2020年5月1日(金)
新型コロナ問題
医療・暮らし・営業 現場の声をつきつけ 解決策を提案する
衆院予算委 志位委員長の質問
日本共産党の志位和夫委員長が29日、衆院予算委員会で行った補正予算案についての質疑は次の通りです。
志位和夫委員長 日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。
冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々への心からの哀悼とともに、闘病中の方々にお見舞いを申しあげます。
医療従事者をはじめ、社会インフラを支えて頑張っておられる方々に感謝を申し上げます。
新型コロナ危機に対して、いま政治は何をなすべきか。わが党の提案を示しつつ、総理の見解をただしたいと思います。
志位「PCR検査センターの整備 推進のため、新たな予算措置をとれ」
首相「緊急包括支援交付金を創設」「運営に要する費用は補正予算に計上」
志位「補正予算案には『検査センター』の整備予算は1円も入っていない」
PCR検査センターの設置推進のため、新たな予算措置をとったのか
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志位 まず、医療崩壊をいかにして止めるかについてであります。
私は、そのための一つの大きなカギは、PCR検査の体制を抜本的に改善・強化し、必要な人が速やかに検査を受けられる体制に転換することにあると考えます。
現状は、PCR検査数があまりにも少ない。総理は、検査数を1日2万件まで増やすと言われますが、実施数は1日8000件程度にとどまっております。「発熱やせきなどコロナを疑わせる症状が続いているが検査が受けられない」などという悲鳴がうずまいております。
なぜそうなっているのか。パネル(1)をご覧ください。
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このパネルの左側の流れ――これまでの検査方式では、感染が疑われる人は、まず「帰国者・接触者相談センター」に相談しなければなりません。しかし、それを担っている保健所が、能力の限界を超え、疲弊しています。そして、検査を実施するのは「帰国者・接触者外来」ですが、ここも能力の限界が来ています。
全国どこでも「保健所の電話がつながらない」「保健所が検査が必要と判断しても、実施まで5日かかる」という事態が続いています。多くの国民が、検査が受けられない状況が続くもとで、市中感染が広がり、各地の病院で院内感染がおこり、医療崩壊が始まりつつあります。検査が遅れた結果、重症化が進み、命を落とす方があいついでいます。
そうしたもとで、わが党は、パネルの右側の流れを新たにつくる――感染が疑われる人は、保健所を通さずに、かかりつけ医に電話で相談し、PCR検査センターで検査する仕組みをつくることを提案してまいりました。
総理も、17日の記者会見で、「各地の医師会の協力も得て検査センターを設置します。かかりつけ医のみなさんが必要と判断した場合には、直接このセンターで検体を採取し、民間検査機関に送ることで、保健所などの負担を軽減します」と表明されました。遅きに失したとはいえ、これまでの検査方式の転換を表明したことは前進だと思います。
そこで総理にうかがいますが、政府として検査センターの設置を推進するために新たな予算措置をとったのでしょうか。端的にお答えください。
加藤勝信厚生労働相 新たな検査センターは、これはいわゆる「帰国者・接触者外来」の一形態です。したがって、それが基本的に検査センター、検査機能をもつ。検査と言っても、(検体を)ぬぐうという意味であって、実際の検査は、例えば民間の検査会社にお願いするということです。今回の補正予算の中にも、設置についての費用、運営に関する費用は計上されています。
志位 いま言われた、補正予算のなかの「運営に関する費用」というのは、これはPCR検査の本人負担の減免のための措置です。補正予算案は、総理がPCR検査センターをつくると表明した前につくられたものです。ですから補正予算案のなかには、PCR検査センターの費用は1円も入っていない。(検査センターの設置は)後から表明したものですから。
全国の自治体ではPCR検査センターをつくる動き――国の本気度が問われる
志位 政府の方針転換を受けて、全国の自治体では、PCR検査センターをつくる動きが始まっています。長野県では、24日に発表した県の補正予算案で、PCR検査センターを県内20カ所に設置する予算を10億3000万円計上しました。1カ所平均5000万円。札幌市も、24日に発表した市の補正予算案で、PCR検査センター設置予算を8600万円計上しています。東京都では医師会が主導して最大47カ所でPCR(検査)センターをつくる動きが始まっております。
1カ所平均5000万円として、全国で数百カ所つくるとなれば、200億円程度が新たに必要になってきます。
ところが、総理が「PCR検査センターをつくる」と方針転換を表明したにもかかわらず、補正予算案にはPCR検査センターの体制整備のための予算はまったく含まれていない。方針転換前に閣議決定した予算案のままです。
先ほど(加藤厚労相は)「(帰国者・)接触者外来の一形態だ」と言われましたが、(PCR検査センターという)検体を採取することに特化した機関をつくるというのは新しい方針じゃないですか。前のままの予算案では国の本気度が問われるのではないですか。
