志位和夫 日本共産党

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2016年4月27日(水)

熊本地震 命と健康を守る緊急対策を

志位委員長が安倍首相と党首会談


 日本共産党の志位和夫委員長は26日、熊本地震への被災者支援について安倍晋三首相と首相官邸で会談し、「震災関連死」の防止など被災者の命と健康を守る緊急対策(別項)を申し入れました。会談には小池晃書記局長、与党側から公明党の山口那津男代表らが同席しました。


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(写真)党首会談にのぞむ志位和夫委員長(左から2人目)、小池晃書記局長(左)と安倍晋三首相(右から2人目)、公明党の山口那津男代表=26日、首相官邸

 首相は、地震被害に対応した2016年度補正予算案を提出する考えを表明し、志位氏に早期成立への協力を要請しました。これに対し志位氏は「熊本地震災害は深刻な状況であり補正予算は必要です。震災対応に限定したものであれば、日本共産党としてより良いものにする努力をしつつ、できる限り速やかな可決・成立に協力したい」と表明しました。首相は「(補正予算は)震災対応に限る」と言明しました。

 志位氏は熊本地震災害に関する申し入れを首相に手渡し、「政府は避難所における生活環境の改善のための通知を出しており、その内容は累次の震災の経験を踏まえたものとなっていますが、現地の実態はかけ離れています。この通知の完全実施を政府が責任をもって進めてほしい」と求めました。

 志位氏はさらに、「申し入れの内容は、補正予算に反映していただきたいものもあれば、補正予算を待たずに執行していただきたいものもあります。ぜひ今後の震災対応に生かしてほしい」と要請しました。首相は「ご要望は全体として承りました」と述べました。

 会談終了間際に志位氏が「重大な震災であり、いまだ収束していない。これからも局面に応じて党首会談を開いていただきたい」と求めると、首相も「そうしましょう」と応じました。

熊本地震災害に関する申し入れ

1、被災者の命と健康を守る緊急対策を

 「震災関連死」を防止することをはじめ、被災者の命と健康を守る緊急対策として、以下の諸点を要請する。

 ●政府が、4月15日に出した「通知」―「避難所の生活環境の整備等について」の完全実施を責任をもってすすめること。

 政府は、避難所におけるプライバシーの確保、暑さ寒さ対策、入浴および洗濯の機会確保をはじめ、生活環境の改善とそのための設備・備品を確保するよう通知している。また、栄養バランス確保、適温食の提供、高齢者や病弱者への配慮、福祉避難所を設置するよう通知している。しかし、現地では、これらはまったく達成されていない。いまだに「3食おにぎり」「パン1枚で飲み物もない」という状況もある。

 被災自治体まかせの姿勢をあらため、政府の責任で実態をつかみ、すみやかに問題を解決することを強く求める。車中避難者をはじめ、避難を強いられているすべての人にも同様の支援を行うこと、安全な2次避難所の確保も必要である。 

 ●被災者への医療・介護に万全の態勢をとること。

 医療費の窓口負担、介護の利用料負担の減免措置を周知徹底すること、医療・介護施設の居住費の減免措置、医療・介護保険料の減免措置をとること。被災地への医療・介護スタッフをはじめとして専門職の派遣の抜本的強化を求める。

2、被災者の住宅と生業の再建支援の抜本的強化を

 被災者の住宅と生業(なりわい)の再建を国がしっかり支えるという、希望の持てるメッセージを政府として発信する必要がある。

 ●被災者生活再建支援法を改正し、住宅再建のための支援金を少なくとも500万円に引き上げること。

 現行の300万円では住宅再建はきわめて困難であるため、東日本大震災では多くの自治体がさまざまな上乗せ支援を行っている。国として支援金の引き上げに踏み切ることを強く求める。

 ●二重ローン問題の解決のため、必要な措置をとること。

 住宅と事業所などの二重ローンが、今後、被災者の生活と生業の再建のうえで重大な障害となる。その解決のために、既存のローンの減免など、政府として必要な措置をとることを求める。

3、九州電力川内原発の稼働の停止を

 今回の地震は、震度7の地震が連続して起こり、いまもなお活発な地震活動が継続中であり、今後の地震活動も予測ができない。専門家からも「経験則からはずれた地震」との声が出ている。電力需要からみても、川内原発を動かし続ける理由はない。

 ●不測の事態に備え、予防的に、川内原発をただちに停止すること。