志位和夫 日本共産党

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TV発言

2017年10月10日(火)

日本テレビ系8党首生討論

志位委員長の発言


 日本共産党の志位和夫委員長は9日行われた日本テレビ系「news every.」に出演し、各党党首と総選挙の争点・構図などをめぐり討論しました。


首相指名選挙

選挙結果見て「3党で相談」

 冒頭、選挙後の首相指名選挙で書く名前を各出演者がフリップに書きました。自民・安倍晋三首相、山口那津男公明党代表は「安倍晋三」、希望の党の小池百合子代表は「選挙結果で判断」と書きました。志位氏は「3党で相談して」と書いた上で、次のように発言しました。

 志位 今度の選挙は、共産党と立憲民主党と社民党と3党でできる限りの連携をしてたたかっています。候補者調整もしている。共通政策も七つほど確認しています。ですから、選挙結果を見て、3党で相談して決めていくことになろうかと思います。

 立憲民主党の枝野幸男代表は自らの名前を書き、「党首の名前を書く原則を貫く」と述べました。

 司会者が3党の選挙協力について「野党共闘は将来的にどのような姿を目指しているのか」と質問。志位氏は次のように答えました。

 志位 今回の選挙については市民連合のみなさんと7項目の政策合意を結んでいます。その中には、例えば安倍政権のもとでの9条改憲に反対する、安保法制(戦争法)、秘密保護法、共謀罪、この三つの憲法違反の法律を廃止する、原発の問題でも福島原発事故の検証のないもとでの再稼働は認められない、そのほか暮らしの問題も含めて7項目の共通政策を掲げています。まずはこれをしっかり実行するということを進めていきたいと思います。

 司会者が首相指名で枝野氏と書く可能性はあるのかと問われ、次のように述べました。

 志位 可能性としてはあると思う。これは選挙の結果を見て、われわれの中でどのような結果が出るかも見たうえで、3党でやっているわけですから、3党の誰でも可能性があるのではないかと思います。

 これについて枝野氏は「7項目で一致して、3党それぞれできる限りのことをやろうという中で、共産党も社民党も候補者をおろすという大変苦渋の決断をされたことには大変敬意を表している」と述べました。

森友・加計疑惑

2人の喚問ないと疑惑晴れない

 司会者は、8月の世論調査で8割が森友・加計疑惑で首相の説明に納得できないとしている数字を紹介し、「共産党は森友・加計疑惑の徹底究明を公約に掲げているが」と志位氏の見解を問いました。志位氏は次のように述べました。

 志位 冒頭解散をやった理由をきのうの討論会で(安倍首相に)聞きました。私たち野党4党としては6月22日に憲法53条にもとづいて臨時国会の召集を要求しました。国政私物化疑惑の徹底解明が必要だということで要求したのですが、3カ月以上ほったらかしにして、国会を召集したと思ったらその日に解散しました。

 解散の理由は総理がいろいろ述べています。北朝鮮、少子化の問題。しかし、冒頭解散の理由になっていないと聞いたのですが、定かな答えがないんです。そうしますと、「森友・加計疑惑隠し」しか理由がない。(首相は)選挙のさなかで議論するというのですが、選挙の中で証人喚問をやったり、質疑をやったりはできません。ですから、(国会で)きちんと疑惑究明もやる、それから総理の言うような二つの問題を含めて争点を明らかにする。そのうえで解散をやったらよかった。これが順序というものだと思います。

 これに対し安倍氏は「都議会議員選挙終わった後、共産党の小池書記局長が直ちに解散せよと言った」と発言しました。志位氏は次のように反論しました。

 志位 私も同じ要求をしました。ただ、それは都議選の結果を受けて、速やかな審判が必要だと言ったわけで、冒頭解散しろということではありません。

 安倍ご夫妻が大変仲の良いお友達の方が、森友にしても加計にしても結果として優遇された。(国有地の)8億円の値引き、あるいは獣医学部の新設、結果として特別の扱いを受けた。これは事実です。その経過をきちんと説明しないといつまでたってもこの疑惑は残ると思います。

 それから、2人のキーパーソンである安倍昭恵さんと加計孝太郎さんを証人喚問に出してこないということが、やはり国民の疑惑を晴らすに至っていない最大の理由だと思います。

憲法に自衛隊明記

9条2項空文化=死文化され、海外での武力の行使が無制限に

 憲法問題が議論になり、安倍氏は9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明記する考えを示し、「いまの憲法でかかっている制約はそのまま残すのが私の考え」と述べました。志位氏は次のように反論しました。

 志位 安倍さんは5月3日に、「憲法9条1項、2項は残しつつ自衛隊を明記する」ということをおっしゃいました。今お話を聞いていますとね、違憲という誤解を解くためなんだと。それ以外の理由はないんだというふうにおっしゃいますけれど、私はそうはならないと思うんですよ。

 「後からつくった法は前の法に優越する」―これは法の一般原則と言われます。ですから、仮に9条2項を残したとしても、あとから別の項目で自衛隊が明記されますと、こちらの方が優越して2項が空文化=死文化するというふうに、私はなると思うんですね。

 2項というのは、これがあるために政府は海外での武力行使ができない。集団的自衛権ができないと言ってきた、まさに海外での武力行使を止めてきた壁だったわけです。これが空文化=死文化されますと、海外での武力の行使が無制限になってしまうことになる。

 (自衛隊を明記しても)この2項の制限はかかると、先ほど安倍さんはおっしゃったけど、どういう書きぶりをするかによって、たとえば(自民党の)古屋圭司さんは、「前項の規定にかかわらず自衛隊を保持する」と。こうなりますとね、これはもう例外規定になっちゃって、2項はまったく及ばなくなります。本当にここは危険だと思いますね。