総理、「PCR検査センターをつくる」と表明した以上、その体制整備のために新たな予算措置をとるべきじゃありませんか。今度は総理がお答えください。
厚労相 PCRセンターは特別なものとおっしゃっていますが、そうではないのです。これは診療所です。そこで診療をし、そしてぬぐうのも診療行為です。これまで「帰国者・接触者外来」でやってきた事業を、特に別建てにつくってやる、プレハブつくってやる、これまでもそれはできたわけです。さらに、それを積極的に支援するために今回は補正予算にものせているということで、今、お話があったそれぞれの地域でそういう取り組みがあれば、それの設置にかかる費用、また運用費については国の負担する分についてはこの補正予算で見させていただきます。
志位 これまでも(予算は)ついているというけれど、検査センターという検体をぬぐうのに特化した機関をつくるというわけです。そして各県では、そのための予算を補正予算案で計上しているわけです。
検査を絞ってきた結果、医療崩壊が始まる――既存の予算の枠内でなく、新たな予算措置を
志位 全国の医療関係者にお話をうかがいますと、PCR検査センターをつくる努力が各地で開始されておりますが、困難が多いと聞いております。たとえば地域の医師会の協力を得ようとすれば、輪番で検査に当たる医師に対する手当てが必要になります。診療所を休止にするための補償も必要になります。多くの医療関係者は、強い使命感を持ってコロナに立ち向かっておりますが、使命感だけでは進みません。先立つものがなければ進まない。政府の強い財政的な後押しが必要です。先ほど49億円の話(「運営に関する費用」)をされましたが、ちょっと計算しても200億円くらいかかるじゃないですか。
政府はこれまで検査を絞ってきた。しかし絞ってきた結果、市中感染がまん延し、院内感染が多発し、医療崩壊が始まっています。この事実に直面して、総理自身がPCR検査センターをつくって大量検査を行うと方針転換を表明されたわけです。新しい方針をあなた自身が表明した以上、既存の予算の枠内で対応するのではなくて、それを実行するための新たな予算措置をとるのはあたりまえじゃないですか。それをやってこそ国の本気度が自治体に伝わって、PCR検査センターの設置が前に進むのではありませんか。総理いかがでしょうか。
安倍晋三首相 すでに加藤厚労大臣から答弁させていただきましたが、PCR検査センターを設置して、地域の医師会等へ委託する形で運営することで、あるいは歯科医師のみなさんにも検体採取にご協力いただくことなどの取り組みを推進することによって、これまで検査に従事されてきた方々の負担軽減をはかるとともに、検査拠点の確保をはかっていくこととしています。
このほか、感染管理の専門家による実地研修や感染管理の体制整備等を行うことで、「帰国者・接触者外来」を設置する医療機関を創設することも都道府県に対し依頼しております。
そうしたものに対しまして、政府としては補正予算において1490億円を計上し、緊急包括支援交付金を新たに創設しました。
そして、こうした取り組みを都道府県が推進することを強力に支援するとともに、また地方創生臨時交付金の活用によって、実質全額国費で支援をしていく、対応することも可能になっております。
そしてまた、これらの交付金とは別に、地域のPCRセンターの運営等、運営等に要する費用についても補正予算にも計上しております。ですからそこのところはしっかりと見ていただきたい。われわれはその費用は補正予算に計上しているということです。
自治体まかせでは進まない――政府として新たな予算をつけ、「プッシュ型」でやってこそ
志位 まず運営等の予算はつけているんだとおっしゃったけど、これは患者さんの本人の負担の減免のための49億円です。(検査センターの設置とは)別の予算です。それから「(緊急)包括支援交付金」を1490億円とおっしゃったけど、これはPCR検査センターをつくる前に決めたメニューです。その後に決めたのだから新しい予算措置をとれといっております。
これは総理、自治体まかせ、医師会まかせでは進まない。政府として新たな予算をつけて、「これだけの予算を積んだから、安心して進めてほしい」と言ってこそ、「プッシュ型」でやってこそ、前に進むということを強く述べておきたいと思います。
志位「コロナ患者受け入れ病院は大きな財政的負担がかかる。国が全額補償を」
首相「医療提供体制の機能は、国として責任をもってしっかりと守っていく」
志位「医療崩壊阻止のためには緊急に数兆円規模の予算が必要だ」
1病院あたり平均月2億円の減収(東京都杉並区の試算)
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志位 検査と一体に進めなければならないのが、感染者の治療、隔離と保護です。
重症や中等症の患者さんに対しては、コロナ患者受け入れ病院を確保しなければなりません。全国の医療関係者の方々にうかがいますと、患者さんの治療のために献身的な奮闘をされておられますが、病院がコロナ患者を受け入れるには、大きな財政的負担がかかるという切実な訴えが寄せられております。
パネル(2)をご覧ください。これは新型コロナ患者受け入れによる病院の減収要因がどのようなものになるかについての概略です。全国の医療機関から聞き取り調査を行いました。
まずコロナ患者の受け入れベッドを空けておかなければなりません。
医師・看護師の特別の体制をとらなければなりません。
