志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

主な活動

2017年8月6日(日)

核兵器禁止から廃絶へ 禁止条約にサインする政府つくろう

広島 志位委員長が訴え


写真

(写真)報告する志位和夫委員長(左)と大平喜信衆院議員=5日、広島市中区

 日本共産党中央委員会・広島県委員会は、広島への原爆投下から72年目を翌日に迎える5日、核兵器禁止条約を採択した7月の「国連会議」の画期的な中身を伝える街頭演説を広島市内で開きました。志位和夫委員長が「核兵器禁止から廃絶へ―『国連会議』の報告」と題して演説し、「被爆国・日本で、核兵器禁止条約にサインする政府をつくろうではありませんか」と呼びかけました。

 多くの通行人が足を止め、志位氏らの訴えを熱心に聞き入る聴衆が歩道沿いにぎっしり。

 大平喜信衆院議員は、条約採択の歴史的瞬間に立ち会った感動を語り、「世界中の政府や市民の代表と心から共鳴し合った」「安倍政権を終わらせ、『核兵器のない世界』の実現へ先頭に立つ政府をつくろう」と訴えました。

 次期衆院選の垣内京美比例中国ブロック候補と小選挙区6候補が紹介されました。

 志位氏は冒頭、原爆犠牲者への哀悼の気持ちを述べるとともに、「核兵器のない世界」を実現するために力をつくすと表明。志位氏が「国連会議」での核兵器禁止条約の採択(7月7日、ニューヨーク)について報告し、「採択の瞬間、会場を揺るがす拍手と歓声が起こりました。各国代表も市民社会代表も抱き合って喜びました。議場は『歴史が動いた』との感動に包まれました。広島のみなさんとともに、歴史的壮挙を喜びあいたい」と述べると、聴衆から大きな拍手が起こりました。

被爆者の参加は会議成功の「推進力」だった

 志位氏は「国連会議」の画期的な特徴を紹介しました。それは、同会議が、国連の核軍縮会議で初めて、各国政府と市民社会の代表によって構成されたことです。志位氏は、この中で、「とりわけ会議成功に大きな貢献をしたのは被爆者のみなさんです」と強調しました。

 「同じ地獄をどの国の誰にも絶対再現してはならない」(藤森俊希さん)、「広島や長崎でなくなった人々の魂の声を感じとっていただきたい」(サーロー節子さん)と、同会議での被爆者の訴えを紹介すると、聴衆は静かに聞き入りました。

 エレン・ホワイト議長は、条約採択後の記者会見で、「被爆者が出席してくれたことは、この会議の交渉を成功に導く推進力でした。それはすべての(政府)代表を感動させ、人間の魂に訴えかけるものでした。それは、理性とハートを結ぶプロセスでした」と述べました。

 志位氏が、この発言を紹介し、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の長年の取り組みにふれ、「ついに世界を動かした被爆者のみなさんに心からの敬意と感謝を申し上げたい」と述べると、大きな拍手がわき起こりました。

 志位氏は、日本共産党が市民社会の一員として同会議に参加し、要請・懇談などを通して、「禁止条約を一致できるところで作成し、核兵器廃絶への一歩を踏み出そう」と呼びかけたことを報告、「会議成功に向けて一つの貢献ができました」と語りました。

世界と日本のたたかい、広島・長崎の声がつくった条約

 日本共産党の志位和夫委員長は5日の広島市での街頭演説で、核兵器禁止条約を条文にそって丁寧に解説しました。

 条約の思想を示した「前文」では、核兵器の非人道性を厳しく告発し、違法性を明確にする太い論理が貫かれていると指摘。「原水爆禁止運動が一貫して訴えてきたことが、ついに国際社会の共通認識となりました」と強調しました。また、条文には「ヒバクシャ」の言葉が2カ所盛り込まれており、「被爆者が戦後歩んだ、苦難はあるが気高い道のりを正当に評価したものではないでしょうか」と力を込めました。

 第1条では、核兵器を抜け穴なしに全面的に禁止していると指摘するとともに、第4条で核兵器完全廃絶にむけた枠組みが、第6条・7条で被爆者援護が盛り込まれていることを詳細に語りました。

 志位氏が、「戦後、日本の原水爆禁止運動は、核戦争阻止、核兵器禁止・廃絶、被爆者援護・連帯―三つの柱を掲げ、不屈のたたかいをしてきました。この三つは、広島、長崎のみなさんが一貫して願ってきたことだったと思います。条約には、その内容が全面的に盛り込まれています。戦後、70年余の世界と日本のたたかい、広島・長崎の声がつくった条約であることを確信にし、前に進もうではありませんか」と呼びかけると、聴衆は大きな拍手で応えました。

21世紀の新しい世界の姿、 追い詰められた逆流

 志位氏は、「『国連会議』には、21世紀の新しい世界の姿が現れました」と強調。国際政治の「主役」が、一握りの大国から、多数の国々の政府と市民社会に交代し、「国連会議」でも議長を務めたホワイト氏の出身国であるコスタリカをはじめ、オーストリア、アイルランドなど、「小さな国」が「大きな役割」を果たしたと述べ、こう力説しました。

 「今の世界で大切なのは国の大小ではありません。世界のすべての国々と市民社会―世界の民衆が、対等・平等の資格で、世界政治の『主役』となる新しい時代が到来しました」

 一方、核兵器にしがみつく逆流はいよいよ追い詰められたと強調。会議をボイコットした日本政府を、唯一の戦争被爆国の政府にあるまじき恥ずべき態度だと批判しました。その上で、「北朝鮮に核開発を放棄させるうえでも、核兵器禁止条約がいよいよ大切です。日本政府も条約に参加してこそ、北朝鮮に対して最も強い立場にたてます」と訴えました。

条約を力に、「核兵器のない世界」 の実現に進もう

 最後に志位氏は、禁止条約採択を新たなスタートに、「核兵器のない世界」の実現というゴールに向けて、(1)核兵器禁止条約そのものがもつ力(2)条約をつくりあげた世界の多数の諸政府と市民社会の力(3)一つひとつの核保有国と同盟国で、禁止・廃絶を世論の多数にし、核兵器禁止条約に参加する政府をつくる―という三つの力を合わせて進もうと力を込めました。

 「被爆国・日本の動向は大きなカギとなっています。日本政府に核兵器禁止条約へのサインを求めましょう。サインをしないなら、私たちの手でサインする政府をつくろうではありませんか」と呼びかけた志位氏。野党と市民の共闘の課題として核兵器禁止条約を位置づけることを提案すると、大きな拍手と歓声がわき起こりました。