志位和夫 日本共産党

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国会質問

2019年10月11日(金)

消費税 論拠総崩れ

国会論戦に見る 「安倍大増税」正体鮮明


 消費税10%増税の強行後初の国会論戦となった7~9日の衆参両院での代表質問。日本共産党の志位和夫委員長、小池晃書記局長の質問と安倍晋三首相の答弁から、消費税の正体が浮き彫りになり、「安倍大増税」の論拠が総崩れになりました。


増税の言い分ウソ 大企業減税の穴埋め

 「弱者から吸い上げ、大企業と富裕層を潤す。これこそが消費税の正体だ」。8日の衆院本会議で志位委員長の声が響きました。

 「社会保障のため」「財政再建のため」と政府が繰り返してきた消費税。志位氏は、消費税導入後31年間の現実は、「年金は減らされ、サラリーマンの医療費窓口負担は3倍になり、介護保険は負担あって介護なし。社会保障は切り下げの連続」であり、「国と地方の借金は246兆円から1069兆円と4倍以上に膨れ上がった」と指摘しました。

 では、消費税は何のために使われたのか―。志位、小池両氏は、この31年間の消費税収(397兆円)と法人3税の減収累計額(298兆円)、所得税・住民税の減収累計額(275兆円)を示し、消費税収が大企業・富裕層減税の穴埋めとして充てられてきた事実を示しました。

 これらの数字を安倍首相は否定できず、「所得税や法人税による税収減の背景としては、制度改正要因(減税)に加え経済情勢の要因もある」と、大企業・富裕層優遇税制が税収減の一因であることを認めざるを得ませんでした。さらに、「(消費税)引き上げによる増収分は、実際に社会保障の財源として活用されてきた」と、それまで社会保障財源として充てられてきた所得税・法人税に替えて、消費税が充てられてきたとの認識を示しました。

 消費税が「社会保障のため」「財政再建のため」という政府の言い分が大ウソであることがはっきりしたのです。

景気「悪化」認めるも 誤りでないと無反省

 消費税は2014年4月に税率が5%から8%に引き上げられました。増税後の消費不況で、日本経済は長期低迷に陥っています。

 1世帯あたりの実質消費支出は年20万円も落ち込み、働く人の実質賃金は年15万円も落ち込んだままです。

 「一時的どころか、長期にわたる消費不況が今に至るも続いている」。こう迫った志位氏に、安倍首相は、「耐久財を中心に大きな駆け込み需要と反動減が生じ、その後の景気回復にも遅れが見られた」と述べ、8%への増税が景気悪化を招いたとの認識を示しました。

 8%への増税後も社会保障は改悪の連続でした。安倍首相はこうした現実から目を背け、「8%への引き上げは単なる増税ではなく、社会保障の充実を行った」と増税を正当化。8%増税が景気悪化を招いたことを認めながら、「引き上げの判断は誤りであったとは考えていない」と反省もなし。まったく説明もできない立場をとっています。

5%減税案に応えず 無駄遣い継続し温存

 日本共産党は、消費税廃止をめざすとともに緊急に5%に減税し日本経済を立て直すことを提案しています。

 消費税を減税し、社会保障や教育をよくする財源をどう確保するか―。志位氏は、(1)持てるものからきちんと税金をとる(2)無駄遣いを一掃する(3)暮らしを応援することで日本経済を成長の軌道にのせて税収を増やす―の三つを組み合わせれば消費税に頼らなくても立派にやっていけると提起しました。

 志位氏はこの中で、史上空前のもうけをあげる大企業と超富裕層の実態を告発し、「大企業と富裕層優遇の不公平税制をただし、応分の負担を求める改革を」と迫りました。大企業と富裕層に対する優遇税制は、立憲民主党の枝野幸男代表も「明らかに不公平、不公正」として見直しを求めました。

 ところが、安倍首相は、不公平との指摘にはまったく答えず、「課税ベースを拡大し、法人税率を引き下げるなど法人税改革を行ってきた」と筋違いの答弁。富裕層優遇税制についても、その実態から目を背け「施策を既に講じてきた」とのべるだけでした。

 無駄遣い一掃について、志位氏は、トランプ米政権いいなりの米国製武器の“爆買い”をやめること、とりわけ、6600億円以上もの巨費を投じるイージス・アショアの配備の中止や沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設をやめることを求めました。

 安倍首相は、米シンクタンクの論文がイージス・アショア配備の目的について「ハワイやグアムの防衛」と明記しているとの志位氏の指摘に答えられず「必要な装備品だ」と強弁。辺野古への米軍新基地建設も引き続き進めていく姿勢を示しました。無駄を温存し、見直す気のない姿勢に変化はありません。

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