特別の病棟や病室を整備しなければなりません。
一般の診療や入院患者数を縮小しなければなりません。
手術や健康診断を先延ばしすることも必要になってまいります。
これらによる減収に対する財政的補償がないままでは、対策を行うことはできません。
先日、私は、医療現場のみなさんに状況をお聞きする機会がありましたが、首都圏のある民間病院では、コロナ患者さん15人を受け入れるために、病床を41減らしています。別の民間病院では、コロナ患者さん20人を受け入れるために、病床を47減らしています。すべて病院の減収になっております。「このままでは夏までに資金がショート(不足)する」という切実な訴えも寄せられました。
そういうなかで東京都杉並区は、区内の四つの基幹病院について、新型コロナ患者の受け入れによる減収額を試算しています。「1病院あたり月1億2800万円から2億8000万円」――平均月2億円という数字が出てきています。
区長さんは、「コロナウイルスとのたたかいに献身的に挑めば挑むほど、病院が経営難になり、最悪の場合、病院の崩壊を招きかねない」と述べ、減収分の全額を助成する方針を打ち出しています。
総理、本来これは国がやるべきことではないでしょうか。新型コロナ対策にあたる病院に対して、「コロナ対策にかかる費用は、国が全額補償する」と明言すべきではありませんか。
全国のコロナ対応病院の減収補填には半年で1・4兆円――「包括交付金」(1490億円)では桁違いに足らない
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厚労相 パネルについてですが、まず空きベッドについては確保するための費用はすでに措置をさせていただいております。それから医師・看護師の特別体制をする、例えば病床を集めて、そうするとそこに手厚い看護が必要になってくる。当然そこには医師や看護師の配置も増えてくるわけであります。そうした場合には特定集中治療室管理料が算定できるように特例の扱いをし、かつその基準も、先般2倍以上の水準にあげる診療報酬の改定もさせていただきました。また特別の病棟・病室の整備については、今回の(緊急包括支援)交付金を使って、たとえばですね、別途整備をする場合には、それを支援するこういう費用ものせています。加えて診療報酬の全体としての減収を抱えておられるところには、よく事情を聴きながら、その状況状況を踏まえながら必要な対応をしていかなければならないと思っております。
志位 診療報酬を2倍にしたといわれました。これ自体良いことだと思うのですが、重症患者の治療だけです。それ以外の中等症患者の治療にはわずかな加算だけです。そして、診療報酬というのは、治療行為が行われた後に支払われるものであって、病院がコロナ患者を受け入れる場合のさまざまな減収――たとえば先ほどあげた一般の診療や入院患者数の縮小――こういう減収を補填(ほてん)するものではありません。
それから「緊急包括支援交付金」のことをまた言われました。しかし現在、「帰国者・接触者外来」等として、コロナ患者受け入れ先となっている医療機関は、全国で約1200病院あります。コロナ対応病院がこうむる減収額が、先ほどの杉並区の例で月2億円としますと、全国のコロナ対応病院の減収分を補填するには月2400億円かかります。半年で1・4兆円です。「緊急包括支援交付金」1490億円では、桁違いに足らない。ここでも抜本的財政措置をとることを強く求めたいと思います。
「政府が『お金のことは心配するな』という強いメッセージを」(民間病院の院長)
志位 もともと、政府の医療費削減政策によって、多くの病院は日常からギリギリの経営を余儀なくされています。さらにコロナ禍によって、深刻な受診抑制が起こり、経営を圧迫しています。そこにコロナ患者への対応を行えば、倒産は必至だという悲鳴が全国から寄せられております。
コロナ患者の検査と治療のために懸命の取り組みを行っている、ある首都圏の民間病院の院長からは次のような訴えが寄せられました。総理、お聞きください。
「日本という国は、高度な医療と素晴らしい健康水準を達成していると言われてきましたが、こういった問題が起こると、ほとんどの病院が経営的にも人材的にもギリギリのところでやっていて、たちまちに崩壊モードになってしまうことがよく分かりました。それでも医療従事者は、強い使命感をもって、命がけで頑張っています。そのときに、政府が『お金のことは心配するな。国が責任をもつ。だから医療従事者は結束して頑張ってください』という強いメッセージを出してほしい。それがないと乗り切れない」
「お金のことは心配しないでやってほしい」。このメッセージを総理の口から言っていただきたい。いかがでしょうか。
首相 先ほど厚労大臣から答弁をさせていただきましたが、まさに最前線で感染と背中あわせの大変な努力をしていただいていることに改めて感謝申し上げたい、敬意を表したいと思います。
そのなかで、各病院の経営を圧迫している、われわれも十分承知をしています。そこで先ほど厚労大臣から答弁させていただいたように、緊急包括支援交付金として1490億円を計上しておりまして、また地方創生臨時交付金の活用によって全額国費による対応も可能としているところでありますし、あわせてある程度の評価をいただきましたが、向き合う医療従事者の処遇改善に資するため重症者治療への診療報酬を倍増しているところでございます。また新型コロナウイルス感染症によって、経営に影響が出ている医療機関への支援も重要でございまして、今般の緊急経済対策において無利子無担保を内容とする経営資金融資による支援を行っていきます。
