2019年10月25日(金)
野党共同会派に招かれ志位委員長語る
尖閣問題で懇談
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日本共産党の志位和夫委員長は24日、国会内で、立憲民主・国民民主などの共同会派の安住淳国対委員長に招かれ、「尖閣問題」を中心に懇談しました。他党・会派の会合に志位委員長がメインスピーカーとして招かれたのは初めて。
国民民主の原口一博国対委員長、「社会保障を立て直す国民会議」の広田一国対委員長、中村喜四郎衆院議員ら約20人が参加し、和やかに議論しました。日本共産党の穀田恵二国対委員長も同席しました。
安住氏は「よくいらっしゃいました。野党の共闘が国会でも選挙でも進んでいます。今度はぜひ志位さんに外交問題で話を聞こうとお招きしました」と述べました。志位氏は「今日はお招きいただきありがとうございます。野党の共闘がここまで来ているのかとうれしく思います。これを機会にさらに発展させていきたい」と応じました。
志位氏は冒頭、東シナ海の問題で、海上保安庁の資料を示しながら、「中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵入、接続水域進入が常態化している」と述べ、これに安倍首相がまともな抗議もしていないと指摘。15日に孔鉉佑(こうげんゆう)駐日中国大使と会談した際に、「中国にどんな言い分があろうと、他国が実効支配している地域に対して、力で現状変更を迫ることは、国連憲章などが定めた紛争の平和解決の原則に反するものです」と党として抗議し、是正を求めたことも紹介しました。
そのうえで、尖閣諸島の日本の領有は歴史的にも国際法的にも正当だと明確な根拠を全面的に明らかにした党の見解(2010年10月4日発表)のポイントを歴史資料も縦横に交えながら詳しく述べました。
志位氏は、自民党政府が日中国交回復時、日中平和友好条約締結時に尖閣問題を「棚上げ」にしてきたこと、「領土問題は存在せず」との態度をとり続けたことで自らの主張ができず、相手に反論もできない自縄自縛に陥ってきたことを指摘。「正面から日本の領有の正当性を中国側に主張し、相手の言い分を論破するという外交交渉が必要です」と強調しました。
日ロ領土問題について質問を受けた志位氏は、プーチン大統領に屈従する安倍首相の「2島返還」論を批判するとともに、ヤルタ協定やサンフランシスコ平和条約にも触れ、戦後処理の不公正を大本から正すことが解決の道であることを力説。「領土問題の解決は、いくら相手をファーストネームで呼んでもだめです。国際法や歴史的事実に基づき、相手国の国民を納得させるような道理をもった論建てが大切だと思います」と述べました。
意見交換では「野党が外交問題でも方向性を示すことが大事だ」などの意見が出され、外交論議がおおいに盛り上がりました。
志位氏は、懇談会の中で、高知県知事選(11月7日告示・24日投票)で全野党の推挙を受けて共産党の松本けんじ氏が野党統一候補になったことへのお礼を述べるとともに、「力を合わせて勝利しましょう」と協力を呼びかけました。
これにこたえて知事選の選対本部長でもある広田氏が「何としても勝ちにいこう」と決意を表明しました。
懇談の最後に安住氏は「今後も、さまざまな問題で意見交換や懇談をやっていきましょう」と述べました。