志位和夫 日本共産党

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演説・あいさつ

2019年4月18日(木)

衆院沖縄3区補選

沖縄の命運を左右するたたかい――大接戦を必ず勝ち抜こう

志位委員長の連帯あいさつ(要旨)


 衆院沖縄3区補欠選挙(21日投票)で辺野古新基地ストップをめざす「オール沖縄」のヤラともひろ候補必勝に向け、日本共産党沖縄県委員会が17日に沖縄市内で開いた全県決起集会で、志位和夫委員長が行った連帯あいさつ(要旨)は次の通りです。


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=17日、沖縄県沖縄市

 連日の奮闘に心からの敬意を申し上げます。ヤラともひろさんの勝利のために最後までともにたたかう決意を込めて連帯のあいさつをいたします。(拍手)

辺野古を視察して――基地は絶対に止められる

 今朝、辺野古の海で新基地建設強行の現場を見て、二つのことを感じました。

 一つは、あれだけの県民の民意が繰り返し示されたにもかかわらず、それを無視して建設を進めている安倍政権に対する強い憤りです。

 同時に、いま一つは、この基地は絶対につくれない(「そうだ」の声、拍手)。辺野古側の浅瀬をすべて埋め立てたとしても予定の全土量の6%にすぎません。あとの94%は大浦湾側を埋めなければなりませんが、これは軟弱地盤などで全く見通しがありません。ですから、これは絶対に止められるし、必ず止めたい。(拍手)

ヤラ勝利で「新基地ノー」のトドメの審判を下そう

 私は、この選挙は沖縄の命運を左右するものだと思います。

 これまでは、自民党は、昨年の名護市長選挙でも県知事選挙でもそうですが、新基地建設についてはダンマリを決め込み、争点隠しをしてきました。ところが今度の選挙は追いつめられて、「辺野古推進」を公然と掲げています。

 これは偶然に起こったことではありません。3月23日に自民党沖縄県連の大会があって、そこで「県知事選挙結果の検証と総括」を出しています。彼らとしては本当に深刻な総括をやっています。その最大の中心点は、「基地問題はもはや避けられない」ということです。自民党の文書ではこうのべている。

 「党本部(官邸)主導と言われた選挙方式で、辺野古移設問題を封印した」「辺野古問題、撤回に対する姿勢を明確にしない戦術が裏目に出た」「辺野古の問題から逃げている印象が強く、真正面から普天間の危険性除去のためには移設は必要との論陣をはるべきだった」「辺野古移設や普天間飛行場の危険性の除去、早期移設問題を完全に封印して選挙戦にのぞんだのは明らかに失敗だった」

 こういう「総括」を、彼らなりに真剣にやってのぞんできているわけです。

 これは、沖縄県民のみなさんのたたかいや繰り返しの選挙での審判に追い詰められての姿だと思います。追い詰められて基地問題はもはや避けては通れない。ならば正面から突破しよう。ボクシングに例えていいますと、コーナーまで追い詰められた。もう正面から殴り合うしかないという覚悟を決めている。相手はそういう必死の構えでこの選挙にのぞんできている。

 ですからこの選挙、絶対に負けるわけにはいきません(拍手)。私たちが負けたら、自民党は「辺野古推進の審判が下った」というでしょう。そんなことを言わせるわけには絶対にいかない。

 同時に、ヤラさんが勝てばトドメの審判になります。

 これまでの選挙では、自民党は負けても、「争点はいろいろあった。民意は辺野古移設反対などとは言えない」とごまかしてきましたけれど、今度の選挙は、「辺野古移設推進」といって選挙をやっている以上、負けたらそういう言い訳がききません。ヤラさんの勝利で、「辺野古新基地ノー」のトドメの審判を下そうではありませんか。(力強い拍手)

「沖縄と本土の連帯」にこそ勝利の展望はある

 今後を考えて、沖縄のたたかいの勝利の展望はどこにあるでしょうか。

 もちろん、「オール沖縄」の結束、「島ぐるみ」の団結、ここに最大の力があることは言うまでもありません。

 同時に、「沖縄と本土の連帯」にこそ勝利の展望があるということをいいたい。

 この問題で大切だと思うのは、昨年の知事選、今年の県民投票、この二つの大きなたたかいをへて、本土の世論が変わったということです。

 3月の世論調査を見ると、辺野古埋め立て反対が、全国の調査でもすべて多数となっています。「読売」で反対47%、「毎日」で反対52%、「朝日」で反対68%、共同通信も反対が68%です。「本土との温度差」がつねに問題になってきたのが、大きく変わっている。