また、経営が厳しい医療法人や個人診療所に対しては今般の持続化給付金の対象とした上で、医療法人は200万円、個人診療所は100万円を上限に現金給付を行うこととしています。もちろんこれではまだ十分ではないかもしれませんが、その給付をさせていただきたいと思います。さらに空きベッドの確保の支援については病床を空けておくための経費として1床あたり定額の補助を実施しているところでございます。引き続き医療の現場を守りつつ、感染拡大防止にむけて、われわれも全力で取り組んでいきたいと思っております。
志位 いろんなこと言われました。「緊急包括支援交付金」とおっしゃいましたけれど、1490億です。(コロナ対応病院の損失補償には)1・4兆円かかるのです。「持続化給付金」と言われた。100万、200万です。いま1億、2億という単位の赤字が問題になっているのです。
「頑張っている医療機関ほど赤字になってしまう。財政支援が必要」(全国公私病院連盟会長)
志位 全国1600の病院が加入する全国公私病院連盟の邉見(へんみ)公雄会長は、政府あての緊急要望で、次のように訴えております。
「病院が新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるためには、外来・入院・救急等での当該患者に特化した人的・物的、受入・療養の準備が必要であり、それに係る財政的負担は膨大である。財政的支援の裏づけがないままでは、その対策も十分にできない」「財政上の支援を公言していただきたい」
私は、邉見会長に直接お話をうかがう機会がございました。次のような訴えが寄せられました。総理お聞きください。
「医療機関には本来、(財政的・人的)ゆとりが必要ですが、それがまったくありません。そこにコロナが襲ってきた。コロナの影響で全体の患者さんが減っていることにくわえて、コロナ患者の受け入れには甚大な財政的負担がかかります。この状況下では、頑張っている医療機関ほど赤字になってしまう。財政支援が必要です」
こういう訴えですが、総理、全国1600の病院が加入する病院連盟の会長さんの声にどうお答えになりますか。重ねて求めたい。「コロナ対策による病院の減収分は国がしっかり補償する」と明言していただきたい。
首相 このコロナ対策においてご協力いただいている、もちろんコロナの感染者を受け入れている病院だけではなく、多くの病院がさまざまな影響を受けていると承知しております。この状況で苦しい状況にある医療機関、医療提供体制は、国民の命と健康を守るものですから、この医療提供体制の機能は国として責任を持ってしっかりと守っていく考えでございます。
志位 しっかり補填するとは言われないんですけれども、全日本病院協会の猪口雄二会長は「6月には資金ショートの病院が相次ぐ」と言っておられます。そこまで逼迫(ひっぱく)しているのです。ですから財政支援は一刻を争う課題だと重ねて述べておきたいと思います。
軽症者・無症状の方の療養施設――当面6500億円規模での予算が必要になる
志位 もう一点、軽症者・無症状の方には、隔離・保護のための施設が必要です。自宅で療養されていた方が急に症状が悪化して亡くなられたケースが伝えられました。家族の方々への感染を避けるためにも施設確保は急務であります。
政府は、コロナ軽症者や無症状者を療養する施設として、全国で21万室をこえる宿泊施設を確保したといいますが、医療従事者を集めるのも難航していると聞いております。ここでも財政的支援がどうしても必要だと考えますが、総理、どういう規模での財政的支援を考えておられますか。端的にお答えください。
厚労相 ご指摘の保健師、看護師については日中の常駐を、医師については日中夜間ともオンコールでの対応を求めておりました。こういった医師や看護師に対しては、先ほど申し上げた宿泊療養の場合には対応できるということで補正予算で対応させていただくことにしています。
志位 ですからどういう規模での財政的支援を考えているのですか。(政府、答えられず、審議が一時中断)
厚労相 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の中で対応することにしております。
志位 また「包括交付金」ですか。なにもかも「包括交付金」、1490億円。“打ち出の小づち”じゃないんですよ。
東京都の場合、東京都が確保したホテル・東横インの場合、軽症者100人の受け入れで、消毒などの関係で205室を借り上げたとのことであります。6月までで食事代などを含め6・5億円の予算が必要といいます。政府が言うように21万室を借り上げて活用すれば、単純計算でも、当面6500億円が必要になるわけです。「包括交付金」では足らない。ここでも抜本的財政措置が必要です。
医療用マスク、フェイスシールド、防護服をはじめ防護具を十分に提供すること、人工呼吸器やECMO(人工心肺)などの機材を急いで増産・提供することも必要です。
補正予算ではまったく足りません。
医療崩壊阻止のためには緊急に数兆円規模の予算が必要です。予算案の抜本的組み替えを強く求めます。
志位「雇用調整助成金を『コロナ特例』に――迅速に使える制度に、上限額も英国なみに抜本的に引き上げよ」
首相「『持続化給付金』もある」
志位「雇用者に対する支援も『世界で最も手厚い支援』といった。英国の半分でいいのか」
自粛要請などによって、直接・間接の損失を受けている、すべての個人と事業者に対し、生活と営業がもちこたえられる補償を
