレイは、沖縄の空にも、首都圏の空にも、日本の空のどこにもいらない――沖縄と連帯してこの声を広げようではありませんか。(拍手)

米軍機の低空飛行――都心上空を米軍が勝手に訓練空域に

 もう一つは、米軍ヘリによる都心上空での低空飛行が常態化していることです。

 これは毎日新聞の1面です。ここに掲載された写真は、東京都庁の45階の展望台からほぼ水平方向に撮影した写真だといいます。およそ200メートルの高さで飛んでいることがわかります。

 日本の航空法では、住宅密集地では300メートル以上、非密集地では150メートル以上を飛行することを義務づけています。しかし米軍機はそんなものはお構いなしに飛んでいる。日米地位協定によって航空法の適用を除外されているのであります。これで独立国と言えるでしょうか。

パネル9

 しかも、米軍が都心上空で訓練空域を設定していたことが、米軍資料で明らかになりました。(パネル9)これは、わが党の塩川鉄也議員が国会で告発した米軍資料です。塩川さんの追及に対し、政府は「提供している空域はない」と答弁しました。しかし、この点線の部分――ここをトレーニングエリア=訓練空域にすると書いてある。日本政府が提供しているものでないなら、米軍が勝手に設定していることになりますね。ところが政府は、抗議一つしようとしない。こんな姿勢で独立国と言えますか。

 小池知事の姿勢も同じです。共産党都議団が、低空飛行の事実を突き付けても、「安全保障は国の専管事項」と繰り返すだけです。しかし、さっきのこの写真は、都庁から撮っているんですよ(笑い)。都庁の目の前で繰り広げられている米軍機の無法に対して、抗議一つ言えない。知らんふりを決め込んでいる。これでは、知事失格ではないでしょうか。(拍手)

 みなさん。米軍機の無法な低空訓練はやめさせようじゃありませんか(拍手)。米軍に異常な特権を与えている日米地位協定の抜本改正を実現しようではありませんか。

 そして、「アメリカ言いなり」政治の大本にある日米安保条約を廃棄して、本当の独立国といえる日本をつくろうではありませんか。(拍手)

 平和な東京を願う声は、戦前・戦後ひとすじに反戦平和を貫いてきた日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

首都・東京から日本共産党躍進で、政権交代、新しい政権の実現を

本当の対決構図は、“日本共産党対自民・公明・都民ファースト”

 今日は、いろいろな角度からお話をしてきましたが、都議会議員選挙の対決の構図は明瞭であります。

 一部メディアは、「自民・公明対都民ファースト」という。しかし、それはまったくのうそですよ。どの問題をとっても、自民、公明、都民ファーストの間には、顕微鏡で見たって(笑い)、少しも違いなんかないじゃないですか(拍手)。そろって小池都政の応援団じゃないですか。

 本当の対決の構図は、“日本共産党対自民・公明・都民ファースト”。ここにあるのではないでしょうか。(大きな拍手)

 日本共産党の躍進で、自民、公明、都民ファーストに厳しい審判を下し、安心と希望の新しい都政をつくろうではありませんか。(拍手)

首都・東京の政治決戦は、日本の政治の行方を大きく左右する

 首都の政治決戦は、日本の政治の行方を大きく左右します。

 2013年の都議選での日本共産党躍進は、日本の政治に一大衝撃を与えました。直後の参議院選挙、私は全国各地に伺いましたけれども、全国どこでも街頭演説を行いますと都議選勝利の喜びに沸き返っておりました。そして、参院選での連続躍進となりました。そして、それは14年の総選挙躍進につながりました。

 こうした一連の共産党躍進があったからこそ、2015年、安保法制=戦争法反対のたたかいのなかで、私たちは共闘路線へと転換を行うことができたのです。その意味で、13年の東京都議選の勝利は、市民と野党の共闘への道を開く歴史的な勝利だった、そう強調したいと思うのであります。(拍手)

 どうかみなさん。まずは目の前の都議選で、三たび、日本共産党の躍進をかちとらせていただきたい。それは、菅政権に対するサヨナラの審判になるとともに、市民と野党の共闘を成功させる巨大なインパクトとなることは間違いありません。

 都議会議員選挙で、首都・東京から、日本共産党躍進をかちとり、続く総選挙で、政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権をつくろうではありませんか。そのことを心から訴え、全国のみなさんの熱いご支援も訴えて、私の訴えといたします。ありがとうございました。(大きな拍手)