2021年2月13日(土)
核兵器の存在 認めてはいけない
NGO連絡会が討論会
|
国会議員と被爆者らが参加して、核兵器禁止条約と日本の核軍縮政策に関する討論会が12日、オンラインで行われました。核兵器廃絶NGO連絡会の主催で、日本共産党の志位和夫委員長をはじめ自民、公明、立民、国民、社民、維新、れいわの代表が参加・意見表明。日本政府の禁止条約批准や核軍縮について討論しました。
共産党は志位委員長参加
禁止条約参加の一点で共同
志位氏は、日本政府が米国の核抑止力の「正当性を損なう」として核兵器禁止条約に背を向けていることについて、核抑止とは核兵器使用を前提とし、「いざという時には核兵器を使い、広島・長崎のような非人道的惨禍を繰り返すことをためらわないこと」だと指摘、「核兵器の非人道性を身をもって体験した被爆国の政府が、こうした立場をとることが許されるでしょうか」と批判しました。
さらに志位氏は、日本政府が安全保障環境を理由に核抑止力に依存していることについて、北朝鮮が核開発を進める論理も同じ核抑止であり、同じ論理に立ち北朝鮮に核放棄を迫っても迫力を欠くと指摘。「核兵器禁止条約に参加し、『われわれは核依存政策を放棄する。だからあなたも放棄せよ』と北朝鮮に迫ることこそ最も強い論理になる」と訴えました。
また、志位氏は日米安保条約と核兵器禁止条約の関係について述べ、「日本共産党は国民多数の合意で安保条約を廃棄することを党の大方針に掲げているが、安保条約の下でも禁止条約に参加できる」と強調しました。
核兵器の使用や威嚇を「援助、奨励、勧誘」しないなどの核兵器禁止条約の義務を履行しさえすれば、軍事同盟のもとでも同条約に参加することは可能だと指摘。ベルギー、スペイン、オーストラリアなど米国の軍事同盟国からも同条約を前向きに受け止め、参加などを模索する動きが起きていると紹介し、「日米安保条約を肯定する人たちとも、核兵器禁止条約に署名・批准する一点で協力したい」と表明しました。
禁止条約批准 日本急げ
被爆者と専門家が意見表明
立憲民主党の岡田克也衆院議員は「核抑止に頼らざるを得ないのが現実」としたうえで、核兵器禁止条約への参加を否定。社民党の福島瑞穂党首と、れいわ新選組の舩後靖彦参院議員は、日本政府に条約への署名・批准を求めました。
各党の発言を受けて、被爆者と専門家がそれぞれ意見を表明。日本原水爆被爆者団体協議会(日本被団協)代表委員の田中煕巳さんは、禁止条約発効を受け「核兵器の存在そのものを認めてはいけない」と強調し、核廃絶の一点で議論してほしいと要請。「唯一の被爆国として日本政府は直ちに核兵器禁止条約に批准してほしい」と語りました。
中央大学教授の目加田説子さんは、「人道的軍縮」へと安全保障のあり方が変わってきていると指摘し、「日本政府は何をするのか、条約をいつ批准できるのか、説明責任を果たし行動すべきだ」とのべました。