志位和夫 日本共産党

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党の会議での報告

2020年3月6日(金)

3月から毎月「党員現勢で前進」に転じよう――惰性を吹っ切って

全国都道府県組織部長会議(2日) 志位和夫委員長の発言から


 2日開かれた全国都道府県組織部長会議での志位和夫委員長の発言から、3月の党活動について、党員拡大での連続後退にピリオドを打ち、必ず前進に転じようと訴えた部分を紹介します。


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(写真)志位和夫委員長

 つぎに、今日の会議の主題についてであります。

2月の結果に確信をもち、3月は三つの目標をやりぬく

 若林義春党建設委員会責任者代理が述べたように、2月の取り組みの結果に深い確信をもち、2月の教訓を生かして、3月は三つの目標をやろうということです。

 一つは、「しんぶん赤旗」読者拡大を本格的な前進の軌道にのせる。

 二つは、改定綱領と党大会決定の徹底、学習、具体化をやりぬく。

 三つは、党建設の根幹である党員拡大で連続後退から前進に必ず転じることです。

 2月の読者拡大での結果は、全体として、たいへんに重要な前進であります。全国の同志のみなさんの奮闘を心からたたえ、心から感謝を申し上げたいと思います。2月の結果に、ぜひ深い確信をもつ必要がありますが、3月は、読者拡大だけに力を集中することを続けるわけにはいきません。

 もちろん読者拡大で、3月の前進をかちとることは容易なことでなく、拡大にとりくむ支部を全党の多数派にすることによって、本格的前進をかちとらなければなりません。「しんぶん赤旗」発行の危機を、本格的に打開する月にしなければなりません。

 読者拡大でさらに前進をつくりながら、改定綱領と党大会決定の徹底・学習・具体化をやりぬき、党建設の根幹である党員拡大でも前進に転じる。この三つの仕事をやろうというのが、3月の目標として提起をしたところです。

2月の読者拡大の教訓を3月の活動に生かす

 これをやりぬくうえで、私は、2月の読者拡大で重要な前進をかちとった教訓がどこにあるか、が大事だと思います。端的に言って、二つだと思います。

 一つは、「しんぶん赤旗」という、日本にとっても、まさになくてはならないメディアが危機にある。この危機を、みんなの力で打開しようということで、全党のみなさんの気持ちが一つにまとまったことです。

 もう一つは、これをやりぬくうえでは、あれこれを理由にして、“今月は減っても仕方がない”という、“仕方がない論”を吹っ切ろうということを、中央も自己検討をやったうえで、みなさんに訴えました。そういう自己検討を全党でやって、“仕方がない論”を吹っ切って前に進もうということが、教訓の核心部分だったと思うのです。

 この教訓の核心部分を、ぜひ3月は、読者拡大で引き続き生かすとともに、党員拡大でも生かしたいと思います。

「毎月の党員現勢で前進する」―このことが自覚されていなかった

 「しんぶん赤旗」については、“危機”という言葉を使いましたが、党員拡大については、党大会第二決議で“緊急で死活的”という言葉を使っています。“死活的”というのは、党が生きるか死ぬかの問題だということです。党建設の根幹が細り続けている事態を放置しておいて党の未来はありません。

 それでは、党員拡大の問題で私たちのとりくみがどうだったか。私たち中央に、党員拡大の問題での惰性があったと言わなければなりません。この惰性がどこに一番端的に表れたかといいますと、「毎月、毎月、党員現勢で前進する」、このことが自覚化されていない。中央としてもそこを自覚化して、「党員現勢で前進する」ということを明確に提起して、それを本気でみんなでやり抜こうという提起になっていなかった。ここに表れていたと思います。

 読者拡大の場合、現勢で当然、毎月、毎月、結果が出ます。いや応なしに前進、後退がはっきりします。ところが、党員の場合は、現勢で前進したかどうかがわかるのは、ちょっと時間がずれます。次の月の4日の報告でないとわからないということもあって、現勢で前進したのか、後退したのか、ここが実は、あいまいになっている。「毎月、毎月、党員現勢で前進する」というところがあいまいになっていた。

中央にも、この弱点があった

 私たち自身がそうだったと思います。私自身も、率直に言って、今年の「党旗びらき」のあいさつで、「党勢拡大大運動」で党員が何人増えましたと報告し、入党歓迎のあいさつをのべました。しかし、あいさつのなかで、「党員現勢では、これだけ減りました」ということを率直に伝えていません。党員現勢がどうなっているかを直視して、中央として訴えてきたとは言えない。

 毎月、一定の党員拡大をやっていたとしても、どうしても亡くなる方がいます。それから、できるだけ減らしたいけれど離党される方もいる。そういうなかで、一定の党員拡大をやっても、それ以上に減っていれば、現勢はどんどん減っていくわけです。数えてみたら、1年4カ月も連続後退が続いていたというのが現状であります。もし、「しんぶん赤旗」で、1年4カ月、連続後退が続いたら、たいへんな問題になります。しかし、党員拡大は、その後退の深刻なあらわれが出てくるのは、一定期間がたったあとになる。そういうこともあって、1年4カ月も後退を続けているのに、それが自覚化されてこなかった。中央にも、そういう弱点があったと思います。

 都道府県委員会や地区委員会では、どうでしょうか。

 党員拡大の目標を決める場合に、「総合計画」などでは、「現勢でこれだけ増やそう」と決めると思います。しかし、月ごとの目標としては、「何人増やそう」という拡大の目標だけ決めて、現勢でどれだけ増やすかという目標が決められていないし、自覚的に追求されていない場合も、少なくなかったのではないでしょうか。今月は、これだけ増やしたからまあまあか、ということですませて、現勢ではどんどん減っていく。これでは、党の先はなくなってしまいます。

 この3月から、こうした惰性を吹っ切って、文字通り、党員現勢で前進に転じようということが、今日の会議の要の命題であります。

「毎月、現勢で前進」は、決して無理な話ではない

 若林責任者代理の報告にもあったように、これは決して無理筋の話ではありません。きちんと自覚化されれば、できない話ではない。全国に315の地区委員会があります。315の地区委員会のすべてが、1人以上の党員を増やす。力のある地区委員会は5人、10人、20人と増やす。そうすれば、党員現勢でも前進することができます。それは、これまでの経験でも裏づけられていることです。

 ですから、若林報告にあったように、今月は全国すべての地区委員会で1人以上の党員を増やそう、力のある地区委員会は、5人、10人、20人と増やそうというのが一つであります。

 それからもう一つは、すべての支部が、対象者をあげて、まず入党の働きかけに一歩踏み出そうということです。党員拡大は、働きかけたらすぐに入党するというわけにはいかない場合が、もちろん多いわけです。まず働きかけること自体が大切であります。党員拡大の運動に失敗はないというのが、大会第二決議にも書いてあることです。そういう見地で、入党の働きかけにすべての支部で踏み出そう。

 この二つを自覚的にやろうというのが、今日の会議の提起であります。

 そのためには、長い間、この問題でも続いてきた後退に対して、胸に痛みは感じているが、直視しきれていない弱点があった。私たちは、月ごとに党員現勢の数字をみますと、残念ながら現勢で減っている。これは、胸が痛いことです。みなさんもそうだと思います。胸に痛みを感じながらも、それをリアルに直視して、本気になって打開するという立場に立ってきたとはいえなかった。これを一緒になって打開しようじゃないかというのが、今日の提案であります。