志位 つぎに進みます。
新型コロナ危機から暮らしと営業を守り抜くことは、切実な大問題です。
日本共産党は、外出自粛・休業要請などによって、直接・間接の損失を受けている、すべての個人と事業者に対し、生活と営業がもちこたえられる補償を、スピード感をもって実施することを強く求めます。安心して仕事を休める補償を行うことは、感染の爆発的拡大を止めるうえでも決定的なカギです。
政府が、当初の「一部の世帯に30万円給付」案を撤回し、「すべての日本在住者に1人10万円の支給」を決めたことは、国民の声が政治を動かした大きな成果だと思います。ただし、1回きりの10万円ではもちろん足りません。継続的な補償が必要です。
お弁当販売の業者の訴え――「3~4カ月後に雇調金が振り込まれても会社が存在しているか分からない」
志位 具体的に聞いていきます。
まず「生活を支える収入の補償」です。総理は、収入の補償について「雇用調整助成金でしっかりと補償する」と繰り返しておられます。
雇用調整助成金とは、社員を一時的に休業させる企業が、従来の賃金の6割以上の休業手当を払う場合には、国がその一部を助成する制度です。しかし、私は、率直に言って、いまの制度では、コロナ禍に苦しむ多くの中小業者・小規模事業者を救えないと思います。
さまざまな問題点がありますが、その一つは、手続きが煩雑で、あまりに時間がかかるということです。直近の数字で、各地のハローワークなどで受け付けた相談件数は19万件にのぼりますが、支給決定はわずか282件にとどまっています。
私の国会の事務所に、イベント専門でお弁当を販売している業者さん――従業員は現在6名と1名のアルバイトの方から、次の訴えが寄せられました。総理、お聞きください。
「私どもはイベント専門でお弁当を販売、お届けしております業者です。新型コロナウイルスの影響で売り上げは激減し、雇用の維持もかなり苦しい状況です。少しでも注文があれば心も救われるのですが全く注文が無くなりました。毎月のリース料金も払えないぐらい逼迫しております。本当にこのままですと、倒産を余儀なくされてしまいます。
雇用調整助成金の申請もしておりますが、聞いたところ申請が通って実際に振り込まれるのが8月ぐらいだと聞いております。雇用を維持する支援金だと承知しておりますが、3~4カ月後に振り込まれても会社が存在しているか分かりません。今こそこの国で税金を納めてきた国民を救済する時だと考えます」
総理、「3~4カ月後に振り込まれても会社が存在しているか分かりません」。この訴えにどう答えられますか。
厚労相 雇用調整助成金ですけれども、今申請があるのは3459件、そのうち329件に対してお支払いをさせていただいております。この3459件のうちも4月の後半にかなりの数が申請をいただいております。そういった意味でいろいろご迷惑をおかけしておりますけれども、私どもとしては体制を強化して事後処理のスピードを上げていく。それから申請そのものがなかなか難しいというお話もありました。申請項目等ずいぶん検証いたしましたけれども、それでも難しい方には社労士のみなさんが協力をいただいて、そういった方との相談を無料でいただける体制を、そういうことを含めて雇用調整助成金を活用していただける環境をつくっていきたいと思います。それから8月というのは、さすがに今の段階でそういうことを言っていることはないと思いますが、もし個別にあれば言っていただければ対処させていただきます。
二つの提案――「まず給付、審査は後で」「休業手当の支払い前に給付を」
志位 これは直接、当事者の方とよく事情をお聞きしての訴えであります。
今いろんなことを言われました。人員を増やすとか、あるいは検査事項を少なくするとか。しかし率直に言って、平時の発想だと思います。いまは緊急時です。私は、平時のやり方では救えないと思います。迅速に支給するために、雇用調整助成金を「コロナ特例」として、抜本的に改めることを提案したい。
次の2点を具体的に提案したいと思います。
一つは、「審査してから給付」では間に合わない。申請を受けたら「まず給付をして、審査は後で」――これに切り替えるべきではありませんか。
もう一点は、今の制度というのは、事業主が従業員に休業手当を払った後に、その一部を補填する仕組みですが、事業主にはそれをやる当座のお金がないわけです。ここから先に進めなくなる。休業手当の支払い前に、給付が受けられるようにすべきではないでしょうか。
早くやるというのであれば、そういった制度に抜本的に改める必要がある。総理、お答えください。
厚労相 本来なら計画を事前に提出いただくことは事後でもいいとか、できる限りの努力をさせていただいている。先に支給するというのは、要するに支払ってない段階で、支払うということになれば、後のチェックが相当大変になると思います。したがって、私どもだけでなく、企業にももう一度負担をお願いすることになるわけですから、そういった意味においても、支給していただいた金額を確認して、速やかにお支払いする。ご指摘の通り、確かに1回目の休業手当の支給は、資金を確保していただかなければなりません。それに対しては、さまざまな貸付制度等ご活用いただきながら、2回目以降の支給については、雇用調整助成金がしっかり活用していただける、そうした申請から支給までの間を1カ月と申していますが、実質は2週間ぐらいでやれるように、今最大限の努力をさせていただいています。
