志位和夫 日本共産党

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演説・あいさつ

2019年6月27日(木)

国会閉会 参院選へ 日本共産党議員団総会

日本共産党議員団のかけがえのない役割

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が26日の通常国会閉会にあたって開かれた議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=26日、国会内

 通常国会における議員団のみなさん、事務局のみなさんの奮闘に敬意を表するとともに、閉会にあたってごあいさつを申し上げます。

最後まで逃げ回った安倍首相 国政担う資格なし

 この国会は、発足して6年半を迎える安倍政権の行き詰まりが、内政・外交のあらゆる面で噴き出した国会となったと思います。

 その象徴が、安倍(晋三)首相が、予算委員会の審議から最後まで逃げ回ったことであります。山積する国政の諸課題を国民の前で議論しようと野党が重ねて開催を求めたにもかかわらず、衆議院では3月1日、参議院では3月27日を最後に、ついに会期末まで予算委員会は開かれませんでした。国民の前で論争する意思もなければ能力もない。この一点をとっても、安倍政権に国政を担う資格なしと言わなければなりません。(「そうだ」の声、拍手)

 そうしたもと、国会最終盤、野党が一致結束して、内閣不信任案を提起したことには大きな意義があったと考えます。この国会の決着は参議院選挙でつけようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

政権の本質突く批判と具体的対案で論戦をリード

 参議院選挙の公示まで1週間。この選挙で何を訴えてたたかうかは、6中総決定と、それを具体化した一連の政策提起ですでに明らかであります。

 今日は、それらにくわえまして、この間の国会を振り返って、日本共産党国会議員団が果たしてきたかけがえのない役割について、三つの角度からのべたいと思います。

 第一は、安倍政権に対する本質を突く批判と、具体的対案の提示によって、国会論戦をリードする役割を果たしてきたということであります。

年金問題――「マクロ経済スライド」という最大争点をつく

 この間、年金問題が一大争点となっております。

 「公的年金だけでは2000万円不足」という金融庁の報告書が問題の発端となりましたが、この問題の最大争点は、「マクロ経済スライド」による連続的な給付引き下げを許していいのか、ここにあります。この最大争点を正面から突く論戦を行っているのは日本共産党であります。

 「マクロ経済スライド」の廃止を求めた参院決算委員会の小池(晃)書記局長の質問、党首討論での私の提起に対して、安倍首相は「ばかげた政策」との悪罵を投げつけました。しかし、今でさえ貧しい年金を、さらに貧しくしてしまう政策こそ、「ばかげた政策」というほかないではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 安倍首相は、論戦のなかで、「マクロ経済スライド」による年金削減が7兆円規模になることを自ら認めました。7兆円の年金削減か、「減らない年金」にするか――年金をめぐる対決構図が鮮明になりました。

 わが党は、党首討論と参院選の公約で「減らない年金」のための具体的な財源確保案を明らかにしています。これを「ばかげた政策」というなら、私は、安倍首相に言いたい。「対案を出せ」、こう言いたいのであります(「そうだ」の声)。自分は何らの「対案」ももたずに、わが党が真剣に提起している具体的提案をののしるのが首相の仕事だと考えているのならば、即刻首相を辞めていただきたい。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん。参議院選挙では日本共産党の躍進で、安心の年金、頼れる年金をつくろうと訴え抜こうではありませんか。(「よし」「そうだ」の声、拍手)

消費税10%増税の根拠つき崩す――「別の道」掲げ躍進を 

 消費税10%への増税問題でも、わが党議員団は本質を突く論戦を行ってきました。

 家計消費や実質賃金の落ち込みの事実を突きつけて、景気悪化のもとでの増税の無謀さを追及しました。日本共産党の論戦によって増税の根拠はことごとく崩壊し、もはや一かけらの道理も残されておりません。

 いま安倍首相が、そういうなかで言い訳として繰り返しているのが、「消費税の使い道を変える」ということであります。民放の番組などでももっぱらこれを言っております。増税分を「高等教育の無償化」や「幼児教育・保育の無償化」にあてると繰り返しています。しかしそうした言い訳も、わが党議員団の論戦によって、すでに論破ずみであります。「高等教育の無償化」なるものが、学費値上げを容認し、学費減免の対象者が学生のたった1割しかないマヤカシのものであるとともに、増税とセットではどんな政策も台なしになることは、わが党議員団がすでに徹底的に明らかにしたことではないでしょうか。

 安倍政権は、ここまで無残に破綻した消費税10%を「骨太の方針」にすえ、増税を訴えて、参議院選挙をたたかおうとしております。みなさん、受けて立とうじゃないですか(「そうだ」の声)。10%への増税ストップ、「くらしに希望を――三つの提案」「消費税に頼らない別の道」を掲げ、その実現のために日本共産党の躍進をと、訴え抜こうではありませんか。(拍手)

