2020年7月18日(土)
生活・事業再建 直接支援を
熊本豪雨被災地 志位委員長が要望聞く
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鉄道復旧を超党派で促す
球磨村
球磨川の氾濫により25人が死亡した球磨村。床上浸水470棟の甚大な被害が生じました。濁流で押しつぶされた住宅も目立ち、ところどころで生活道路も寸断しています。
「千寿園」前で献花し黙とう
同村で志位氏は、崩落したJR肥薩線の球磨川第二橋梁(きょうりょう)や渡地区の被災状況を調査。14人が犠牲になった特別養護老人ホーム「千寿園」前で献花し黙とうをしました。
同地区でラフティング(ゴムボートによる急流下り)体験の会社を経営する内野友加さん(48)は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で客が減り、7月になって予約が入ってきた矢先の被害だった」と訴えました。
志位氏は「当面の生活を支えるための直接支援を実現させたい」と語りました。
工場にたまった大量の泥をかき出す作業に追われる自動車整備業の男性(69)は、自宅も2階まで浸水し、車中泊を続けているといい、「仕事が楽しいので、また必ずやりたい」と再建に向けた支援を求めました。
志位氏は「分散避難の被災者にも、ちゃんと支援物資が届くようにしたい」と応じました。
同村の災害対応の拠点となっている総合運動公園「さくらドーム」では、松谷浩一村長と懇談しました。
松谷村長は、自宅に被害がなくても道路の寸断で避難せざるを得ない住民がいるなどの現状を説明。「村が元の姿に戻るには相当な時間を要します。長期的な財政面の支援を」と要望しました。
志位氏は、被災自治体への速やかな交付金の支給、被災者生活再建支援法の柔軟な運用と支援金の引き上げ、国の支援による鉄道の早期復旧に「被災地の声を聞いて超党派で取り組みたい」と述べました。
知事に義援金を渡し懇談
県庁
志位氏は熊本県庁で蒲島郁夫知事に義援金を手渡し懇談しました。
志位氏は豪雨被災地の人吉市、球磨村で被災者や各首長から被害の現状や要望を聞いたことを伝え、「コロナ禍で苦しんでいる下での豪雨災害で二重に被害が大きくなっている。これまでの支援の延長線上にとどまらない被災地支援をする必要があることを実感しました」と述べました。
蒲島知事は、義援金と、日本共産党県委員会と山本伸裕県議が申し入れた被災対策への感謝を表明。党の申し入れ書をかざしながら、「県の行っている対策と照らし合わせ、一つ一つチェックしました。みなさんのアドバイスを取り入れています」と応じました。
蒲島知事は「4年前の震災からの復興を進めている矢先に新型コロナウイルス感染症対策が求められ、ようやくコロナが落ち着いてきたところに集中豪雨。まさにトリプルパンチです」と語りました。
懇談の中で蒲島知事は、中小企業・小規模事業者の事業継続を支援するために、グループ補助金の適用と事業者に対する直接支援を求めたいと志位氏に要請。避難者のためのホテルや旅館の借り上げを国費で行えるようにしてほしいと求めました。
志位委員長、知事からの要請 国に伝える
武田防災相から回答
日本共産党の志位和夫委員長は17日、熊本県庁で記者会見し、豪雨被災地の人吉市、球磨村を訪問したことを振り返り、「今度の豪雨災害が、新型コロナで窮状におかれている方々に追い打ちをかけ、非常に厳しい状況におかれていることを実感した」と述べました。
その上で志位氏は、中小企業・小規模事業者の事業継続のための支援が強く求められていることを痛感したと述べ、グループ補助金の適用とその拡大とともに、事業者に対する直接支援策を国に求めることを表明しました。
志位氏は、知事との会談後、武田良太防災担当相に直接電話し、中小企業・小規模事業者に対するグループ補助金の適用と事業継続のための直接支援、被災者のための旅館やホテルなどの借り上げを国費で行うことなど、知事からの要請を伝えたことを明らかにしました。
この中で、武田氏から、グループ補助金とホテルや旅館の借り上げについては「すでに措置をしている」との回答があったと報告。直接支援について武田氏が「現在、政府部内で検討している。もう少し時間がほしい」と答えたことを紹介しました。
また志位氏は、著しい被害をもたらした水害について、「豪雨をもたらした線状降水帯には、信濃川の800倍もの水蒸気があったと言われている」と指摘。「100年に1度と言われる災害が毎年起きる背景に地球温暖化があり、これは新興感染症の多発とも根は一つです。こうしたおおもとを解決していく必要があることを指摘したい」と語りました。