 本土の世論を変えたのは沖縄県民のみなさんの不屈のたたかいです。翁長前知事の命がけのたたかい。それを引き継いだデニー知事を先頭にしたみなさんの頑張り。この不屈のたたかいが国民の心を揺さぶって、本土の情勢をいま変えつつある。ですから、ここは本土が本当に頑張らないといけない。「沖縄と本土の連帯」にこそ勝利の展望があるということを私は言いたいし、その決意で頑張りたい。(拍手)

「新基地ノー」が「市民と野党の共闘」の共通の旗印に

 そしてもう一つ、「沖縄と本土の連帯」で重要なことは、「辺野古新基地ノー」が、「市民と野党の共闘」の共通の旗印になったということです。

 昨日、歴史的な出来事が起こりました。立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、自由党の小沢一郎代表、「沖縄の風」の糸数慶子代表、社民党、社大党の代表、そして日本共産党からは私が、すべてそろってヤラさんの必勝を誓い合った。(拍手)

 沖縄で野党党首が一堂に会するのは歴史的にも初めての出来事で、画期的な日となりました。(拍手)

 辺野古新基地ストップ――これが野党共闘の旗印として、党首間で確認され、必勝を誓い合った。これが今の到達点です。

 野党共闘という点では、大阪12区補選で、宮本たけしさん――これまで日本共産党議員として頑張って素晴らしい活躍をしてきましたが、自ら議員を辞して、市民と野党の統一候補として、無所属でたたかっています。わが党とともに、自由党、社民党大阪府連のみなさんに推薦を出していただいています。立憲民主党代表の枝野さんも激励にこられ、国民民主党からも激励にこられ、野党各党から多数の国会議員が応援にこられ、各界の市民の方々も次々に応援に立ち、市民と野党の統一候補として頑張っています。

 そして、宮本さんのマニフェストのなかには、「民意を無視した辺野古新基地建設中止」と大きく書いてあります。(拍手)

 沖縄で勝ち、大阪で勝ち、そして参院選で勝って、「安倍政治サヨナラ」の審判につなげていこうではありませんか。(拍手)

「沖縄建白書」を実現する新しい政権をつくろう

 みなさん、安倍政権のもとで辺野古の問題が解決しますか。(「しない」の声)

 しませんよ。いくら「県民に寄り添う」と言っても口先だけじゃないですか。

 沖縄問題の解決の方法は明瞭です。安倍政権を倒すことです。(「そうだ」の声、拍手)

 倒す方法は、「沖縄と本土の連帯」、そして「市民と野党の共闘」、この力で安倍政権を倒す。そして「沖縄建白書」を実行する新しい政権をつくる(拍手)。この政権は憲法違反の安保法制の廃止をはじめ、日本の民主主義、平和、暮らしを守る緊急の仕事をやらなければなりませんが、その大事な柱として「建白書」を実現する。すなわち辺野古の基地は断念させる。普天間は閉鎖・撤去させる。これを実行する新しい政権をつくることが一番の解決の大道となります。このために頑張ろうじゃないですか。(力強い拍手)

最後の最後まで頑張りぬいて必ず勝利を

 最後に、いまの選挙情勢ですが、私は大激戦・大接戦だと見なくてはいけないと思います。

 最後の最後まで、一瞬たりとも気を抜いたら負ける。そういう覚悟で頑張りたい。

 自民党は、お話ししたように彼らなりの必死の「総括」をやってたたかっています。いわば「背水の陣」のたたかいです。

 それに対して私たちも本当に必死に最後まで頑張らなければ勝てません。

 この3区、14市町村がありますがそのうち13の市町村長は相手の陣営を支持している。この事実は片時たりとも忘れてはなりません。最後までゆるみが、もし一瞬でも出たら負けるというつもりで、最後の最後まで力をつくして必ずヤラさんの勝利を勝ち取ろうではありませんか。(力強い拍手)