改憲案提示の3国会連続見送り――憲法を蔑ろにする安倍政治を変えよう 

 憲法9条改定問題について、安倍首相は、国会冒頭の施政方針演説で「憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待する」と公然と改憲の旗を振りました。しかし自民党改憲案の国会への提示は、国民と野党の反対によって、今国会もできませんでした。昨年の通常国会、臨時国会、今国会と3国会連続で見送りに追い込んだのは大きな成果であります。(「そうだ」の声、拍手)

 安倍首相は、二言目には、「野党は対案を出せ」といいます。日本共産党は確固たる対案をもっております。綱領で明記しているように、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」。これが私たちの対案であります。この対案を高く掲げて、今変えるべきは憲法ではない。憲法を蔑(ないがし)ろにしている安倍政治だということを大いに訴え抜こうではありませんか。(拍手)

国民の切実な願い届け、国政動かした数々の実績

 第二に、私は、わが党議員団が、国民の切実な願いで、国政を動かす数々の実績をあげてきたことを、この機会に確認したいと思います。

 とりわけ6年前の参議院選挙で改選3議席から8議席に躍進し、参院で議案提案権を得たことは、国会の風景を変え、政治を変える大きな力となりました。

ブラック企業名公表を実現――政府も認めざるを得ないわが党の役割

 わが党は、獲得した議案提案権を活用して、「ブラック企業規制法案」を提出し、ブラック企業の企業名公表という、戦後の労働行政が決してやろうとしなかった措置を取らせるという画期的成果をかちとりました(拍手)。厚労省が公表に踏み切ったときの通達には、わが党議員の質問が公表の契機になったと明記されています。異例のことでありますが、この問題でわが党が大きな役割を果たしたことは、政府も認めざるを得ない天下公認の事実ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

消費税の強権的徴収を告発――10万件超の差し押さえにストップ 

 消費税が払えず滞納を余儀なくされた中小企業に対して、わが党議員が、「一括納付しなければ差し押さえる」と迫る強権的な徴収を行ってきたことを告発し、麻生(太郎)財務大臣に「こちらの落ち度だ。きちんと対応する」と答弁させました。あの麻生大臣に「落ち度」だと答弁させたのであります。その後3年間で10万件を超える差し押さえにストップをかけたことも、特筆すべき成果として確認したいと思います。(拍手)

コンビニ本部による違法を追及、公取委が実態調査へ

 わが党議員の追及で、コンビニ本部による24時間営業の押しつけは違法との答弁を引き出しました。この答弁を受けて、公正取引委員会が、この夏にも実態調査に入ることが報じられております。違法行為が明らかになれば改善命令を出すことも検討されています。全国のコンビニで働く人々にとっての大きな朗報ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 これらは国民のみなさんの運動と連携し、衆参議員団が力をあわせてかちとった成果でありますが、とりわけこれらのたたかいの先頭に、6年前に当選をした新しい議員のみなさんが立ったことは、素晴らしいことではないでしょうか。(拍手)

 国民との共同の力でつくったこれらの成果を確信に、参議院選挙での必勝を誓い合おうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

国会での野党共闘発展に貢献――市民と野党の共闘成功へ力をつくそう

 第三に、国会での野党共闘のいっそうの発展に貢献したことであります。

 野党合同ヒアリングは、昨年の通常国会から数えまして、29テーマ、232回にのぼりました。これは安倍政権と自民・公明が、正面からの国会論戦を避け、逃げ回るなかで、行政監視という国会本来の役割を果たす、重要な活動となっております。

 こうした共同のとりくみのなかで、野党共同提出の法案は33本にのぼり、市民連合と野党との13項目の共通政策に結びつきました。そして全国32の1人区での野党統一候補の実現へとつながりました。

 この共闘の流れに、日本共産党議員団が大いに貢献したことに誇りと確信をもって、参議院選挙で市民と野党の共闘を必ず成功させるために、あらゆる力をつくそうではありませんか。(拍手)

日本共産党躍進へ――新しい仲間とともに次の総会を

 そしてそのなかで、「比例を軸」に日本共産党躍進を必ずかちとり、今回改選となる8人の現職議員のみなさんのすべてが必ず国会に戻ってくるとともに、多くの新しい仲間とともに次の議員団総会を開くことができるよう頑張り抜こうではありませんか(「よし」の声、拍手)。そのことをお互いに誓いあって、ごあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(「よし」「頑張ろう」の声、大きな拍手)