志位和夫 日本共産党

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演説・あいさつ

2021年1月19日(火)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が18日の国会議員団総会で行ったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=18日、衆院第2議員会館

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。通常国会の開会にあたり、ごあいさつを申し上げます。

 まず、閉会中の時期にも、各委員会での閉会中審査、さまざまな申し入れの活動、そして地元での活動など、国会議員団のみなさんが大奮闘されてきたことに対して、心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。(拍手)

コロナから命と暮らしを守り抜く――国民に安心と希望を届ける論戦を

 この国会は、全国各地で爆発的感染が起こり、医療崩壊が始まり、「緊急事態宣言」が再発令される情勢のもとでの国会となりました。

 新型コロナから国民の命と暮らしを守り抜く――このことを今国会の最重要課題と位置づけ、全力をあげる決意を、まずみんなで固めあいたいと思います。(拍手)

 今日の感染急拡大は、菅政権の無為無策と逆行の結果であり、その責任をただしていくことは、もちろん必要であります。

 同時に、コロナによって、深刻な不安と苦しみのなかにある国民に、「命と暮らしの危機をこうやって打開する」という、日本共産党の積極的提案を指し示し、その実現を政府に迫っていく論戦――国民に安心と希望を届ける論戦が何よりも大切であります。

 その基本点は、1月8日に党国会議員団として政府・与野党連絡協議会に提出した「政府への要望事項」にまとめられています。

 ――PCR等検査を抜本的に拡充し、無症状者を含めた感染者を把握・保護することによって、新規感染者を減らすこと。

 ――逼迫(ひっぱく)と崩壊の危機にさらされている医療機関への減収補填(ほてん)、保健所への支援の抜本的強化をはかること。

 ――自粛要請と一体に十分な補償を行い、雇用と営業を守る大規模な支援を行うこと。この立場にたって第3次補正予算案を抜本的に組み替えること。

 これらがわが党の提案の中心点であります。

 菅首相は、「緊急事態宣言」の再発令にさいして、飲食店への時間短縮要請など「四つの対策」を呼びかけましたが、そのどれもが国民に対して努力を求めるものとなっています。もちろん、それらの一つひとつは必要なものですが、それでは、政府として感染抑止のためにどういう積極的方策をとるのか、それが見えてこない。それがまったく欠落している。ここに最大の問題点があります。

 そういう状況のもとで、1月8日に提出した「政府への要望事項」を縦横に生かして、政府としていまなすべきことを具体的に提起し、実行を迫っていく論戦に全力をあげようではありませんか。(拍手)

罰則・制裁導入に断固反対――相互監視、差別と偏見、社会の分断を招く

 コロナ対策にかかわって、菅政権は、新型コロナ対応の特別措置法や感染症法の改定で、時短要請に応じない飲食店、入院勧告に従わない患者、患者受け入れに従わない病院などに対する罰則と制裁を導入しようとしています。

 日本共産党はこうした動きに断固反対を貫きます。(「そうだ」の声)

 何よりも感染症対策は、国民の納得と合意、十分な補償によって進められるべきではないでしょうか(「そうだ」の声)。患者の人権を尊重することは、強制収容という著しい人権侵害が行われたハンセン病などの痛苦の教訓を踏まえて、感染症法の基本理念に明記されていることであります。罰則をふりかざして強制することは、相互監視、差別と偏見、社会の分断を招き、感染症対策に逆行するものと言わなければなりません。

 私がこの点で強調したいのは、ここには、2中総で私たちが指摘した「強権政治」と「自己責任の押し付け」という菅政権の体質が、最悪の形で表れているということであります。こうした間違った道をきっぱりと拒否して、社会的連帯を何よりも大切にしてこそ、感染症対策は成功をおさめることができる。この立場で奮闘しようではありませんか。(拍手)

「政治とカネ」、学術会議――手を緩めず、厳しく追及していく

 前国会で未解決のままこの国会に引き継がれた一連の問題――「桜を見る会」の問題をはじめとした「政治とカネ」の問題、日本学術会議への人事介入の問題などについて、決して手を緩めることなく、厳しく追及していきます。

