志位和夫 日本共産党

力をあわせて一緒に政治を変えましょう

党の会議での報告

2017年8月6日付「しんぶん赤旗」

8月~9月をどう位置づけどうたたかうか

幹部会 志位委員長の発言


 「いつ解散・総選挙となっても必ず勝利できるよう、強く大きな党をつくる仕事に思い切って力を集中しよう」と決議した4日の幹部会での志位和夫委員長の発言を紹介します。

 幹部会決議案は、8~9月という時期をとくに重視して、一連の提起を行っています。この8~9月という時期をどう位置づけ、どうたたかうか。このことについて、二つの角度から強調したいと思います。

いま強く大きな党をつくる一大チャンスが広がっている

 第一の角度は、幹部会決議案でも述べているように、いま強く大きな党をつくる一大チャンスが目の前に広がっている、この一大チャンスをものにしよう――これが今度の提起の一つの眼目だということです。

 今日の討論を聞いておりましても、都議選の勝利が党内外に大きな変化をつくりだしていることがこもごも語られています。国民との関係でも、共産党が難しい条件のなかで前進したことへの注目が広がっている。党内でも、全党が都議選に力を集中して躍進をかちとったわけで、大きな喜びが広がっている。党内外に大きな変化が起こっています。討論でも、「7月になって空気がガラッと変わった」「共産党への期待が広がってきている」ということが語られました。

 それから、安倍政権との関係でみますと、「安倍1強」と言われた政治状況が崩壊したわけです。昨日、「内閣改造」をやったわけですけれども、これは安倍政権の危機の打開には決してなりません。なぜなら、いまの危機は安倍首相本人がつくりだした危機であるわけで、本人を取り換えなければ、その打開は決してできない。一時の弥縫(びほう)策にはなっても、本質的な危機の打開には決してならないと思います。

 大会決定がのべていたように、「安倍1強」というが内実は脆(もろ)いものだった。それがあらわになってくるもとで、この悪政と正面から対決する日本共産党への期待が広がる。討論でも「早く安倍政権を倒してくれ」という声がどんどんかかってくるという状況が報告されました。安倍政権との関係でも、いよいよチャンスの情勢がやってきているわけです。

運動らしい運動が本格的に始まった7月――8月~9月にさらに発展させよう

 もう一点、2月の幹部会の訴えにもとづいて取り組んできた党活動の流れとの関係でも、8~9月は、たいへんに大切な時期となります。

 幹部会の訴えにもとづいて、党建設と都議選勝利という「二つの大きな仕事」に取り組んできた。2月から6月は、かなりの力を都議選勝利にそそぎつつ、党建設でも頑張ってきた。その結果、都議選は画期的勝利をかちとることができた。7月は、東京への力の集中から「解放」され、東京に支援に行っていた同志が、勝利の喜びや確信を持って、各県に戻ってきた。そういうなかで、党活動の流れとしても、7月は、ようやく党建設の運動らしい運動が始まったという段階だと思います。

 党員拡大という点でも、7月は、2年ぶりに1500人を超える党員を迎えたわけです。ようやく党勢拡大運動の流れが始まったという段階なのです。愛知の岩中県委員長は、「やっと7月から始まった」と発言しました。北海道の青山道委員長は、「7月に全地区入党ができた」と発言しました。ようやく運動らしい運動が始まった。

 私たちは2月の幹部会の訴えで、7月までの期間を設定して頑張ってきたわけですが、たいへんに大きな「前進への余韻」を残して期間が終わったというのが、今の状況だと思います。せっかく始まった前向きの流れを、ここで止めてしまったら、8~9月に発展させなかったら、こんなにもったいない話はありません。

 こうして党活動の流れという点からみても、8~9月は、強く大きな党をつくる一大チャンスだと思います。この一大チャンスを本気でものにする活動をやろうではありませんか。

2017年後半の激動の情勢を主導的に切り開く党をつくろう

 第二の角度は、8~9月に、2017年後半の激動の情勢を主導的に切り開く党をつくろうということです。

 幹部会決議案では、安倍政権の政治基盤の劇的な崩れが進行しているもとで、「この秋以降、安倍政権を解散・総選挙に追い込む条件と可能性が生まれている」という判断をしています。ここはたいへんに重要なところです。

 もともと安倍首相の描いていたスケジュールは、今年秋の臨時国会が終わるまでに、自民党としての改憲案を提出する。そして来年の通常国会で改憲案を発議する。だいたいこういうスケジュールを描いていたわけです。このスケジュールでいくならば、解散・総選挙は先のことになるということだったわけです。

 ところが安倍首相は、昨日の発言で、「(改憲は)スケジュールありきではない」と言い出した。もちろん、これは当初のスケジュールを諦めたわけでは決してありません。9条改憲への執念は変わりません。ただ、自分でスケジュールを示しながら、「スケジュールありきではない」というのは、一歩後退であることは間違いありません。都議選で厳しい審判をつきつけ、一歩後退に追い込んだ。

 こういうもとで、今年の秋以降の情勢は、大激動が予想されます。私たちの構えとしては、臨時国会を早期に召集させ、一連の疑惑の徹底追及をはかっていく。そして9条改憲の策動を断念に追い込んでいく。そして、安倍政権を、解散・総選挙に追い込んでいく。そうした大闘争をたたかいぬく。これが2017年後半の課題になってくると思います。

 そうしたことを展望し、8~9月は、2017年後半の大激動を主導的にたたかいぬく党をつくる時期だということを肝にすえて頑張り抜きたい。8~9月に、大会決定の読了という点でも、党員拡大を根幹にすえた党勢拡大という点でも、必ず見るべき前進をつくって、今年後半にどんな情勢の大激動が起こってもそれを主導的に切り開ける党をつくろう。これが幹部会決議案の提起であります。

カギはすべての支部の運動にしていくこと――そのための率直な自己分析を

 幹部会決議案の提起は、一つひとつが、よほどの構えをつくり、具体的手だてをとりきらなければできない提起となっています。

 大会決定の読了では、約4割という現状に、絶対に安住しない。すべての都道府県と地区委員会で少なくとも過半数に前進させる。そのためには、一般的な強調ではすすみません。大会決定が発揮しているみずみずしい生命力をいまここであらためてつかみなおして、一人ひとり、読了を増やしていくための具体的な援助の手だてをとりきることが、どうしても必要です。

 そして、この2カ月で、すべての支部・グループで党員を迎えよう。そして「しんぶん赤旗」の読者拡大では安定的な前進の軌道に乗せよう。これも一大決意が求められる目標ですが、やりぬくことができれば、総選挙勝利のたしかな保障を築くことができます。

 これらをやりきるカギとなっているのは、すべての支部が立ち上がり、すべての党員が参加する、そういう運動にいかにしていくか。ここにあります。幹部会決議案では、そのために、党機関が率直な自己分析――この間の成果・教訓とともに、それぞれの党組織で突破すべき弱点はどこにあるかを明らかにして、前進に挑戦しようということも訴えています。ここもぜひ深めていただきたい点であります。

 「強く大きな党をつくる一大チャンスをものにしよう」「今年後半の大激動を主導的に切り開ける党をつくろう」――このことを全党の合言葉にして、8~9月、大いに力をつくしたいと思います。この時期の重要性をしっかりつかみ、お互い知恵をつくして頑張り抜こうではありませんか。