志位 計画書の事後提出もいいとおっしゃったけど、これは休業計画の提出の問題であって、私が求めているのは、まず給付をする、その後に休業手当を出す、そういうふうに改めないと救われない(ということです)。企業の事務手続きが大変だろうというけれど、つぶれてしまっては何もならないじゃないですか。
いま私が求めた二つの改善というのは、全国知事会も緊急要請で求めていることですよ。これは与野党の違いはない。ですから、これの真剣な検討を求めたいと思います。
日本は最大月16・7万円、英国は最大月33・3万円――「世界で最も手厚い支援」というなら抜本的な引き上げを
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志位 もう一つの問題点として、パネル(3)をご覧ください。雇用調整助成金で、政府が企業に支給する額には、従業員1人あたり「1日8330円」という上限があります。これがもう一つの問題点です。助成金で支給される額は、週5日・月20日の出勤で最大で月16万7000円にすぎません。
一方、英国では、休業を余儀なくされた企業の従業員に賃金の80%、最大月2500ポンド(約33万3000円)を政府が補償しています。日本政府の補償額はイギリス政府の半分にすぎません。
総理は、4月13日の自民党役員会でこうおっしゃっている。「今回の経済対策の内容は、事業者と雇用者に対する支援としては、国際的に全く遜色のない手厚いものとなった」「わが国の支援は、世界で最も手厚い」と。こうおっしゃった。「最も手厚い」とおっしゃるのでしたら、イギリス並みに補償を引き上げるべきではないですか。「1日8330円」の上限を見直すべきではないですか。
厚労相 それは上限額だけですが、イギリスの場合は3週間以上休まないと出ない。日本は1日でも休めば、休業手当は出ます。それから8割ですから、例えば同じ18万円を払っても、今回の中小企業の方々で、当該地域の知事等から自粛の要請がされたときは、われわれ10万円払います。しかしイギリスは、18万のうちの8割しか払われない。ですから、それぞれ違いがあることはご認識いただきたい。
その上で、今回の休業要請等がありますから、本来の中小企業でいえば、9割のものを10割まで全額払う、こういった措置も入れさせていただいた。これ以上の増加に関しては、労働保険の会計の中でやっていますから、現在の保険料の猶予等も含めて、現在われわれの中でできる最大限のことをさせていただいている。
首相 また、たとえばイギリスには、われわれが今回行う1人一律10万円の給付というのはありません。これは、日本独自のものでございます。また中小企業等への持続化給付金ですが、日本は100万円、200万円、資本金10億円未満に対して行います。
昨日はドイツの例が出ましたが、ドイツは従業員10人以下にしかわれわれが行っている100万円、200万円の給付は行われません。かつ100万、200万ではなくて、108万円と180万円ですから、われわれの方がより広くより手厚く行っているということを申し上げておきたいと思います。ちなみに、雇用維持の助成金については、ドイツは時短分の6割を政府が補償すると。われわれは時短分の100%、休業要請しているところには補償しています。60%超えるところには100%補償しているということですから、日本の方が手厚いといえるのではないかと思います。
志位 10万円を支給したといいましたが、1回きりではないですか。「持続化給付金」ということを言われるけど、これは事業者に対する支援じゃないですか。あなたは、雇用者に対する支援も、事業者に対する支援も、(日本は)「世界で最も手厚い支援」だといった。だから私はイギリスと比べて、イギリスは33万円出ているのに、日本は16・7万円でいいのかということを問うたわけであります。
失業給付との関係も言われた。しかしいま問題になっているのは、事業者が経営判断を間違えて経営が苦しくなったという問題じゃないんです。非常事態の下、政府の要請によって雇用と営業が危機にひんしているわけであります。従来の延長線上ではなく、雇用調整助成金を「コロナ特例」として抜本的に改めるべきですよ。私たちは、賃金の8割、上限月30万円を補償する。個人事業主やフリーランスに対しても、全額国が負担し、収入の8割を補償する制度をつくることを強く求めます。
志位「安心して休業できるよう、家賃など固定費の補償に踏み切れ」
首相「持続化給付金をお届けしたい」
志位「1回きりでなく、継続的に支給を」
首相「(収束まで)長引けば、さらなる対応も考えていかねばならない」
自治体では「家賃の8割補償」が始まっている――国ができないわけがない
志位 もう一点聞きます。
「事業を支えるための補償」という点では、感染拡大防止のために、安心して休業できるようにするためにも、家賃など固定費を補償することが大きな焦点となっております。
休業によって、収入はゼロにまで落ち込んだ。しかし家賃など固定費が毎月払わなければなりません。「出血多量で、瀕死(ひんし)の状態だ」という悲鳴が上がっております。「休業と一体で補償を」という痛切な声が全国から寄せられています。
そうしたもと、福岡市は県の要請を受けて、休業や営業時間の短縮を行った事業者を対象に、店舗の家賃の8割、上限月50万円を支給する仕組みがつくられています。北九州市でも、事業者に家賃の8割の補助を決定しました。総理、自治体では「家賃の8割補償」がすでに始まっている。自治体ができて、国ができないわけがないじゃないですか。家賃などの固定費補償に踏み込むべきではありませんか。
