志位和夫 日本共産党

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2020年2月11日(火)

野党連合政権へ「政治決断」を

小沢政治塾 志位委員長が呼びかけ


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(写真)講演する志位和夫委員長=9日、東京都新宿区

 日本共産党の志位和夫委員長は9日、東京都内で開かれた「小沢一郎政治塾」の20周年記念特別講演に講師として招かれ、「本気の共闘と日本共産党の立場」と題して講演しました。この中で志位氏は、野党各党に政権合意に向けた政治決断を行い、ともに政権を奪取することを呼びかけ、参加者の熱気と拍手で会場は盛り上がりました。(詳報)

 志位氏は冒頭、小沢氏との出会いを紹介。30年前にNHKのスタジオで、自民党幹事長だった小沢氏と湾岸危機をめぐって激論を交わしたエピソードに触れ、長年にわたって立場が異なってきたと語りました。しかし、5年間の野党共闘のなかで信頼・協力関係を築くとともに、「政権党の中枢にいて、野党として2度自民党を倒してきた小沢氏の経験や知恵に学ぶところも多かった」と述べ、「こういう機会が巡ってこようとは想像もしませんでした。人生というものは愉快なものです」と語りました。

 日本共産党は党をつくって98年、国政で独自路線で通してきたことについて「それは一つの筋だった」と振り返りつつ、この数年来、「それでは情勢に対応できない」と、2015年9月に共闘路線に転換したことを語りました。そのきっかけが「オール沖縄」の経験と、安保法制に反対する市民の運動から湧き起こった「野党は共闘」のコールだったと述べました。「国民連合政府」を提案した際、「即断即決で評価してくれたのが小沢さんでした」と語りました。

 5年間の共闘の成果として、相互に支援しあう共闘への前進と、共通政策の合意の広がりがあると強調。同時に課題として、政権問題での前向きの合意をつくることをあげ、「ここで共闘を飛躍=バージョンアップさせるには、政権問題で前向きの合意をつくることは避けて通れません」と話しました。

 野党各党との党首会談で政権交代などを確認したことに触れて、「半歩進みました。もう一歩先に進めたい」と強調。そのためにも「野党連合政権」の実現に向けて(1)安倍政権に代わる政権をともにつくる政治的合意(2)「政権が実行する政策」=政権公約をつくるための政策協議を行う(3)小選挙区での選挙協力――を三位一体で進めたいと述べ、「この三つの中でも政権合意が最大のカギだと思っています。ここはぜひ、他の野党のみなさんにも決断していただきたい。われわれと一緒に政権を奪っていく、この決断をしようじゃないかということをこの場を借りて訴えたい」と話すと、大きな拍手が湧き起こりました。

 そのうえで志位氏は、政権として政策上の不一致点にどう対応するかもよく話し合っていきたいと述べ、日本共産党が独自に掲げる日米安保条約の廃棄、自衛隊=違憲などの見解、社会主義・共産主義にすすむ展望について、政権に持ち込むことはしないと表明。同時に、この間綱領を改定したことを紹介。中国の政権党による大国主義・覇権主義の行動を批判し、「その行動は、社会主義とは無縁であり、『共産党』の名に値しません」と語りました。

 志位氏は、安倍政権は「政権末期です」として、内政・外交ともにボロボロだと指摘。「政権を倒さないといけないのは自明ですが、倒した後にどういう政権をつくるか、野党としてそれをしっかりと示して選挙に勝とうではありませんか」と呼びかけると、会場から大きな拍手が湧き起こりました。

 講演後、塾生から相次いで出された質問に丁寧に答えました。

 「(政権)政策案は魅力的だが、諦めている有権者を振り向かせることができるか」との質問に、志位氏は「野党の本気の度合いがどれだけ伝わるかだと思います」と回答。「本気で政権をとるつもりがあるか、その迫力があるかを国民は見ているんじゃないでしょうか。政権の合意をつくり、政権が実行する政権公約をつくる。それをやって初めて響き方が違ってくると思います」と述べました。

 20代の塾生からは、若者や女性、LGBT(性的マイノリティー)が共産党や公党のリーダーになる条件があるのかという質問が。

 志位氏は、今回の綱領改定でジェンダー平等の実現を明記し、党の政策委員長に初めて女性を起用したこと、党の日常的指導機関である常任幹部会の構成も3割が女性になり、30代の若手を3人起用したことを紹介。「女性や、性的マイノリティーの方々も、党のリーダーになっていく。それが当たり前になる時代にするために、私たちも努力していきたい。野党共闘としてもジェンダー平等の実現をしっかり位置づけるようにしていくことが大事だと思っています」と語ると、拍手が起こりました。

 保守の中でも、対米従属から脱却をめざす勢力があるのではないかという質問も。志位氏は、安保条約肯定だった沖縄県の故翁長雄志前知事も、なんでもアメリカいいなり状態から脱却しなければならないという点では大きく一致していたとし、「保守の中でも、アメリカいいなりで本当の保守とは言えない勢力と、国を本当に思うまっとうな保守と二つあるだろうと思います。日本の自立を願っている保守の方々と協力していきたい」と述べました。

 また、「現在の政権の権力の恣意(しい)的乱用や不正を、政権交代で変えることができるのか」という質問も出されました。

 志位氏は、もし野党が政権を握れば、「森友・加計」疑惑や「桜を見る会」疑惑など、安倍政権によって隠されてきた文書、捨てられたとされている文書を洗いざらい明らかにすることができると指摘。「これだけでも日本の民主主義の一大進歩になる」と述べ、「安倍政権がむちゃくちゃにした日本政治を再建するだけでも大仕事です。その上で国民の切実な暮らしの願いにどこまでこたえられるか。具体的につめてメニューを示していくことが大事です」と話しました。