志位和夫 日本共産党

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TV発言

2014年11月30日(日)

「アベノミクス」、消費税、財政再建…

BS番組で志位委員長語る


 日本共産党の志位和夫委員長は29日放送のBS朝日番組「激論!クロスファイア」に出演し、ジャーナリストの田原総一朗氏の質問に答える形で、総選挙の争点などについて語りました。

 冒頭、志位氏は総選挙で国民に訴えたいこととして「安倍政権の暴走ストップ。そして日本の政治の五つの転換を訴えてたたかいたい」と表明。(1)消費税10%(2)「アベノミクス」(3)「海外で戦争する国」づくり(4)原発再稼働(5)沖縄新基地建設―からの転換を求めた党の総選挙政策を示しました。

アベノミクスは格差拡大を加速

 田原氏は「アベノミクスのどこが一番、暴走か」と質問。志位氏は「格差の拡大を加速させた」と指摘し、次のように述べました。

 志位 例えば、異常な金融緩和で株は上がり、大資産家と大企業はうんともうけた。しかし、働く人の実質賃金は15カ月連続マイナスです。雇用が増えたと首相は言うけれど、増えたのは非正規雇用。正社員は22万人減っています。それから中小企業の中で“円安倒産”が起きています。結局、アベノミクスで格差が広がり、景気が悪化した。このやり方を切り替える必要があります。

 志位氏は「アベノミクスの格差拡大に加え、消費税を(8%へ)上げたことで増税不況をつくっている」と強調。1月の衆院本会議での代表質問で志位氏が“8%増税によって景気の悪循環の引き金を引くことになる”と警鐘を鳴らし、増税中止を求めたにもかかわらず、安倍晋三首相の答弁は“経済対策と合わせてやるから経済は好循環で大丈夫”というものだったが、結果は景気悪化になったと述べ、「消費税を上げたことが増税不況をつくっている。経済失政だ」と批判しました。

社会保障財源は消費税に頼らず

 田原氏は「消費税を5%に戻せという人もいるが」と質問。志位氏は消費税10%への増税の「先送り」実施に反対したうえで、「『消費税に頼らない別の道』で、富裕層、大企業に応分の負担を求める。国民の所得を増やして税収を増やす。こういうことによって消費税をいずれは廃止していく」と述べました。また、「増える社会保障費への対応は」の問いに次のように答えました。

 志位 二段階で考えています。まず大企業、富裕層に応分の負担を求める。ただ、それだけでは足りません。将来的に(財源が)足らないときにどうするか。所得税の全体の累進を上げます。将来にわたって「消費税に頼らない道」を歩んでいきます。

 日本が1000兆円もの借金を抱えた原因について、志位氏は(1)「公共投資基本計画」による10年間で630兆円もの大型開発(2)法人税減税、金持ち減税をやり過ぎて税収の空洞化が起きたことを告発しました。

 田原氏が「そういうけど、法人税はヨーロッパに比べると高い」と述べたのに対し、志位氏は「税金と社会保険料をセットで考えたら高くないんです。企業が払う社会保険料は日本は少ない」としたうえで次のように述べました。

成長軌道に乗せ国民所得上げる

 志位 先ほど言った税制改革で、取るところから税金を取る。もう一つは、日本の経済をまともな成長の軌道に乗せて税収を上げる。どうやってやるか。大企業は内部留保を285兆円持っています。全部を出せとは言わないけれど、この一部を活用して大幅賃上げをする。安定した雇用を増やす。中小企業には適正な単価を保障する。こういうことによって国民全体の所得を増やす。所得が増えれば税収が増える。

 富裕層や大企業に応分の負担を求める「応能負担」にもとづく税制改革で20兆円出てくる。大企業の内部留保を活用し、国民の所得を増やして税収を増やすことで、10年後に20兆円出てくる。合計で40兆円。2030年にはプライマリーバランス(基礎的財政収支)がまともになります。

集団的自衛権で戦闘参加になる

 集団的自衛権行使容認の「閣議決定」について田原氏は「安倍さんたちは日本の安全が保障されるといっているが」と問いかけました。志位氏は国会論戦で首相に具体的な問題点を追及したことを紹介。また、首相が著書で「血の同盟」と書き、米国のために日本が血を流す対等の日米軍事同盟を主張していると指摘しました。

 田原 アフガン戦争やイラク戦争に(首相は自衛隊が)参加しないと言っている。

 志位 参加しないと言いながら、一つひとつを詰めていくと、「戦闘地域まで行きます」。攻撃されたら、「武器の使用をします」。これは戦闘に参加するということです。

 田原 参加しないと言うのはウソだと。

 疲弊する地方や中小企業対策を問われ、志位氏は「地方に根を張って頑張っている中小企業、農林水産業をきちんと応援する政策が必要です」と強調。在日米軍への「思いやり」予算よりも少ない中小企業対策費を抜本的に増額し、農業では米価暴落対策や価格保障・所得補償によって再生をはかると語りました。