 コロナ対策との関係でも、それはきわめて重要であります。

 なぜならば、コロナ対策で何よりも重要なのは、政治への信頼、とりわけ政治リーダーに対する信頼だからであります。

 「桜を見る会」前夜祭をめぐって、安倍前首相と一体に1年も国会でウソをつき続けてきた。吉川元農水大臣らの深刻な贈収賄疑惑に対しても、一言の説明もしない。学術会議への任命拒否を行いながら、その理由をいっさい説明しない。そのような政治リーダーが国民の信頼を得られるでしょうか。答えは明白ではありませんか。(「そうだ」の声)

 政治の信頼を回復するうえでも、一連の疑惑の徹底究明をはかり、違憲・違法の任命拒否を撤回させるまで、引き続き頑張りぬこうではありませんか。(拍手)

総選挙勝利へ――「五つの提案」を示し、新しい日本が見えてくる論戦を

 みなさん。秋までには解散・総選挙が必ず行われます。

 この国会を、総選挙勝利に道を開く国会にしていくためにも、知恵と力をつくしたいと思います。

 とくに、2中総で提唱した「新しい日本をつくる五つの提案」の重要性を浮き彫りにしていく論戦に取り組みたいと思います。来年度政府予算案とのかかわりでも、「五つの提案」は、その抜本的対案ともなるものです。

 ――「ケアに手厚い社会をつくる」ことをめざし、ケア労働に携わる人々の待遇の抜本的改善を求めていこうではありませんか。公立・公的病院の統廃合、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担2倍化、これらをコロナ危機のもとで強行するなど、言語道断であります。社会保障削減政策を中止させ、拡充への抜本的な転換をはかる論戦に取り組もうではありませんか。

 ――軍事費が9年連続で過去最高額を更新しています。長距離巡航ミサイルなど「敵基地攻撃」能力保有のための武器購入、5000億円から1兆円といわれる「イージス・アショア」代替案など、軍事費の危険と浪費にメスを入れる、わが党ならではの論戦に取り組んでいきたいと思います。“軍事費を削って、コロナ対策に回せ”――このたたかいを進めようではありませんか。(拍手)

 ――菅政権は、コロナ危機のもとでも沖縄新基地建設のごり押しを続けています。沖縄県民と固く連帯して、辺野古新基地建設中止、普天間基地の無条件返還を求めてたたかい抜こうではありませんか。(拍手)

 ――1月22日、核兵器禁止条約がついに発効となります。人類の歴史上初めて核兵器が違法化される歴史的瞬間がまもなくやってまいります。この世界史的な動きに唯一の戦争被爆国の政府が背を向けているのは、恥ずかしい限りではありませんか(「そうだ」の声)。戦後一貫して核兵器廃絶を求め、行動してきた党として、核兵器禁止条約の署名、批准を求める論戦に大いに取り組もうではありませんか。(拍手)

 ――菅首相は「2050年温室効果ガスゼロ」を掲げながら、石炭火力の新増設、原発再稼働にしがみついています。これらの問題点を追及し、脱炭素・脱原発・再生可能エネルギーの大規模普及によるグリーン・リカバリー(環境に配慮した回復)ヘの転換を強く求めてたたかおうではありませんか。

 ――選択的夫婦別姓、性暴力根絶に向けた刑法改正など、ジェンダー平等をめざす法改正の実現のために今国会でも力をつくそうではありませんか。

 ――今年は東日本大震災・東京電力福島第1原発事故から10年です。国が設定した10年の「復興・創生期間」の終了をもって、被災者と被災地への支援を打ち切ることは絶対に許されません。新型コロナという新たな困難も踏まえて、支援の継続・強化を強く求めていこうではありませんか。

 主要な課題についてのべましたが、もちろん他にも大切な課題がたくさんあります。みんなで力をあわせて、新しい日本が見えてくるような論戦をやりたいと思います。

日本共産党躍進、「総選挙躍進特別期間」の成功に貢献する論戦を

 みなさん。この国会を、来たるべき総選挙での市民と野党の共闘の勝利、日本共産党躍進に道を開く国会にしていくために、力いっぱい頑張りぬこうではありませんか。

 そして、全党がいま取り組んでいる「総選挙躍進特別期間」の成功に貢献する、“日本共産党国会議員団ここにあり”という論戦と活動に、衆参国会議員団が力をあわせて取り組むことを訴え、私もみなさんとともに頑張りぬく決意をのべ、開会にあたってのごあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)