2018年5月28日(月)
永年在職議員表彰の謝辞
「市民と野党の共闘」に未来 志位和夫委員長
国民無視の暴走政治と対峙 穀田恵二国対委員長
22日の衆院本会議で永年在職議員の表彰を受けた日本共産党の志位和夫委員長と穀田恵二国対委員長の謝辞の全文は次のとおりです。
「市民と野党の共闘」に未来
志位和夫委員長
このたび永年在職議員の表彰を受けたことに対して、心からの謝意を表します。私を四半世紀にわたって国会に送り出していただいた、旧千葉1区、比例代表南関東ブロックの有権者・支持者のみなさんにあつくお礼を申し上げます。
私の初当選は1993年7月の総選挙でした。この選挙では、「自民か、非自民か」にもっぱら焦点が当てられ、「共産党は選択肢の外」とされて、たいへんに苦しいたたかいを強いられました。
国際的には、旧ソ連・東欧の崩壊という事態を受け、「共産党は時代遅れ」といった議論が広くとなえられ、わが党にとって逆風となりました。初挑戦で、私は二重の逆風に遭遇しましたが、地元・千葉県のみなさんの懸命のご支援により初議席を得ることができたことは大きな喜びであり、この勝利があったからこそその後の国会活動が可能になったと、深い感謝の気持ちをもって当時を思い起こしています。
それから四半世紀をへた今日、私たちをとりまく情勢には、大きな前向きの変動が起こっていることを実感しています。
国際的には、昨年7月7日、国連で人類史で初めての核兵器禁止条約が採択されたことが象徴するように、一握りの大国中心の世界秩序は過去のものとなり、逆行や複雑さをはらみながらも、すべての国ぐにが対等・平等の権利をもって国際政治の主人公となる新しい世界が姿をあらわしつつあります。私自身、国連会議に参加し、核兵器禁止条約採択にむけた活動を行いましたが、広島・長崎の被爆者を先頭とする世界の反核平和の運動、それと連帯した日本共産党の立場が21世紀の世界の本流となっていることに、大きな確信と希望を見いだすことができました。
国内の情勢では、とくに、2014~15年の安保法制=戦争法反対の論戦と運動のなかで、市民と野党の共闘によって日本の政治を変えるという新しい画期的な流れがつくられています。共闘の発展とともに、長い間、日本の政界を覆ってきた「共産党をのぞく」という壁が取りのぞかれ、日本共産党も参加しての共闘がさまざまな形で当たり前のように取り組まれてきています。
市民と野党の共闘にこそ、未来がある。これが私たちの確信です。いったん踏み出した「共闘によって政治を変える」という道を、多くの方々と手を携えてとことん追求していく決意を申し述べて、永年在職議員の表彰をうけての謝辞といたします。
国民無視の暴走政治と対峙
穀田恵二国対委員長
このたび院議をもって、永年在職議員の表彰を受けました。望外の喜びであり感謝の念に堪えません。1993年、京都1区での初当選以来、四半世紀にわたり私を国会に押し上げていただいた京都と近畿ブロックの支持者のみなさんに心からお礼を申し上げます。
私の政治活動の出発点は、反戦平和の思いです。母校の立命館大学には、侵略戦争に学徒が動員された過ちを反省し、二度と若者が銃をとらないとの決意を表した反戦平和の象徴・わだつみ像が建立されています。
私はこの決意を自らのものとして、戦前の暗黒時代に侵略戦争に反対し平和と民主主義の実現を主張してきた日本共産党に入党しました。
日本国憲法は、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」、国民主権、恒久平和、基本的人権の原則をうちたてました。
私は、この原則を政治に生かすべく、「わだつみの悲劇を繰り返すまい」「憲法を政治に生かそう」を政治信条として貫いてきました。
95年、阪神・淡路大震災が発生しました。発災直後から被災地を訪れ、被災者支援と復興は「人間の復興」を理念とすべきこと、政治の要諦は「国民の安全」と痛感しました。被災者の生活再建に対する公的支援の実現を求め続け、被災者・市民のみなさんと共同を広げ「被災者生活再建支援制度」の創設に努力してきました。
私は、21年間、日本共産党の国会対策委員長を務めてきました。議会とは、議会制民主主義とは何でしょうか。国会の最大の任務は、政府の暴走をストップし、行政府に対するチェック機能を果たすことです。その点では、憲法の平和主義を根本から破壊する安保法制、さらには公文書の改ざん・ねつ造・隠ぺいという、国会を愚弄(ぐろう)し議会制民主主義を根底から覆す事態に対して議会の存在が問われているといわねばなりません。
国政は国民の厳粛な信託にもとづくものでありながら、国民の声を無視する強権政治が横行しています。その背景には選挙制度があります。小選挙区制を廃止し、多様な民意を正確に反映する選挙制度への改革を訴えるものです。
いま「戦争する国づくり」が進められ、憲法9条を変えようとする動きが強まっています。国民は、この策動を断じて許さないでありましょう。暴走政治と対峙(たいじ)し、立憲主義回復・安保法制反対の国民的運動の中で培われた「野党は共闘」の声が、「市民と野党の共闘」として発展しつつあります。
私は、国会議員としての今後の活動の中で、憲法を生かす新しい政治の流れを実現するために全力を尽くす決意を改めて表明して謝辞といたします。