2020年1月24日(金)
「桜」疑惑 消費税・社会保障 中東派兵 ジェンダー問題
安倍首相の責任を問う
政権交代実現し、新しい日本を
衆院本会議 志位委員長が代表質問
ジェンダー平等で認識と対応ただす
日本共産党の志位和夫委員長は23日の衆院本会議で代表質問に立ち、「桜を見る会」疑惑、消費税、社会保障、自衛隊中東派兵、ジェンダー平等などの各問題で安倍晋三首相の責任を問うとともに、具体的な対案を示しました。安倍首相は自らの責任に対する自覚も、国民の苦しみへの認識もない答弁を繰り返し、切実な願いに背を向けました。志位氏は「安倍政権にこの国のかじ取りをする資格はない」と述べ、「野党共闘の力で政権交代を実現し、新しい日本をつくるために全力をあげる」と表明しました。(関連記事)(質問全文)
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志位氏は「桜を見る会」をめぐり、血税を使った買収疑惑、悪徳商法の会長を首相自身の推薦で招待し被害を広げた疑惑、法律や規則を無視して公文書を廃棄するなど最初から組織的隠蔽(いんぺい)をはかった疑惑の3点で、安倍首相の重大な責任を裏付ける事実を示しながら追及しました。安倍首相は「記録がなく詳細は明らかではない」などと無責任な答弁に終始しました。
志位氏は、消費税10%への増税が日本経済に新たな不況をもたらし、中小業者を深刻な苦境の淵に追い込んでいると指摘。安倍政権が進めようとしている「全世代型社会保障」について、75歳以上の医療費窓口2割負担、現在37~38歳の人が年金を受け取り始める時まで給付削減が続く「マクロ経済スライド」、現役世代の負担増にも直結する介護施設の食費負担引き上げなど、「文字通り全世代を対象にした社会保障切り捨てだ」と喝破しました。その上で、具体的な財源を示し、消費税を緊急に5%に減税して社会保障の充実に切り替えることを求めました。
安倍首相は国民の苦しみをよそに「消費税率の引き上げは、どうしても必要なもの」と強調。「全世代型社会保障」の推進を改めて強調し、負担増の押し付けを正当化しました。
緊張激化が続く中東情勢について志位氏は、米国によるイラン司令官殺害という無法な先制攻撃や、イラン核合意からの一方的な離脱について何の批判もせず、トランプ米大統領が呼びかけた「有志連合」に事実上応える自衛隊派兵を強行した安倍政権の対応を米国の「お先棒」かつぎそのものだと批判。中東地域の緊張緩和のためになすべきことは「自衛隊を出すことではない。トランプ大統領に対しイラン核合意への復帰を説く外交努力だ」と迫りました。
志位氏は、ジェンダー平等社会をめざす党の具体的立場をのべたうえで、政治の責任として▽男女の賃金格差是正のため、賃金格差の実態を見えるようにすること▽選択的夫婦別姓の実現と同性婚を認める民法改正▽強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」を撤廃し、同意要件を新設する刑法改正▽自民党改憲案にもみられる男尊女卑に貫かれた戦前の「家制度」への逆行の思想の問題―を提起しました。
安倍首相は「賃金の差異の公表は、誤解や混乱を招く恐れがある」「夫婦別姓は、国民の間にさまざまな意見がある」などと背を向けました。そのうえ、憲法24条が「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」するとしていることを持ち出して「同性カップルに婚姻の成立を認めることは憲法で想定されていない」などと強弁しました。刑法改正については、「ご指摘の点を含めて適切に対処していきたい」と答弁しました。