首相 たしかにこういう状況でございますから、多くの中小企業・個人事業主、中小規模企業の皆さんが大変苦しい状況の中、家賃等の支払いに大変苦労しておられる声は、私たちにも同じように伝わっているところです。そのなかで、現在イベント等の自粛要請に基づいて休業した方のみならず、多くの事業者の皆さんが極めて厳しい状況にあると認識しておりまして、重要なことは一日でも早く、制限のないお金をお届けするということでございます。先ほど志位委員もおっしゃったように、例えばイベント等の要請をしておりますが、イベント会社だけでなく、そこに仕入れているお弁当会社もそうでしょうし、その時に使われる段ボールを作る会社なども大変な損害を受けたということですから、われわれはイベントを行っている会社だけでなく、広く売り上げが減少したところに対して、持続化給付金という形で、先ほど申し上げましたように国際的にも遜色のない100万、200万円という持続化給付金をできるだけ早くスピーディーに幅広くお届けしたい、と考えております。
志位 「持続化給付金」とおっしゃいましたけど、これは条件がありまして、売り上げ半減以下が対象です。そうしますと少数の事業者しか対象にならない。売り上げが3、4割減っても、多くの事業者は事業存続ができない状況に追い込まれています。私は、困窮している人々の中に、線を引っ張って、分断をはかるようなやり方はよくないと思う。半減以下という線引きはやめて、対象を直接・間接に損失を受けた事業者全体に拡大すべきだと思います。
スナックや居酒屋も大事な文化――その灯を守ると約束してほしい
志位 そして何よりも問題なのは、「持続化給付金」は1回こっきりだということです。しかし家賃は毎月払わなければならない。
私は、東京でスナックや居酒屋など飲食業を営む方々に、お話をお聞きする機会がありました。「小さな飲食業者でも、家賃など固定費が毎月30万円から40万円という単位で出ていく。政府と都の給付金を合わせてもとても持たない」という訴えが次々と寄せられました。
ある事業者から、次のような訴えが寄せられました。総理、お聞きください。
「スナックや居酒屋は、人と人とのつながりを大切にしてきました。仕事に疲れた人々の憩いの場、温かい人情が愚痴も不平も包み込む、オアシスのような役割を果たしてきました。スナックや居酒屋も東京を支える大事な文化です。つぶれてしまったら、東京は砂漠のような街になってしまいます。営業を続けられる補償をお願いしたい」
これは地方でも同じであります。総理、「スナックや居酒屋の灯は守る」と、先の見えない事業者に約束していただきたい。
家賃など固定費への支援、「持続化給付金」は、1回こっきりではなく、複数回、継続的に支給することを検討していただきたいと思います。
首相 詳しくは西村大臣がお話しいただきます。先ほど、50%の半減でない方々にどうするかということでございます。そういう方々に対しては無利子、最大5年間元本返済据え置きの融資や雇用調整助成金による人件費の補助、あるいは国税、地方税、社会保険料の猶予等、さらに持続化給付金とは別に持続化補助金を倍増して100万円、2倍に引き上げまして、そういう方々に対しては事業完了を待たずに、即座に補助金を支払う特別枠を創設します。それをぜひご活用いただきたいと思います。
先ほどから申し上げているように持続化給付金については、だいたい半年間の地代等の費用分、これは全国平均なので東京ではもっとかかることは十分承知しております。ですから、これが長引けば、さらなる対応等についても、もちろん考えていかなければならないと思っています。
志位 「長引けばさらなる対応」ということも言われたので、ぜひお願いしたいと思います。全国知事会の緊急要請でも、私が述べた「支給要件の緩和」とともに「複数回支給」を要求しています。これも党派を超えてやるべきだと思います。
志位「イベント中止で深刻な打撃 ――日本の文化・芸術・スポーツを守るために補償を」
首相「ご協力に心から感謝。文化の灯は絶対に絶やしてはならない」
志位「総理が名指しで自粛を要請したのだから、特別の補償があってしかるべき」
「多くの人々の移動を止めた。それなのに補償どころか、ねぎらいの言葉さえない」(ホリプロ社長)
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志位 イベント中止ということを総理も先ほど言われました。それによる損失の補填の問題です。
パネル(4)をご覧ください。イベントの開催自粛は、総理自身が2月の段階から繰り返し名指しで行ってきたことです。それによって「ライブ・エンターテインメント」――音楽コンサート、演劇、ミュージカル、スポーツ、その他イベントがどれだけのダメージを被っているか。
ぴあ総研の調べでは、5月末までの推計で、中止・延期等した公演・試合が、15万3000本。入場できなくなった観客総数延べ1億900万人。入場料金の減少額3300億円といいます。
逆に言えば、延べ1億900万人もの人々の移動を止めているんですよ。これは巨大な社会的な貢献ではありませんか。
ホリプロ社長で日本音楽事業者協会会長の堀義貴さんは、私どもの「しんぶん赤旗」のインタビューで、次のように語っておられます。
「私たちは、感染拡大防止のため、国に協力しました。大手も小さな劇団も、人によっては倒産・解散も覚悟しながら中止を決断し、多くの人々の移動を止めたといわれています。それなのに、補償どころか、ねぎらいの言葉さえありません」
