志位和夫 日本共産党

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2018年6月19日(火)

崩れた街 命奪う

大阪北部地震


3.5メートル学校の壁 女児の上に

高槻市

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(写真)女児が亡くなったブロック塀倒壊の事故現場=18日、大阪府高槻市

 出勤や通学時間を襲った18日の大阪北部地震。高槻市では通学途中だった市立寿栄(じゅえい)小学校の4年生児童が倒れてきた学校のプールの外壁のブロック塀の下敷きになり、犠牲となりました。

 高槻市災害対策本部によると、倒壊したのは同小学校のプールの周囲を囲む高さ3・5メートルの壁のうち、ブロック8段で組まれた上段部分(高さ1・6メートル)が40メートルにわたり道路側に倒れました。

 この日、児童会のあいさつ運動の担当だった女児は、いつもより早く登校しました。

 高槻市の濱田剛史市長は同日の記者会見で「児童の保護者、ご家族に対して心からお悔やみ申し上げます。学校施設の一部の壁が倒壊したことについて深くおわび申し上げます」と謝罪しました。

 市によると小学校は1974年4月開校。プールの壁部分も開校時に建てられました。当時はフェンスでしたが、その後、目隠しの必要性にせまられ後からブロックを積んだもの。3年に1度点検していましたが、倒れる兆候はなかったと説明しました。市は事故を受け、市内全校の塀を調査するとしています。

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(写真)地震で陥没した道路=18日午後、大阪府高槻市

 塀の基準は建築基準法で決まっており、宮城県沖地震後の1981年に改正されました。高さが1・2メートルを超える場合は鉄筋を入れることなどが規模によって定められています。

 近所の女性は「かわいそうでなりません。うちも食器棚が倒れて家の中はめちゃくちゃになりました。余震も怖い。これ以上被害が拡大しないよう祈ります」と話しました。

屋根瓦落ちる

 同市では、広範に断水。ガスもとまり、ライフラインが一部使えない状態です。マンションや木造住宅で食器棚や本棚が倒れたり、壁がはがれたり、屋根瓦のずれや、ずり落ちなどの被害が広範にわたりました。JR高槻駅や島本駅では足止めされた人たちなどであふれました。

 休校となった小学生の子ども2人を連れていた母親は「近くのコンビニはすでに水が売り切れていました」と話し、困惑していました。

 市役所にはブルーシートを求めて市民が次々訪れました。受け取りに来ていた女性は「屋根瓦がずれました。雨が降るとどうしようもありません。自分ではできないので近所の人に頼もうかと思っています」と話していました。

 日本共産党の宮原たけし府議、高槻市議・島本町議は地域を回り、市民に声をかけ、相談や情報提供に奔走しました。(大阪・小浜明代、安岡伸通)

学校の総点検求める

ラジオ番組で志位委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は18日、大阪府で震度6弱を観測した地震について「亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、被害にあわれた方々にお見舞いを申し上げます。党として、救命・救急、ライフラインの復旧に最大限協力します」と語りました。同日出演した文化放送のラジオ番組のインタビューに答えました。

 高槻市の小学校のプールのブロック塀が倒れて登校中の女児が亡くなったことについて、「あってはならないことで行政の責任は重い。同様の危険は全国の学校で少なくないのではないか。二度とこうした痛ましい出来事が起こらないよう、全国で総点検を求めていきたい」と述べました。


学校の塀 耐震点検の対象外

 大阪北部地震で、小4の女児(9)が、倒れてきた高槻市立寿栄小学校の壁に巻き込まれて死亡した事故で18日、文部科学省は学校を囲む同様の壁について、耐震点検や対策調査の対象外だったことを本紙の取材に明らかにしました。

 高槻市の事故では小学校のプール沿いに設置された高さ約1・6メートルのブロック塀が、長さ約40メートルにわたり倒壊しました。

 文科省は校舎の外壁や照明器具などの「非構造部材」の耐震点検や対策の実施について調査を進めており、2016年4月の資料では高槻市は「耐震点検の実施率」が100%でした。

 他方で、文科省の担当者は、「今回のようなブロック塀は調査の対象外」としています。文科省は、「小学校施設整備指針」(16年3月)で、今回のような壁を「地震時の安全性を確保するよう設計する」としています。(松浦裕輝)