2009年2月5日(木)「しんぶん赤旗」

内部留保使い雇用守れ

キヤノン本社前 全労連など宣伝


 「今こそ大企業はため込んだ利益で雇用と下請けを守れ」。全労連などでつくる国民春闘共闘は四日朝、東京都内の、日本経団連・会長企業のキヤノン本社前(東京・大田)で宣伝しました。巨額の内部留保を崩して「非正規切り」を中止するなど、大企業が社会的責任を果たすよう求めました。

 キヤノン本社前には約百人が集まり、「株主配当を四円下げれば、非正規切りした千七百人の雇用を維持できる」などと訴え。出勤する労働者からは「ご苦労さま」と声がかかりました。

 「年越し派遣村」の実行委員を担った全労連の井上久事務局次長は、非正規切りが招いた実態について、「首を切られた仲間は命まで危険にさらされていた」と告発。「大企業の横暴は許せない。今すぐ非正規切りをやめろ」と求めました。

 地元・大田労連の中山六男議長は、大企業は正社員を低賃金の非正規に置き換え、「たんまり内部留保がある」と指摘。「この一部を使うだけで首を切らずにすむ。大企業がやるべきは、労働者と下請け企業に還元することだ」とのべました。

 代表幹事の一人で東京地評の伊藤潤一議長は今春闘で、労働者派遣法の抜本改正や、日本経済を内需拡大に転換させるため、力をあわせてたたかおうと呼びかけました。