総理、この声をどう受け止めますか。
首相 私も記者会見等で申し上げてきましたが、イベント関係の皆さまはじめ、大変多くの方々の皆さまに、われわれの要請を受け入れていただき、ご協力をいただいたことに心から感謝申し上げたいと思います。そのなかでわれわれ、皆さまに対してできる限り、幅広く、支援をしたいという中において、先ほど申し上げました持続化給付金という仕組みを創設しましてできるだけ早くお手元にお届けをしたい。あと、さまざまなこの流動性の確保のための対策についてもしっかりと対応していきたいと思います。
文化・芸術・スポーツは、「ぜいたく」でなく、「酸素」のように必要不可欠なもの
志位 「持続化給付金」と言われますが、それだけでは到底対応できない方がたくさんいらっしゃいます。エンタメ関係者からはこういう訴えも寄せられました。
「イベント中止によって最も苦しい状態に陥っているのは、『舞台を裏で支えている人々』です。音響、照明、舞台装置、衣装、メーク、グッズの制作、会場警備など、裏方の方々です。そういう方々の暮らしが立ち行かなくなれば、日本の文化・芸術は土台から崩壊し、いったん崩壊したら再生できません。文化・芸術を壊さないための補償がどうしても必要です」
指揮者の沼尻竜典さんは、こう訴えておられます。
「文化・芸術は水道の蛇口ではありません。いったん止めてしまうと、次にひねっても水が出ないことがあります。今が公演を止めるべき時期だということは分かっています。ただ、文化・芸術の蛇口に手をかけている政治家の方々には、芸術の営みを止めることへの痛みを感じる想像力を持っていただきたく思います」
総理、この声にこたえるべきであります。
ドイツの文化大臣は、「芸術家・フリーランスへの無制限の支援」を約束しています。文化・芸術・スポーツは、私は、人間にとって「ぜいたく」なものではないと思います。人間として生きていくために必要不可欠な、「酸素」のような貴重なものだと思います。(「そうだ」の声)
総理、日本の文化・芸術・スポーツを守り抜くために、補償をきちんと行う、これを約束してください。(拍手)
首相 われわれの人生においても、生活においても、文化・芸術は必要不可欠だと思います。この中において、われわれどのような対応していくかということだが、持続化給付金については、こうした分野で頑張っている人に多いフリーランスを含む個人事業主に対しても給付をすることにしているし、これに加えて雇用調整助成金を大幅に拡充して、とくに休業要請に応じた中小企業については、休業手当の全額を日額条件の範囲で、国が肩代わりすることとしているし、スポーツ・文化のイベント中止をした際の税制特例、税や社会保険料の猶予、無利子無担保最大5年間元本返済不要の融資制度などあらゆる手段で、事業の継続と雇用の維持をはかってまいります。
またこういう国難というべき事態にありますが、こういうときこそ、人々の心を癒やす文化や芸術の力が必要であり、そうした困難にあっても文化の灯は絶対に絶やしてはならないと考えております。
今般の経済対策においても事態収束において、イベント実施において新たな支援創設や各地の公演、展示・展覧会の開催など文化・芸術に携わる人々の活躍の場を提供するための施策を講じていく方針です。その段階になってさらにお金で支援策を厚く講じてまいります。それまでの間、大変厳しいわけでありますが、われわれもできるかぎり、灯を絶やさないように全力を尽くしたい。
志位 イベント分野は総理が名指しで自粛を要請したわけですから、特別の補償があってしかるべきだと重ねて申し上げておきます。
志位「収束後の事業につぎこむ予算が1・7兆円あるなら、目の前の感染爆発、医療崩壊を止め、一刻も早い収束のために使え」
首相「文化・芸術に触れようというキャンペーンも行っていく」
志位「収束できたら、プレミアをつけなくても、みんなイベントに行く」
志位 時間が来ましたので最後に1問だけ。
「ただちに補償を」と求めるみなさんから共通して出された政府の補正予算案に対する批判があります。それは、「“Go To”キャンペーン事業」――新型コロナが収束した後に「官民一体型の消費喚起キャンペーンを実施する」という事業に1・7兆円ものお金をつけていることです。この非常事態のもとで、収束後の事業にのんきにお金を付けている場合かという怒りが広がっています。
収束のメドがつかないもとで、収束後の事業につぎこむ予算が1・7兆円もあるのなら、まずは目の前の感染爆発、医療崩壊を止め、一刻も早い収束のために使うべきではありませんか。総理、どうでしょうか。
首相 いま申し上げました、文化・芸術振興のための予算も、「“Go To”キャンペーン事業」に入っている。こういう文化・芸術に触れようというキャンペーンも行っていくわけです。いま厳しい状況ではありますが、収束後について、いつ収束するのかについてはまだ確たることはお答えできないが、その後にしっかりと、いま大変苦しい思いをしている皆さんにとって、将来のともしびとなるような政策もしっかりと示していくことが必要だと考えているところです。
志位 文化のお金も「“Go To”キャンペーン事業」に入っているというが、収束できたら、そんなプレミアをつけなくてもみんな(イベントに)行きますよ(「そうだ」の声)。早く収束させることが重要なんです。
補正予算案が、感染爆発と医療崩壊を止め、暮らしと営業を守り抜く内容となるよう、抜本的な組み替えを強く求めて、質問を終わります。(大きな拍手)