志位和夫 日本共産党

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国会質問

2018年5月31日(木)

森友・加計 首相夫妻の関与は明らか

党首討論 志位委員長の発言


 日本共産党の志位和夫委員長が30日、衆参両院の国家基本政策委員会合同審査会で行った、安倍晋三首相(自民党総裁)との党首討論は次の通りです。


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(写真)討論する志位和夫委員長=30日、国会内

志位 「改ざん、隠ぺい、廃棄、虚偽答弁―なぜこんな悪質な行為が引き起こされたか」

 志位委員長 森友・加計問題について質問します。

 二つの疑惑が国会で問題になってから1年以上がたちます。しかし、1年以上たっても、国民の疑念は解消されるどころか、ますます深まる一方であります。

 なぜそんな事態になっているのか。私は、この1年あまりの経過で明らかになった、あなた方政府も認めた五つの重大な事実を指摘したいと思います。

 第一に、森友疑惑では、昨年2月下旬以降、決裁文書の改ざんという前代未聞の違法行為が行われていたことを、政府は認めました。

 第二に、国と森友学園との交渉記録を「廃棄し、残っていない」とした、昨年2月下旬以降の国会答弁が虚偽であったことを、政府は認めました。虚偽答弁によって、交渉記録を隠ぺいしようとしたのであります。

 第三に、交渉記録を「破棄した」という答弁に合わせて、昨年2月下旬以降、当時保管されていた交渉記録を実際に廃棄してしまったことを、政府は認めました。

 第四に、加計疑惑では、「総理のご意向」などと書かれた文科省の内部文書が昨年5月に明らかになりましたが、政府は当初これを「怪文書」などと決めつけ、隠ぺいをはかりました。「あったことをなかったことにはできない」という前川(喜平)前文科(事務)次官の証言が行われるもとで、6月、通常国会の閉会間際になって、政府は文書の存在を認めるにいたりました。

 第五に、柳瀬(唯夫)元首相秘書官は、昨年7月の国会答弁では、2015年4月2日に、愛媛県今治市の担当者と会ったことについて「記憶にない」と否定しましたが、今年5月の答弁では、一転して、同時期に加計関係者と3回にわたって首相官邸で会っていたことを認めました。昨年7月の答弁は虚偽答弁だったことは明白です。

 これらの五つの行為は、そのどれもが国民と国会を欺く行為であり、それが真相究明の重大な障害となってきたことは明らかであります。(「そうだ」の声)

 そこで総理にうかがいます。改ざん、隠ぺい、廃棄、虚偽答弁――このような悪質きわまる行為を引き起こした政権は、安倍政権が歴史上初めてなんです。あなたの政権のもとで、いったいなぜこのような悪質な行為が引き起こされたのか、その理由を総理はどう考えておられるのでしょうか。端的にお答えください。(「よし」の声)

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(写真)討論する安倍晋三首相=30日、国会内

首相 「責任痛感」と言うも悪質行為引き起こした理由を答えられず

 安倍首相 まず、森友問題については、私の妻が名誉校長を引き受けていたということ、あるいは加計学園の獣医学部新設に関わる問題については、私の友人が新たな学部を新設をしようとしていたことからですね、国民のみなさまから疑念の目が向けられても当然のことであろうと、このように思っています。そうした反省の上から、今後は李下(りか)に冠をたださずという気持ちでより一層身を引き締めていきたいと、こう思っているところでございます。

 決裁文書書き換え問題など、公文書にかかわる問題については、国民のみなさまの信頼を揺るがす事態になっていること、行政府の長としてその責任を痛感しておりますし、最終的な責任は総理大臣たる私にございます。二度とこうしたことが起こらないように、ウミを出し切り、しっかり組織を立て直していきたいと、こう思う次第でございますし、公文書ルールについても、しっかりと対応していきたいと、このように考えております。

志位 「全然答えになっていない。もう1回答えよ」

 志位 私は、五つの悪質な行為がなぜ引き起こされたのか、その理由をどう認識されているか聞いたんです。全然お答えになっていない。もう1回答えてください。

首相 問いから逃げ、理由を答えられず

 首相 この問題についてはですね、例えばですね、言った言わないになっているものがあります。例えば、例えば、例えばですね、この文書については、例えば、公文書と言われている文部科学省の文書においても言った言わないということになった、そういうことであれば、やはり今後ですね、こういう公文書においては、かっこ書きのものについては、発言者の確認を取っていく、あるいは電子決裁システムをしっかりと整備をしていくということ等で対応していかなければいけない。そういうところに欠けていた点に問題があったと、このように思っております。

志位 「国民はみんな知っている。すべては総理を守るためのものだった」

 志位 私は、五つの悪質な行為がなぜ行われたかと聞いたのですが、これについて、一切お答えになりません。答えることができない。

 しかし、国民はみんな知ってるんですよ(「そうだ」の声)。なぜ行われたかを知っている。すべては総理、あなたを守るためですよ。(「そうだ」の声)

 総理は、昨年2月17日、森友学園について、「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」と断言しました。

 さらに、昨年3月13日、加計学園について、「もし働きかけをしているのであれば、責任を取る」と断言しました。

 こう断言した総理を守るために、改ざん、隠ぺい、廃棄、そして虚偽答弁など悪質きわまる行為を行った。

志位 「総理夫妻の関与は明らか。責任をとって総理の職を辞することを求める」

 志位 そして、もしも総理が真実を語っていたとしたら、そのような悪質な行為を行う必要がありません。それが行われたということは、総理の答弁がウソだった、あなたのウソの答弁につじつまを合わせるためだった、ウソの答弁にウソでつじつまを合わせるためだった。そうとしか説明がつかないじゃないですか。

 森友・加計問題への総理夫妻の関与はいまや明らかであります。責任をとって総理の職を辞することを強く求めて、討論を終わります。(大きな拍手)